中西 公子 Kimiko Nakanishi

中西 公子
教授

言語学 (意味論)

私の専門は言語学、中でも「言語の意味とは何か」について考える意味論・語用論という分野です。中学・高校で英語が好きになり、大学では外国語の勉強がしたいと思っていました。初めて受けた言語学の入門授業で、「切手を買う時、『切手を3枚ください』は自然だが、『3枚の切手をください』は不自然」と聞いて「なるほど」と思い、言語そのものの意味に興味を持ち始めました。

私たちが普段何気なく使っている言語を注意深く観察すると、様々な規則性が見えてきます。私たちは複数の単語からより複雑な表現を作り、その意味を無意識に理解しています。さらに、話者の意図や文脈も考慮して、適切な意味を自然に導き出しています。最近、人工知能が人間のように会話できると話題になっていますが、人工知能にはこのような無意識の言語能力はありません。人間だけが持つ言語能力とは何か、意味を理解する仕組みとは何か、様々な言語現象を通して考えています。

言語の観察は、小説やドラマ、映画など、身近な題材を通して行うことができます。読書や映画鑑賞が好きな人、英語を勉強したい人、言語に興味がある人、ぜひ英語学・言語学の授業に出てみてください。英語学・言語学を学ぶことで、英語だけではなく日本語にも詳しくなり、何語であれ、「聞く、話す、読む、書く」ことが楽しくなると思います。一緒に新しい発見をしましょう。

略歴

京都大学卒業、ペンシルベニア大学 (アメリカ) にてPh.D in Linguistics (言語学博士) 取得。コネチカット大学 (アメリカ) 言語学科講師、カルガリー大学 (カナダ) 言語学科准教授、お茶の水女子大学准教授を経て、2022年より明治学院大学文学部英文学科教授。