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コラム「キャンパスCLINIC」

肺結核について

白金通信2009年7月号

 春に芸能人の発病でニュースとなった、『肺結核』についてお知らせします。肺結核とは、結核菌という細菌が、肺の中に入ることによって起こる病気です。初期の症状はカゼと似ていますが、咳、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。また、体重が減る、食欲がない、寝汗をかく、などの症状もあります。結核は感染症なので、発病するとうつる(又はうつす)可能性があります。ただし、病状によって異なります。

■肺結核の感染経路
(「排菌」「感染」「発病」について)

 結核を「発病」している人が、体の外に菌を出すことを「排菌」といいます。咳やくしゃみをすると飛沫(しぶき)と共に結核菌が飛び散り、それを他の人が吸い込むことにより「感染」します。「感染」したからといって、全ての人が「発病」するとは限りません。「発病」とは感染した後、結核菌が活動を始め、菌が増殖して体の組織を冒してゆくことです。症状が進むと、咳や痰と共に菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります。ただし、「発病」しても「排菌」していない場合は、他の人に感染させる心配はありません。

■肺結核の治療

 結核が「発病」して「排菌」している場合は、入院になります。「発病」しても「排菌」していない場合は、通院治療できます。基本的に薬で治します。3~4種類の薬剤を服用します。指示された期間、しっかり薬を内服すれば、ほとんどの肺結核は治ります。ですから、「排菌」していなければ、学校を休む必要もなく、通学しながら治療ができます。学内の定期健康診断で発見される肺結核は、「排菌」していない早期のものがほとんどです。

■早期発見・早期治療

 自分自身の健康を守ることはもちろんのこと、家族や友人への感染をふせぐためにも、早期発見・早期治療が重要です。そのためには、以下の2点を実行してください。

①定期健康診断を必ず受けましょう
②咳(せき)や痰(たん)、微熱、体のだるさ、などが2週間以上続く場合は、病院で受診しましょう

 以上の情報は、財団法人結核予防会の資料をもとにしています。

財団法人結核予防会
http://www.jatahq.org/index.html

 

保健師 井上美紀

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