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2020年度エッセイ


「なかなか友だちができません・・」

Q 高校時代までは仲の良い友人が何人かいましたが、大学に入ってからは、なかなか気の合う仲の良い友人ができません。(架空相談)

A まずは興味をもつサークルに顔をだしてみたり、身近にいる人のなかで友人になってみたいと思う人に自分から話しかけてみたりしてみてはどうでしょう。

 

 話しかけるのが苦手という人へ

 

 とはいえ、グループの会話のなかへ入っていったり、よく知らない人に自分から話しかけたりすることに抵抗があるという方も多いかもしれません。

 その場合、もしかしたら、明るい雰囲気を作ろう、とか、人当たりのよい印象を与えたい、などと気負い過ぎていることはありませんか。はじめから、相手にどんな印象を与えたいか、という視点で考え過ぎてしまうと、知らず知らずのうちに、相手に○○な印象を与える、という目標が先に立ってしまいます。そうなると、目標を果せなかったと感じたときに、こころはそれを「失敗」と認識し、苦手意識につながってしまうでしょう。また、思考が萎縮してしまい、態度がぎこちなくなってしまうかもしれません。

 普段私たちは物事を主観的に見聞きし、感じています。誰かと交流するということは、違う視座にたつ考えを得るということでもあります。未知の事柄を既知に変える、新しい情報を得られる、そんな体験でもあるのです。

 コンサートや演劇をライブで鑑賞したとき、楽譜や台本から外れたアドリブに面白みを感じたことはありませんか。何気なく咄嗟に出た表現がその人らしさを表し、それが私たちのこころとこころに風穴を開けるのかもしれません。会話も同様に、胸襟を開いて話したとき、あなたらしさが垣間見られたとき、自然にお互いの距離が近くなるのを感じられるのだと思います。

 

いろいろな人と話してみよう 

 

それともう一つ。気の合う友だちと接することも大事ですが、学生時代は自分と考え方の違う人と接することも大事です。社会に出るとそれぞれが社会的役割を持つために、人間関係や時間に限りができ、自由にいろいろな人と交流することが大学にいる時期と比べて難しくなります。大学には異なる文化や背景を持つ人たちと交流できる時間と空間が用意されています。今ならいろいろな人と交流できると思うと、ちょっとワクワクしませんか。

 幅広い人間関係を構築できる大切な今を楽しみ、どうぞ充実した学生時代を過ごしてくださいね。

    • (「白金通信」Spring号より転載)


「緊急事態宣言の中で心配事を抱える皆さまへ」

 せっかくの新学年でのスタートの時期ですが、外出自粛要請により例年とはおよそ異なった新学期になっていますね。  
それでも大学は先日の学長の呼びかけから始まり、オンライン授業を開始したところです。慣れない環境で私たち皆が、ストレスに曝されています。  他人との距離を保つことも含めて、人として自然なことができない状態が長引いていますので、気持ちの面でも身体の面でも窮屈さを強いられているのではないでしょうか。  
そんな時私たちは、いろいろな感情が大きく動きやすくなります。  
無性にイライラしたり、涙もろくなったり、心配で落ち着かなくなったり。または逆に普段よりも気持ちが動きにくくなることもあるかもしれません。 でもそれらは、私たちの心がこのストレスを心の中に柔らかく軟着陸させるための、自然な働きでもあるのです。  
現在入構制限中のため学生相談センターでは電話面接のみ行なっております。また開室日程も不規則となっていますが、不調、心配がなかなかおさまらないときなど、必要なときにはお電話でご相談ください。
(ポートヘボン「お知らせ」(2020/5月)より転載)

 


