イスラエル軍によるガザ地区の攻囲・空爆及び地上戦準備に対し、明治学院大学国際平和研究所の有志により、以下のような声明を発表しました。

 

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イスラエル軍によるガザ地区の攻囲・空爆及び地上戦準備の即時中止を求めるPRIME有志のアピール

 

 私たちは、イスラエル軍によるガザ地区の攻囲と空爆を停止し、地上戦の準備をただちに中止するとともに、同軍とイスラーム抵抗運動(ハマス)の即時停戦を要求します。

 さる10月7日、ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が行われました。この結果、民間人を含む1000人を越える人びとの命が奪われたほか、数多くの人びとが人質として拘束されました。イスラエル軍はこれに対する報復として、ガザ地区を完全に攻囲した上で空爆を行い、10月14日現在で2200人を越える人びとが殺され、40万人以上の人びとが住む場所を追われて避難したと報じられています。さらにイスラエル軍は現地時間の12日夜には同地区北部の110万人の住民に対して24時間以内の退避を要求し、「ハマスの壊滅」を目的とした大規模な地上侵攻の準備を進めています。

 私たちは、ハマスによる民間人への攻撃や拉致は国際人道法違反として強く非難されるべきであると考えます。しかしながらこれらの行為は、イスラエル軍がガザ地区の数多くの人びとの命を奪うことはもちろん、水道、食料、燃料、電気などを遮断して人びとを飢餓に追い込むことを正当化するものではありません。何より今般の事態の背景には、パレスチナ人民の自決権を侵害し、長年続けられたイスラエルによる国際法に違反した占領があることは看過されてはなりません。

 イスラエル軍は現在、パレスチナにおいて歴史的に積み重ねられてきた違法な占領と暴力に目を背け、強大な軍事力による侵攻を推し進めることで問題を「解決」しようとしています。これが実行されれば膨大な人命が失われることは必至であり、国際平和への深刻な破壊をもたらすことになるでしょう。のみならず、国連人権理事会のフランチェスカ・アルバネーゼ特別報告者が危惧するように、1948年のイスラエル建国時におけるパレスチナ人の大規模な難民化(ナクバ)や、1967年の第三次中東戦争の際のイスラエル軍によるガザ地区占領(ナクサ)を上回る、パレスチナ人の被害を生み出す可能性があります。

 私たちは以上の理由から、イスラエルに対し、地上戦準備を直ちに中止してガザ地区への攻囲を解くことを要求するとともに、日本を含む国連加盟国政府に対しては、イスラエル軍による報復行動への支援・支持を控え、即時停戦を実現するための外交努力を行うことを求めます。

 

2023年10月16日

明治学院大学国際平和研究所(PRIME)有志

 

賛同有志(50音順)
青柳寛、秋月望、秋山道宏、浅川和也、阿部浩己、石田隆至、石橋星志、市田真理、いとうたけひこ、伊藤るり、井上孝代、猪瀬浩平、宇井志緒利、梅林宏道、榎本珠良、大村真樹子、岡本雅享、荻村哲朗、小田原琳、片野淳彦、勝俣誠、鎌田陽司、上條直美、木村真希子、小寺隆幸、小沼通二、桜井均、佐藤アヤ子、重田康博、篠崎美生子、柴田優呼、徐正敏、高橋博子、高原孝生、嶽本新奈、田島伸二、千葉立也、張宏波、鄭栄桓、津山直子、勅使川原香世子、寺田俊郎、土井智義、戸谷浩、中田英樹、中野佳裕、長島怜央、ナギサデ・モハメド、浪岡新太郎、仁藤夢乃、野口久美子、野沢慎司、箱山富美子、長谷部美佳、東澤靖、平山恵、藤川賢、藤本博、舩田クラーセンさやか、古市剛史、松野誠也、丸山直起、宮﨑理、宮地基、村知稔三、森まゆみ、米川正子、李愛玲、涌井秀行、渡辺祐子
*2023年10月22日現在<70名>

 

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