PEACE EDUCATION平和教育

春学期 【2018年度】現代平和研究1

広島・長崎講座

  • コーディネーター :高原 孝生(PRIME所員、国際学部教員) 渡辺 祐子(PRIME所員、教養教育センター教員)
  • 校舎 :明治学院大学 横浜校舎
  • 教室 :6号館3階630教室
  • 時間 :毎週木曜日5時限(16:45-18:15)

 

 

学習目標
深刻な原発事故によって「核」の意味があらためて問われる中、2017年には核兵器禁止条約が採択されたが、核武装国は逆に核兵器依存を強める傾向にさえある。そうした今日の現実をとらえる上で、必須とされる知識と視点を自らのものにする。核と戦争を克服していくという人類史的な展望のもとで、受講者が海外の友人たちにヒロシマ・ナガサキについて語れるようになってもらうことが最大の目標である。
講義概要
「唯一の被爆国」といわれる日本で学ぶ若者は、ヒロシマ・ナガサキをどこまで知っているだろうか。この授業では、原爆投下によって開かれた核時代に関する基本的な知識を確かなものにし、今日の私たちの課題を考える。日本から戦争被害を受けた諸国で人々が原爆投下をどのように受け止めたのかも学び、核兵器そして現代の戦争がもたらすものを想像できるようになってほしい。(「現代平和研究2」(秋学期木曜5限)を併せて履修することを推奨する。)
講義概要(日程・テーマ等変更の可能性あり、敬称略)
第1回 4/12なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか:核時代の起点としての原爆投下/高原孝生(国際学部教授、PRIME所長)
第2回 4/19なぜ核兵器は禁止されなくてはいけないのか:ICANの論理/川崎哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員)
第3回4/26原爆投下をアメリカはどう記憶してきたか:スミソニアン事件と米国の歴史意識/アレキサンダー・ヴィシー(国際学部准教授、PRIME所員)
5/3休講:祝日のため
第4回 5/10原子雲の下で何が起きていたのか:被爆者のことばを聞く/児玉三智子(日本被団協、広島で被爆)
第5回 5/17科学者は核時代をどう受けとめたか①:湯川秀樹とJロートブラット/小沼通二(慶応大学名誉教授、PRIME研究員)
第6回 5/24科学者は核時代をどう受けとめたか②:パグウオッシュ会議と非戦の思想/小沼通二(慶応大学名誉教授、PRIME研究員)
第7回 5/31隠された戦後の核の犠牲者たち:核実験の現場を歩く/豊﨑博光(フォトジャーナリスト)
第8回 6/7もう一つの被爆:第五福竜丸被爆の衝撃/安田和也(第五福竜丸展示館学芸員)
第9回 6/14「ビキニ事件」と原水禁運動、被爆者の歩み/安田和也(第五福竜丸展示館学芸員)
第10回 6/21核に覆われた世界:核燃料サイクルと恒常的な放射能汚染の脅威/豊﨑博光(フォトジャーナリスト)
第11回 6/28アジア・アフリカ諸国と核兵器:植民地独立と非同盟運動/勝俣誠(国際学部名誉教授/PRIME研究員)
第12回 7/5戦争廃棄物の堆積:WWIの不発弾と中国の日本軍遺棄毒ガス弾/アレキサンダー・ヴィシー(国際学部准教授、PRIME所員)
第13回 7/12日本の原爆/高橋源一郎(国際学部教授)
第14回 7/19原爆をアジアの人々はどう受け止めたか:国際社会における戦争と原爆/渡辺祐子(教養教育センター教授、PRIME所員)
第15回 7/26ふりかえりと到達度の確認(定期試験:学生のみ)
教科書
川崎哲『新版 核兵器を禁止する――条約が世界を変える』岩波ブックレット、2018
参考文献
丸浜江里子『ほうしゃの雨は もういらない』凱風社、2016;『ヒロシマ・原爆地獄』(自費出版);鈴木達治郎『核兵器と原発:日本が抱える「核」のジレンマ』講談社現代新書、2017 他、授業で多数、指示する。
成績評価の基準
毎回のリアクションペーパー(50%)と期末レポート(50%)。
関連URL
http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime/
備考
※履修希望者多数の場合抽選。

学内者・学外者の聴講も歓迎です。