  • 「STAY HOME週間に、そして特別なGWに向けて」

     *現在入構規制中のため学生相談センターでは電話面接のみ行っています。また開室日程も不規則となっていますが、必要なときにはお電話でご相談ください。  

    今日は、「外出自粛とは言われても外出したくなっちゃう心理」について、ちょっと社会心理学の視点からお伝えしたいと思っています。  
    そう、私たちは誰でも「自分だけなら外出しても大丈夫」、「短時間なら飲み会しても大丈夫」、「GWなんだから思い切り遊んでも大丈夫」「自分だけが我慢しているのは馬鹿を見る」、そんな気持ちに自然になる生き物なのだと、社会心理学はみています。
    ◆共有地の悲劇  
    「共有地の悲劇」という命題を聞いたことがありますか?社会心理学や社会学では社会的ジレンマ(二者間での場合は「囚人のジレンマ」)、経済学部の方は行動経済学やナッシュの均衡理論、ゲーム理論などで触れているかもしれません。  
    「ある村に共有地があり、村人なら誰でも自由に利用できることになっていました。ある人が自分の羊たちを連れて前を通ると、おいしそうな牧草が生えていたので、そこで羊にのんびりと草を食(は)ませました。その羊の群れはその年、充分な栄養を摂り、数も増えました。その話を聞いた他の住民たちも、各々の家畜を連れて共有地を訪れました。そのうちに1頭当たりの牧草は足りなくなり、全体として減収に陥りました。そこで村人はさらに各々の家畜の数を増やし、共有地には家畜が溢れ、村人は共倒れになりました。」 というものです。共有財産問題、またはフリーライダー(ただ乗り)問題というと、わかりやすいでしょうか。このような問題を心理学では「社会的ジレンマ」という観点から説明しています。  
    「社会的ジレンマ」の状況をまとめると、次のようになります。
    ◆社会的ジレンマ
     1. 個人は「協力」「非協力」のどちらかを選択できる。
     2. 個人にとって「協力」よりも「非協力」を選択した方が望ましい結果を得られる。
     3. 全員が「非協力」を選択した場合の結果は、全員が「協力」を選択した場合よりも悪くなる。  
    いかがでしょうか。この3条件は、今の自粛による対人接触規制の状況と似ていませんか? そう、人は誰でもこのような状況に置かれると、個人の利益を求めたい気持ちに傾くものなのです。社会全体の利益、または長期的見通しが意識から抜けてしまうと、特にそのような行動選択に走りやすいようにできているもののようですね。  
    「協調-協調」関係が、社会全体の利益を高める可能性  
    では、どのように考えたら私たちはこのフリーライダーになりたい誘惑から逃れることができるのでしょうか。 学問的にはいくつかの選択肢があります。まず一つは「監視と罰を強める事」です。他人が見ていないと抜け駆けをしたくなる、ということですね。いくつかの国ではこのような対応を取ってきていますが、日本にはこれは馴染みません。  
    私たち日本人が日本人らしさを生かして社会的ジレンマに対応するためにはどんな方法があるでしょうか。 これを私たちも探っていかなければならない時期に差しかかっています。そこで一つヒントになるのが、「囚人のジレンマ」への解決策の一つである「応報戦略」の、「社会的ジレンマ」への応用です。「他人もきっと自分と同じように社会的に振る舞うだろうという暗黙の期待」を信じて、自分も社会的に期待される行動=「協調」を選択することです。安心感や相互の信頼感に基づく、人と人の「協調」関係。フリーライダーになるのではなく、皆が「協調」を基調とする行動を選択すると、社会全体の利益が最も高くなるというのが、学問的な答えです。今の状況に置き換えるなら、これからのGWに私たちが「STAY HOME」を遵守することなります。  
    その答えが5月中旬にどう反映されるか、結果を皆で祈りながらそっと待ちたいですね。
    (ポートヘボン「お知らせ」(2020/5月)より転載)

    .


