白金通信2018年7月号
カフェインはコーヒーやチョコレート以外にも、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ココア、コーラや栄養ドリンクさらに鎮痛解熱剤、総合感冒薬にも含まれています。
交感神経刺激や代謝上昇、脂肪燃焼の効果もあり、覚醒作用、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用とともに副作用として不眠、めまいなどもあります。モルヒネやニコチンなどと同じアルカロイドの一種であり、急性・慢性中毒が問題になっています。
●急性カフェイン中毒
個人差はありますが、1 ~ 2時間あたり1g以上の摂取で中毒症状を発症し、5g以上で死に至ります。
短時間にコーヒーを8 ~ 10杯飲むと中毒を起こす可能性があります。
●カフェイン依存症(慢性カフェイン中毒)
カフェインには、タバコやアルコールと同じような依存性があり、飲み過ぎると慢性中毒症に陥ることもあります。
●カフェインによる死亡例
カフェインを多量に含む眠気防止薬やエナジードリンクなどの急性中毒で、2011年度から5年間に101人が救急搬送され、7人心停止、うち3人の死亡が報告されています。
自動販売機でエナジードリンクが売られてから急増しています。
日本では深夜勤務が続いた20代男性がエナジードリンクとカフェイン錠剤を併用して服用し、中毒死したのが最初と言われ、
米国では14歳の少女が1日に2本のエナジードリンクでカフェイン480㎎を摂取して亡くなったケースもあります。
エナジードリンクは国内外で280種以上販売され、カフェイン量も1缶0㎎~ 375㎎の幅があります。
●カフェイン摂取時の注意
・ カフェイン飲料は適量を十分時間をかけて摂取し、慢性的な過剰飲用は控える。
・ エナジードリンクは種類により含有が大きく異なることを認知し、とくに海外でのカフェイン量には十分注意する。
・ カフェイン製剤は常用量を守り、カフェイン含有の飲料や感冒薬/鎮痛薬/アルコール類と併用しない。
・ 小児や妊婦および心臓/腎臓/肝臓/胃腸に病気のある人はとくに注意する。
・疲れたときは休養~睡眠が第一!
1日の許容量目安 (健康な成人) |
400mg |
4~6歳の子供 | 45mg |
医薬品1日上限 | 500mg |
国内エナジードリンク | ~200mg |
コーヒー100ml当り | 約60mg |
紅茶100ml当り | 約30mg |
永田茂之(校医)