白金通信2004年02月号
校舎には「4月からキャンパス内の喫煙を制限します」の大きな横断幕が、灰皿のそばには「3月をもって、この場所の灰皿は撤去します」の掲示が貼られ、教員ラウンジの喫煙室も撤去される。 キャンパスの内外に関わらず、喫煙場所がじりじりと狭められ、心穏やかでない人たちもおられる事かと心配になります。 日頃、様々な機会に禁煙を推奨している健康相談所の所員でさえ、周囲の急速な流れに戸惑いを覚えているのも正直なところです。 しかし、たばこの害は数知れずあるのですから、歓迎すべき追い風と受け止め、より積極的な禁煙サポートの取り組みを開始します。 ここでご紹介するのは、奈良女子大学が文部科学省から助成を受け立ち上げた「大学禁煙化プロジェクト」の中から全国の喫煙する大学生を対象に、ニコチンパッチ3枚無料提供と、同時に携帯メールサポート(禁煙カレッジマラソン)を受けることができるというものです。 このプロジェクトに参加する禁煙チャレンジ学生を募集します。 応募は二月十八日までに直接健康相談所窓口で、又はFAX(白金03-5421-5184横浜045-863-2021)で受付けます。学籍番号、氏名、生年月日、現住所と携帯電話番号及び携帯メールサポートを受けるために携帯のメールアドレス(256字のメールが受けられること)が必要です。携帯電話をお持ちでない人はご相談ください。応募者には、2月下旬に健康相談所でニコチンパッチをお渡しし、呼気のCO濃度を測定します。3月1日から禁煙開始(マラソンスタート)とします。その後も、定期的に禁煙状況確認とCO濃度測定をしていきます。 春休み期間で、来所が難しい人は、今後も5月、11月に参加者を募集する予定ですから、その機会をご利用ください。卒業年度生で禁煙をお考えの人は、今回是非チャレンジを。 禁煙の難しさは喫煙者でなければ、きっとわからないことでしょう。しかし、自力で禁煙に成功するのは十人に一人ともいわれる位難しい禁煙が、合理的な方法の導入により効率よくハードルを越えられるようになってきました。 一つはニコチン切れの強い禁断症状に対しニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ガムなど)で乗り切ることができるようになったことです。特にニコチンパッチは副作用もほとんどなく、喫煙歴の短い若い人は平均三枚で強い禁断症状は消えるといわれています。起床後一時間以内にタバコを吸いたくなる人は考えてみてはいかがでしょう。 では何故、せっかく長い期間禁煙していた人が、また吸ってしまうのでしょう? 強い寂寥感を伴うしつこい誘惑、これが中毒の特徴です。「一本だけなら」「味を見るだけだから」、と一本吸ってしまっただけで、またニコチンを欲しがる受容体が一気につくられてしまうのです。 再喫煙を乗り切るための有効な対策の一つとして、励まされる立場から、禁煙を励ます立場になることは、禁煙継続の最大の力づけになります。それをシステム化したものが禁煙マラソンです。携帯メールサポートは医師などの他、多くの先輩禁煙者のボランティアで運営されています。先輩禁煙者からメールでの励ましや、アドバイスを受けることで禁煙挑戦者は禁煙を成し、先輩禁煙者は再喫煙を防ぐことができるのです。 再喫煙を恐れて禁煙スタートを躊躇することはありません。何度でもチャレンジしてください。 最後に、協力のお願いです。 *非喫煙者は、喫煙者が自ら禁煙を選択するまで、無理強いしないで下さい。 *喫煙者は、禁煙をしようとしている人にどのような席でも、タバコを勧めないでください。 *タバコを吸ったことのない人、特に後輩にタバコを勧めないでください。