    「新型コロナウィルスの心理面への影響」

    ★現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、学生のみなさんの入構が禁止されています。
     そのため学生相談センターでは電話面接のみ行っています。(白金センター:03-5421-5241、横浜センター:045-863-2061)
     開室時間は両センターともに6月15日(月)~19日(金)は11時~16時となります。

     緊急事態宣言は解除となりましたが、大学への入構禁止はいまだ続いています。オンライン授業も春学期いっぱいは続くことになりました。学生のみなさんは、これまでに経験したことのないような日々を過ごされていると思います。

    私たちの生活は、常に様々なバランスの上に成り立っています。ですが、あまりにバランスが良すぎて平穏な状態が続くと、私たちは刺激が欲しくなり、時に羽目を外したりバカなことをやってみたくなったりします。そしてその刺激から元気をもらって、次の一歩が踏み出せたりします。ですから波風や苦労というものは、私たちのこころに栄養を与えて、多少の風が吹いたぐらいでは折れないように、強く鍛え、育ててくれるものでもあります。

     しかし今は、世界中のあらゆる方面でバランスがとても大きくくずれてしまっていますね。このような時というのは、思いがけず極端な気持ちが湧いてくることがあります。病気になることや大切な人を失うことへの恐怖、病気と疑われて孤立したらどうしようという不安、ずっと一人でいなければならない孤独感、何もできないという無力感などが襲ってくることもあるでしょう。またついさっきまでは元気だったのに、急に気持ちが不安定になってしまう、というようなことも起こるかもしれません。またそれに伴って身体の不調を感じることもあるかもしれません。

     今、私たちのこころは、とても大きな嵐に遭遇しているような状態かもしれません。嵐は徐々におさまりつつあるようで、またそう願いたいものですが、それでも、思いがけない所や、思いもよらない時に、ひょっこりと影響が出てしまうこともあるかもしれません。自分は無事であったにもかかわらず、そのことを申し訳なく感じてしまうこともあれば、家にこもっていることで、それまで経験していた日常の大変さからちょっと遠ざかることができてホッとしている、ということもあるかもしれません。ですが、このようなこころの状態になることは、このような大嵐の中にあっては当然のことなのです。

     私たちが何をどのように感じたり考えたりするか、ということに正解も不正解もありません。何かを感じたり考えたりすることが、安心に繋がることもあれば、不安に繋がってしまうこともあるでしょう。これらは自然に生じてくるものなのです。ですから、自分にとってこれはちょっときついな、と感じてしまうような場合は、どうか自分をいたわり、無理をせず、焦らず、自分を責めすぎず、また周りの人に対する気持ちも少しゆるめて、ひと息ついて、少しずつバランスが戻るようにこころがけてみてください。
    (ポートヘボン「お知らせ」(2020/6月)より転載)


    「新型コロナウイルスと共にすごす秋学期」

    秋学期が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

    春先からの新型コロナウイルス禍によって、皆さんの学生生活は大きく変わりました。従来の教室での授業が出来ず、ほとんどがオンライン授業となりました。皆さんにとっても、(自分で、配信される授業にアクセスし、講義を受けてノートを取り、内容を理解し課題を提出するという)自分から能動的に参加して勉強しなければならない春学期でした。おそらく今までなかったやり方で、慣れない中、本当に大変な日々だったと思います。体調が崩れる日があってもやむを得ないと思います。

    また、大学生活に欠かせない、もう一つの重要なことである課外活動にも大きな制限がかかりました。サークルやボランティアが思うように活動できない、アルバイトの制限が増えた、友達に会えなくなった、という話も多く聞かれました。我慢が強いられる場面も数多くあり、何気ない自由な日常がどれほど貴重であるかを実感した日々でした。秋学期の白金祭も、今年はオンラインによる開催となりました。文字通り新しい挑戦ですが、関係者の皆さんは、例年以上の工夫や創造を巡らせる日が続いていることでしょう。

