PEACE EDUCATION平和教育

春学期 【2022年度】現代平和研究1

広島・長崎講座

  • コーディネーター :高原 孝生(PRIME所員、国際学部教員)、 浪岡 新太郎(PRIME所員、国際学部教員)
  • 校舎 :明治学院大学 横浜校舎
  • 教室 :Zoomを利用したオンライン開講
  • 時間 :毎週月曜日5時限(17:00-18:30) ※授業時間にご注意ください

 

授業概要
「唯一の被爆国」といわれる日本で学ぶ若者は、ヒロシマ・ナガサキをどこまで知っているだろうか。この授業では、原爆投下によって開かれた核時代に関する基本的な知識を確かなものにし、被爆地からの発信がどのように平和に貢献できるかを考える。(なお、その際に今日の日本人がふまえるべき侵略と加害の歴史を秋学期の「現代平和研究2」で学習するので、併せて履修することが望ましい。) 明治学院大学国際平和研究所が提供するこの授業は、広島市・長崎市・(公財)広島平和文化センターが普及を図っている「広島・長崎講座」として認められたものである。各回に掲げられたテーマを、複数の講師がリレー方式で担当する。
到達目標
昨2021年1月、核兵器を全面的に禁止する条約がついに発効した。ところが核武装国は逆に核兵器への依存を強める傾向にあり、ウクライナの戦争では核兵器使用を示唆する大国も現れている。こうした厳しい現実を前に、「唯一の戦争被爆国」からの発信は、どのように平和のために貢献できるだろうか。この講座で核時代の歴史と今日の課題の一端を学び、海外の友人たちに自らの言葉で、ヒロシマ・ナガサキについて語れるようになってほしい。
授業計画(日程・テーマ等変更の可能性あり、敬称略)
第1回 4/11 なぜ今、ヒロシマ・ナガサキなのか:核時代の起点としての原爆投下/高原 孝生(明治学院大学国際学部教員、PRIME所員)
第2回 4/18 原子雲の下で何が起きていたのか:被爆者のことばを聞く/児玉 三智子(日本被団協事務局次長、広島で被爆)
第3回 4/25 ウクライナ危機のなかで、核兵器について考える/川崎 哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員)
第4回 5/2 何をどのように訴えるのか:社会運動のとらえかた/浪岡 新太郎(明治学院大学国際学部教員、PRIME所員) 
第5回 5/9 第五福竜丸の被災:マグロ騒動、放射能雨、久保山さんの死/安田 和也(第五福竜丸展示館学芸員) 
第6回 5/16 1000隻近くの被災船とゴジラの出現:50年代太平洋の核汚染/市田 真理(第五福竜丸展示館学芸員)
第7回 5/23 「沈めてよいか福竜丸」:市民の残した平和遺産/安田 和也(第五福竜丸展示館学芸員)
第8回 5/30 ヒロシマ・ナガサキを知らせる:丸木夫妻の「原爆の図」/岡村 幸宣(原爆の図丸木美術館 学芸員・専務理事)
第9回 6/6 核兵器禁止条約とNPT:日本政府と市民が、いま果たすべき役割と課題/川崎 哲(ピースボート共同代表、ICAN国際運営委員)
第10回 6/13 アトミックソルジャーズと「風下の人たち」:米国民の被ばく/豊﨑 博光(フォトジャーナリスト)
第11回 6/20 チェルノブイリの子どもたちへの支援活動:原発事故による被ばく/小寺 隆幸(原爆の図・丸木美術館副理事長、チェルノブイリ子ども基金共同代表、PRIME研究員)
第12回 6/27 マーシャル諸島で起きたこと:戦後の核実験の狂気/豊﨑 博光(フォトジャーナリスト)
第13回 7/4 原爆体験の思想化:戦後史の中の被爆者の歩み/栗原 淑江(ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会 事務局)・浪岡 新太郎(明治学院大学国際学部教員、PRIME所員)
第14回 7/11 アートで原爆に向き合う:いま私が伝えたいこと/田中 稔子(壁面七宝アーティスト、広島で被爆)
第15回 7/18 被爆地からの発信:自分は何をすべきなのか/林田 光弘(長崎大学核兵器廃絶研究センター特任研究員)
教科書
川崎哲『核兵器はなくせる』岩波ジュニア新書 2018
中村桂子『核のある世界とこれからを考えるガイドブック』2020
田井中雅人『核に縛られる日本』角川新書 2017
参考文献
『ヒロシマ・原爆地獄』(自費出版)、日本原水爆被害者団体協議会 編『被爆者からあなたへ』岩波ブックレット、島本慈子『戦争で死ぬ、ということ』岩波新書、大石又七『ビキニ事件の真実』みすず書房、川崎哲『核兵器:禁止から廃絶へ』岩波ブックレット、これらの他、多数を授業で指示する。
関連URL
http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime/
備考
 聴講をご希望の方は、国際平和研究所代表(prime@prime.meijigakuin.ac.jp)までお問い合わせください。