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コラム「キャンパスCLINIC」

安全な旅をするために

白金通信2007年3月号

春休み中、海外渡航をされる方は多いのではないでしょうか…。
渡航される皆様が体調を崩さず帰国出来るよう感染症対策をお知らせします。

①旅行前の注意
 時差、気温の変化、長時間のフライトで体にも心にもストレスがかかります。 出発前から体調を整えることは病気の予防に大切なことです。自分自身の健康状態を確認し、無理な日程を避け、睡眠や休養を十分に取りましょう。

②予防接種
 予防接種には二つの側面があり、 一つは黄熱ワクチンのように入国時に予防接種を要求する国(地域)から接種証明書を求められる場合があります。もう一つは現地で流行し、日本にいる時より感染する危険性が大きいA型肝炎、破傷風、狂犬病などは予防接種を受けることが出来ます。渡航先や期間、活動内容によって予防接種を選択してください。二種類以上のワクチン接種が必要な場合、接種期間をあけなければならないので、余裕を持って予防接種の計画を立てて下さい。検疫所等で要相談。

③旅行中の注意
 生水(水道水)は飲まない、氷にも注意が必要です。生野菜は避け、魚介類、肉類は十分に火の通ったものを熱いうちに食べる。
貝類は、A型肝炎のウィルスを持ちやすいと言われています。発展途上国ばかりではなく、どの地域でも危険です。乳製品、卵製品はいたみやすいので衛生状態の悪いものや調理後時間の経っているものは避けましょう。果物は皮をむくまでは衛生的ですが、皮をむいた瞬間から菌が表面で繁殖するのですぐに食べること。長時間放置されたカットフルーツは食べないこと。


④蚊や動物から感染する伝染病について
  蚊が媒介となる伝染病は、マラリア、デング熱、日本脳炎、黄熱など。マラリアは熱帯、亜熱地帯、アフリカやインドでは都市にも存在し、夜間活動する蚊なので防虫の他に夜間の野外活動を避けること。デング熱は日中、熱帯、亜熱地帯、都市部にも出没します。肌の露出を控え、防虫に注意を払ってください。犬、猫、狐、あらいぐま、こうもりなどの動物が媒介となる狂犬病の予防として野生動物の接触には注意すること。

⑤性行為による感染
 外国で開放的な気分になりがちですが、性行為による感染症では、現在AIDSが世界中で爆発的に増加しており、注意が必要です。
感染症は潜伏期間があり、帰国後二ヶ月は、異常があれば、早急に医療機関に受診し、海外へ行っていたことを必ず医師に告げてください。
詳細は、海外渡航者のための感染症情報をご覧ください。
http://www.forth.go.jp/


 

保健師 松本理恵

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