    この秋学期も様々な面での挑戦が続きます。1年生は、やっとキャンパスに入れて、これから施設利用や大学内外の活動参加も始まります。慣れない授業に加え、友人作りも秋からです。とにかく焦らず、ガンバリすぎず、時間をかけて取り組んでください。2年生はやっと落ち着けると思った矢先にコロナが始まりました。(全学年に共通することですが)秋学期はオンラインに加えて対面の授業が併行します。通学とオンラインを両立させる工夫が必要となります。3年生は授業に加えて、将来や就活など、卒業後のことも視野に入れて動く時期となります。インターンは、業界によって予定の変更もあるようですし、キャリアセンターや図書館などの利用も従来の方法とは違うようですから、利用方法や時間をよく調べて動いてください。そして4年生にとっては、様々な制約を受けながらの就活や進学準備の中で、人一倍の辛抱が続いて大変なことだと思います。

    このようにどの学年にとっても、新型コロナウイルス禍は重くのしかかり、生活上の物理的な不便さのみならず、体調面やメンタルの面においても痛みを感じる日が現在も続いています。秋学期もハードな数か月が予想され、学生さんによっては、今まで以上に不安になっていても当然かと思います。

     

    学生相談センターとしても、安全面に十分な配慮をしながら、できる限りのサポートを提供したいと考えています。どのようなことでも結構です。もし話をしたいという方がいたら、どうぞご連絡をください。センターにご連絡をいただければ相談日を予約し、状況を考慮しつつ、対面や電話での相談が受けられます。

     

    引き続き新型コロナウイルスとの共存が続きます。一人一人が感染予防を気を付け、配慮をもった行動をしましょう。例年以上に体調に留意して、秋学期を乗り切りましょう

    (ポートヘボン「お知らせ」(2020/9月)より転載)


    「新しい朝を迎えるために ~withコロナよりwith you~」

    Q:彼と同棲中です。自分ではそこまで苛々したり不安になるタイプとは思っていなかったのですが、最近何故だか彼のお気楽な言動が気になり出し、ついに当たってしまいました。

     

    A:自分の思わぬ反応や彼との気持ちの違いに戸惑っているのでしょうか。withコロナと言われて半年。命や社会の危機を叫ばれて不安が何もない人は少ないと思います。人から人への感染は健康不安に留まらず人間関係をも疑心暗鬼にさせ、気を遣いすぎて心をすり減らしている人もいることでしょう。

    不安は体調にも影響しますが感じ方や表われ方は様々で、素直に表現されることばかりではなく別の感情に姿を変えることもあり、そこには人となりの一端が表れるものです。ただ、無自覚なまま不信や怒りに転じると、その瞬間の発散にはなっても言葉の刃は双方に傷を残しかねません。

     

    【コロナが気づかせてくれること】

    どんな関係もよほど適切なバランスにない限り崩れることはありえます。例えば良く思われたくて何かしら無理をしてきたなら、コロナ禍がその引き金となってしまったのかもしれません。

    なりたい自分や恋愛に求めるものが何であれ、理想と現実が異なるのは世の常でしょう。自分でも認めがたい感情なのに彼には気づいてほしくて、察してくれない彼が自分を苛立たせる存在に見えてしまうということはありませんか。彼は彼で、不安を口にしてどう思われるかを気にして強がったり場の空気を変えたくて妙に明るく振舞っているだけかもしれません。

    二人に何が起きているのか分かれば何をどう伝えればいいかも考えやすくなります。それが不安であれ彼への期待であれ、素直な言葉は不満をぶつけるより共感を得やすく、互いの心を開く鍵にもなるはずです。それでも受け止められない人なら、残念ですがそれがその人の器であり、彼も貴女に理想を押し付けているだけかもしれません。

     

    【知性を味方に】

    人智を超える非常時は普段なら自制できていた感情を顕わにしてしまうことがあります。それは失望につながる場合もありますが、性格や価値観の異なる他者との出会いが視野を広げてくれるように、自他の窺い知れなかった側面に触れることは人間理解を深める機会にできます。今は、ともに新たな関係性を築き直す意思があるかを問われているときなのかもしれません。知ろうとする姿勢は気づきを生み、深い思考は知性を育んでくれます。それらは心の世界を豊かにし、二人の関係をさらなる高みへと導いてくれるのではないでしょうか。  (「白金通信」Autumn号より転載)


