白金通信2017年10月号
「受験期に生理が止まっちゃった。」
「ダイエットに成功したけど生理がこない。」
「大学生活始まって生理が不順になっちゃった。」
こんな経験はありませんか?
月経(生理)は、卵巣からでる女性ホルモンによって、ひと月に1回子宮の内膜が厚くなって、膣から剥がれて出血を伴い出てくるものです。女性ホルモンは単独で卵巣から勝手に出るわけではなく、脳の下垂体から刺激を受け、その刺激もさらに視床下部という脳の司令本部からの刺激にコントロールされています。要するに月経は一連のホルモンバランスの結果なのです。
ストレスや食欲を感じる中枢と同じ
視床下部はストレスや食欲をコントロールする中枢でもあります。ストレスは、つらいといったマイナスな気持ちだけではなく、入学や結婚などのうれしい変化、はたまた暑い寒いという変化だけなど、つまり“今までの状態と異なれば”それはストレスとなり得ます。そのため、自分ではマイナスな気持ちのストレスと感じていなくても、少しの環境の変化で月経不順になったりします。
過度のストレスや過激なダイエットでは無月経になってしまうこともあります。これは出血や妊娠に身体が耐えられないと判断し、一種の防御反応として月経を止めるのです。月経は妊娠のためだけではなく、自分の体調、健康を知るバロメーターとして大切なのです。
基礎体温を是非
月経が不規則になってきたら、まずは基礎体温を測ってみましょう。多少不規則でも排卵があり、低温期(卵胞期=排卵前)と高温期(黄体期=排卵後)があれば心配いりません。90日以内に自力の月経がきて、終了するようであれば早急なホルモン治療などは必要ないでしょう。低温期のみで、出血がだらだらと続くのは月経ではありません。排卵がうまくおこなわれず、機能性出血の状態になっているかもしれません。
また本来の時期(高温期→低温期)以外の出血は、排卵出血やポリープ、感染、子宮頸がんなど別の原因を考える必要もあり、続くようなら婦人科受診をお勧めします。
大学に入学したら、一人の女性として、忙しい中でも自分の身体も大切にし、月経ともぜひ向き合って下さい。
大鹿真美子(校医)