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コラム「キャンパスCLINIC」

生理がこない(続発性無月経)

白金通信2012年12月号

ストレスやダイエットが原因のことも…

「最後の生理がいつからか覚えていません。たしか3年前…」
「生理の日を記録したことはありません。」
「ちゃんとした食事をしたのがいつだったかわかりません。」
  これはウィメンズヘルスの現場で時々耳にする会話です。

  自分の月経(生理)の周期をきちんと知る事は、自分の体の調子を知る上で大切な事です。月経は子宮の中の内膜が卵巣からの女性ホルモンの影響を受けて増殖し、はがれて膣からでてくるものです。女性ホルモンは脳の下垂体から刺激をうけ、その刺激は脳の視床下部から刺激を受けています。要するに月経は一連のホルモンバランスの結果なのです。不正出血の時には病院へ飛んでくるのに、月経がない時には、「楽でいい。」「子供を産むのは先だから。」と放っておく人が大勢います。体調が崩れかけているサインかもしれません。
  ストレスや食欲をコントロールしている中枢と、女性ホルモンの放出刺激を出す中枢は近いとされています。そのため過度のストレスや、過激なダイエットでも月経は止まります。過度の体重減少では出血や妊娠に耐えられないと判断し、体を防御するために止まるのです。また、女性ホルモンの原料はコレステロールなので、ある程度体内にコレステロールがないと女性ホルモンを作り出すこともできません。長期間無月経でいると、若い人でも骨粗鬆症になっている場合もあります。「生理が止まって体がボロボロです。」と言う人がいますが、体がボロボロだから月経が止まったと考える方が自然でしょう。

基礎体温を是非
  月経が不規則になってきたら、まずは基礎体温を測ることを勧めます。多少不規則でも排卵があり、低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)の2つに分かれていれば心配はいりません。また、自分の体調の悪さが月経と関係しているもの(月経前症候群など)かどうかや、月経以外の出血の原因(排卵出血、機能性出血など)もわかります。
月経は妊娠のためだけに大切なのではなく、自分の健康を知るバロメーターとして大切なのです。忙しい生活の中、自分の体も大切にし、月経とも向き合っていって下さい。

 

 

ウィメンズヘルス担当校医 大鹿真美子

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