    「「できるかも!」「できないかも?」の話ーさまざまな課題を達成するためにー」

    こんにちは。いきなりですが、脳トレです。

      ツ+ワ+子=□ ノ+10+2=〇

     

    Q. □と〇にはそれぞれ違う漢字が入ります。□と〇を並べて二字熟語にしてください。

     さあ、何でしょうー? *ヒント:10と2は漢数字に換えてみてね。

     

    「なーんだ、□=学、〇=生でしょ。『学生』かよ、ふつうかよ!」と思ったあなた、

    その通りです。さすがですね。・・・・さてさて、本題はここからです。

     

    ★ 上のクイズを見た瞬間、あなたはどう感じましたか?

      Aさん「あー、できるかもしれない。やってみようかな」

      Bさん「あー、こういうの無理。どうせできないだろうな」

      ・・あなたはどちらタイプでしょう?

     

    何か課題に出くわしたとき、とっさに浮かぶ考えは、その人らしさを表します。

    脳トレはともかくとして(笑)、学校の課題、バイト、恋愛、就活、あるいはこのコロナ時代を生きることについて、皆さんの脳にはどんな考えが浮かぶでしょう?

    「自分にはなんとかできる」「いやー無理だ」「どうせだめだよ」・・どうでしょう?

    「話が読めたな。『自分はできる』って思う方がいい、って話でしょ。それなら知ってるよ」と思ったあなた、・・・・読みが深いですね。でもちょっと違うんです。

     

    ★ 何か課題がある時に、「自分にはできないだろう」と予測するより、「できるだろう、できるかも」と予測したほうが課題達成率が高い・・といわれているのは本当です。

     「自分はできる」と思える気持ちを“自己効力感”といいますが、Aさんのように、自己効力感が高い方のほうが、積極的に努力ができ、結果として目標達成しやすくなると言われますよね。さらには、トラブルを乗り越えやすいとか、人間関係を良好に保ちやすい‥なんてことも言われます。

    逆にBさんのように、「自分にはできそうにない」と思う方(自己効力感の低いタイプ)は、モチベーションが上がりにくく、結果的にチャレンジが減って、その分成功のチャンスも減りやすく、つらい思いをすることもある・・・可能性もありますね。

     「えー、そう言われても、『自分にはできる!』なんて思えない・・」と思ったBさんタイプの方もいらっしゃるでしょう。そういう方は、謙虚さや慎み深さ(美点です)が強いのかも。豊かな感受性や優しい内面を持っておられるのかもしれません(きっと謙虚に「まさか」と否定なさるでしょうけれど‥そう私は思います)。 

    「自分はできない」と思う方は、「できないからこそ慎重に準備しよう」とした結果、問題がクリアできたり、創造性を発揮することがある、と最近の研究では言われます。

    「こんな問題はできないー」と困った人のほうが、試行錯誤して理解が深まるので、楽勝でさらさら解けちゃった人よりも結果的には良い成績をとる・・という研究結果もあるそうです。

     

    ★ なので、AさんタイプもBさんタイプも、それぞれの良さと強みがあることになりますね。でもあまり「できない~」と悩むのはストレスだから、ストレスは減らしたいですね。

     そのために、こんなことは有効かもしれません。

     ①過去の成功体験(ポジティブな体験)を思い起こす、
     ②成功したときのイメージを作ってみる、
     ③目標設定に工夫をする(肯定的な言葉で目標を立てる、無理ないレベルの目標を立てる等々)等です。
     ④人に話して、気持ちの整理や問題の整理をするのも有効です。

    そして、
     ⑤「根拠はないけど、自分はできる」「できないと思うけどやってみる」と思うのもありですね。・・

    ある作家さんは、若いときに神宮球場で野球を見ていて突然、「なんの根拠もないけど、僕にも小説が書けるかもしれない・・」と思ったのだそうです。そして、小説を書き出して、今や日本で「ノーベル賞に一番近い小説家」と言われるほどになられています。

