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ボランティアと学問が結びついたとき、新たな関心が芽生える

2023.06.26

「コロナ禍でも、大学生活はとても充実しています」と話すのは、及川恵美さん(国際学部国際学科4年)。女子ラクロス部に所属し忙しく活動に励む傍ら、「明治学院大学教育連携・ボランティア・サティフィケイト・プログラム」(以下、「サティフィケイト・プログラム」という。)に登録し、学内外で様々なボランティアに取り組んでいます。毎月提出されるボランティア活動の報告書には、活動内容、感じたことや気づいたこと、今後の課題や抱負が丁寧に記されています。サティフィケイト・プログラムの登録をきっかけに、及川さんに訪れた気づきや変化を伺いました。

及川 恵美 国際学部 国際学科 4年 小学校では水泳、中学校ではテニス、高校ではバドミントンに取り組む。大学で女子ラクロス部に所属。体を動かすことや、新しいことに挑戦することが大好き。

サティフィケイト・プログラムに興味を持ったきっかけを教えてください。

入学時にはすでにコロナ禍の影響で、学生生活でできることが制限されている状況でした。勉強以外にもなにか学生生活で打ち込めることを見つけたいと思っていたときに、履修要項で「サティフィケイト・プログラム」の存在を知りました。このプログラムは、135時間のボランティア実践と、ボランティア実践に関連する3科目以上を取得し、実践と学びの融合を目指すというものです。「ボランティアは勇気がいる行為」というイメージがありましたが、興味のある分野のボランティアであれば自発的に楽しみながら取り組めるのではないかと思い登録をしました。また、大学から公式な修了証が授与されることにも惹かれました。

ボランティア選びの軸は「国際交流」

海外の人との交流に関心のあった私は、「国際交流」をキーワードに、様々なボランティアを行いました。大学のバディ制度を利用し留学生の日常生活の支援や交流を図ったり、所属する国際学部のインバウンド学生支援プロジェクトに参加し留学生に日本語を教えたり、ボランティアセンターが主催する1 Day for Others(1日社会貢献プログラム)で横浜山手中華学校のこどもたちとの交流を企画したり、留学生のための授業「集中日本語」で留学生とディスカッションするボランティアをしたり、単発のものから長期にわたるものまで幅広く取組みました。

なかでも印象的だったのは、「多文化共生各論」という授業を通じて訪れるようになった、外国にルーツを持つ小・中・高校生のための学習支援教室でのボランティア活動です。履修していた「多文化共生各論」では、外国にルーツを持つ子どもたちの支援が不十分なことや難民認定率が低いことなど、日本のシステムが整っていないことに大きな衝撃を受けました。実際に学習支援教室に出入りし、子どもたちの宿題や勉強のサポートを行うようになると、外国にルーツを持つ子どもたちは、語学力以外にも学校生活や経済的事情、家庭環境、進学問題など、生活のなかで辛い経験をしているケースがとても多いことがわかりました。授業で学んだこととボランティアで見聞きしたことが結びつき、日本の支援環境の脆弱性や多文化共生の遅れなどの課題にさらに関心を持つようになりました。この経験が、在日外国人・移民難民問題をテーマにするゼミに所属したり、留学をするきっかけとなったのです。

留学が自分のルーツへの考え方を変えてくれたそうですね。

留学先の米国・サンフランシスコ州立大学では、移民・難民問題や多文化共生などをより深く学びました。留学前は、米国は日本に比べて難民に対して寛容だという印象を持っていましたが、多民族国家だからこそ強い偏見が残っており、厳しいルールも存在するということを知りました。また、大学は多種多様な人種の学生がおり、それぞれの文化や価値観に触れることもたくさんありました。まさにダイバーシティを体感する刺激的な日々だったと言えます。

私は台湾にルーツがありますが、中国語をうまく話せないことがコンプレックスで、以前は他人に自分のルーツを話したくないという気持ちがありました。しかし、留学中にしばしばCan you speak Chinese?と声をかけられることがあり、話す機会が増えたことで中国語の語学力も徐々に身についていきました。話してみると会話もなんとかできたことが嬉しく、帰国後は家族と中国語で話してみたいという気持ちが生まれ、実際に中国語で会話することが増えました。そして、そんな状況を心から楽しんでいます。留学先で多様性に触れたからこそ、自分のルーツを大事にしたいという想いが芽生え、とてもポジティブに受け止められるようになったのだと思います。

サティフィケイト・プログラムに興味のある学生にメッセージをお願いします。

ボランティア活動時間の条件が135時間と聞くと驚かれるかもしれませんね。私のようにもともと物事を継続することが苦手でも、3年間かけて興味のあるテーマのボランティアに取り組めば大丈夫。先輩方の発表やボランティアコーディネータ―からのアドバイスなど、刺激をもらえる機会がたくさんありますよ。

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