    「何の根拠もなくても、~ができるかもしれない」と思うことが未来を切り開くこともあるという実例ですね(極端かな)。

     

    ★ 最後にもう一回、脳トレです。

      木+目=△ 言+火+火=▲ 

      さあ、どんな二字熟語ができるでしょう。

    ・・・はい、そのとおりです。△は相、▲は談です。

    最初の二つとあわせると「学生相談」。

    何かあれば、「学生相談センター」を皆さんのより良い学生生活のためにご利用いただければ嬉しいです。
    (ポートヘボン「お知らせ」(2020/11月)より転載)


    「ひとりでいるって寂しいこと?」

     Q:新型コロナウイルスの影響で友人と直接会うことが減ってしまい、前ほど連絡のやり取りも頻繁ではなくなりました。自分には友達がいないように感じて寂しいです。(架空相談)

     

    A:新型コロナウイルスの蔓延により今までの生活が一変し、戸惑いや不安、寂しさを覚えている方も多いのではないでしょうか。人との関わりにおいても変化を余儀なくされて、授業やサークルなど今まで“その場所に行ったらいつものメンバーに会える”という機会が減り、代わりにオンライン上でのやりとりが増えたことで、人によっては孤独感を感じる瞬間があるかもしれません。

     

    <人とつながることの背景>

     特に思春期・青年期は、家族以外との人間関係が生活の中心となる時期なのもあってか、“ぼっち”を恐れる人が多いように感じます。ただ、例えばSNS上で友達との関わりをアップしている人がいたとしても、純粋に仲が良いことを記録に残したい場合もあれば、ひとりぼっちに見られたくなくて友達の存在をアピールしている場合や、あるいは自分のあげた記事を見てもらうことで誰かとつながっている安心感を得る場合などもあり、背景にある事情はさまざまだったりします。

     もちろん、物理的に誰かと一緒にいることで安心して満たされる部分は大きいですし、信頼して心を許せる相手ならなおさらでしょう。一方で、本当は疲れるのにひとりぼっちが嫌だからという理由で誰かとつながっているような場合には、ふたりでいても孤独を感じることがありえるかもしれません。

     

    <ひとりは孤独?>

    そう考えると、物理的に誰かといること=孤独ではない、とは言えなさそうです。逆に言えば、遠く距離は離れていても思い出すとホッとする相手がいる人は “ひとりぼっち”とは感じていないかもしれないですよね。このように、心の中に親密な他者が存在することで、物理的には“ひとり”でも、“誰かといる”かのような安心感を得られることもあります。

    また、ひとりの時間は、自分のことを振り返ったり自由な自分を開放したり、時に創造的な世界を構築したりする良い機会であるともいわれています。まずは気軽に読書や映画鑑賞から始めても良いですし、食べたい料理を作ったり日記を書いたり、小説執筆や絵画制作・DIYなどのものつくりで自分の世界を表現してみるのもひとつです。そうしてひとりの時間を自分のための時間として楽しんだり深めたりすることが、その世界を共有できる誰かと無理なく安心してつながっていく一つのきっかけになるかもしれませんよ。

     (「白金通信」Winter号より転載)


    「悩みを抱えていませんか」

    現在、二度目の緊急事態宣言が発令されていますが、学生相談センターは「春期休暇中の開室予定」https://www.meijigakuin.ac.jp/campuslife/campuslife/counsel/の通り、開室しています。 一人で悩みを抱えることなく、どうぞご利用ください。来談だけでなく、電話やオンライン(Teams)で、学生の皆さんのさまざまな悩みの相談に応じています。まずは来室、電話でご連絡ください。

    また、以下の項目で現在の悩みについてチェックし、対処を工夫してみてください。このメッセージの一番下にはこころの健康を保つためのヒントとなる情報のリンクを貼りました。ご活用ください。

    ●悩みを抱えていませんか?

    次の項目を参考に、自分の状態を観察してみましょう

    ☑悩む時間の長さ、オンオフの切り替えの悪さ ・食事や入眠時も含め、ささやかな楽しみの時間にも悩み事が浮かびますか? ・一日のなかに少しでもリラックスする時間を持つことができていますか?         ☑以前に悩んだとき、または同様の気分になったときと比べる ・そのときはどのように対処しましたか、どのように解消していったでしょうか? ・それと同じ解消法をとれる状況にありますか?

    ☑自分だけが読む前提で、紙に書き出す ・メリットは2つ。  1.何に悩んでいるのか明確になる  2.悩みと距離をとって客観的な視点をもてる ・理由が判明するだけでも、少し気分が晴れることもあります。 ・ただし、自分へのダメ出しばかりが浮かんだり、しばらく筆が止まってしまったりしたら、いったん席を立ち、場所を変えましょう。日を改めるのもよい方法です

    ●悩みを抱え込んでしまうと? 「自分はダメだ」、「なんで上手くできないんだ」などといった、自分への厳しい語りかけを繰り返すと、「自尊心」と「やる気」が損なわれます。「悩みを抱え込まない」ことは、「自尊心」と「やる気」を回復させて次のステップへ進むために、とても大切です。

    ●自分を責めない語りかけのヒント 前述のような「自分はダメだ」、「なんで上手くできないんだ」といった、自分を責める語りかけの代わりに、次のような言葉かけを心掛けてみましょう。

    ・これに関しては初心者だから、コツを掴むまでは少し慎重にいこう

    ・一歩一歩、作業を進めていこう。ささやかな成功を喜ぼう

    ・これは難しい。リラックスして、目の前の課題に集中しよう

    ・試行錯誤することは、悪いことではない

    ・苦手なことを克服し、直そう努力することは大事だ

    ・肩の力を抜いて、プロセスもアクシデントも、すべて楽しもう

     

    ~もしもあなたが悩みを相談されたら~

     ・(コロナ禍ではコミュニケーションの方法が限られますが)まずは聴いてあげましょう。  ・「役に立ちたいと思う」、「いい方向にいくよう願っている」、「話してくれて嬉しい」など、自分の気持ちを伝えましょう。  ・あなたの生活に大きく影響しない時間の範囲内で十分です。  ・機会があれば、「自分も聴くけれども、こういうのもあるよ」と学生相談センターを提案してあげてください。

    参考 グレン・R・シラルディ(2016)高山厳(監訳)柳沢圭子(訳)(2019)『自尊心を育てるワークブック第二版』金剛出版

    ~セルフケアの参考リンク~

    ■コロナ心の支援情報(国立精神・神経医療研究センター) ストレスをため込まないためのヒントとなる情報を紹介しています。 「感情調整」emotionRegulation of COVID19-anxiety-care (ncnp.go.jp) 「セルフケア」selfcare of COVID19-anxiety-care (ncnp.go.jp) 「コミュニケーション」communication of COVID19-anxiety-care (ncnp.go.jp) 「不安や緊張への対処法・呼吸法」breathing of COVID19-anxiety-care (ncnp.go.jp) 「健康的な睡眠のために」睡眠健康を保つために | 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部 (ncnp.go.jp)

    【メンタルヘルスに関する情報サイト】 ■みんなのメンタルヘルス総合サイト(厚生労働省) 心の不調や病気についての情報、ストレスをためない暮らし方や相談窓口の情報などを掲載しています。ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

    【リーフレット】 主な相談窓口や厚生労働省が実施した調査結果※、セルフケアを掲載しています。 《新型コロナウイルスの流行により不安やストレスを抱えていませんか》 https://www.mhlw.go.jp/content/000723599.pdf ※ 厚生労働省が実施した調査結果は、以下の厚生労働省ホームページで概要を公表しています。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15766.html

     (ポートヘボン「お知らせ」(2021/2月)より転載)

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