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コラム「キャンパスCLINIC」

明学から煙のないやさしい街、「東京」を作ろう!

白金通信2018年10月号

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会まで2年を切りました。 オリンピックは、戦争をやめ競技を捧げ平和を願ったことに由来があります。会場となる街では、その理念に相応しい環境づくりが求められます。新たな禁煙の都条例もその取組みのひとつといえます。

 大航海時代に広がった「嗜好品」
 たばこは「嗜好品」ですが、様々な疾患を誘発することが分かり、現在は国際条約によって多くの国で高い税が課され、屋内喫煙が禁止されています。たばこ成分を直接吸い込むことを1次喫煙、煙成分を吸うことを2次喫煙、あとに残った空気・付着成分を体内に取り込むことを3次喫煙といいます。このうち、知らない間にたばこ成分を体内に取り込んでしまうことを予防するのは最も大切なことかと思います。2018年には、2次喫煙の減少が喫煙しない人の癌死亡率減少につながるという研究結果が出ています。たばこは、喫煙者と周囲、両者への影響を考えねばなりません。

 喫煙する人の中には、やめたいと思っている人もいます。国の喫煙者調査では「たばこをやめたい」29.2%、「本数を減らしたい」33.5%となっています (2014年)。しかし、ひとたびたばこを吸い始めた人がそれをやめるのは至難の技です。

 どうしてたばこはやめられない?
 それは主成分のニコチンが脳にサイクルを作るからです。これは気持ちや意思とは関係のない脳の物質の問題です。最近はこれを止める禁煙補助薬と禁煙外来があります。薬は強い味方になり、医療スタッフ、家族、友人の励ましとコミュニケーションが大きな支えになります。
 大学でも禁煙プログラムを実施しています。先日禁煙90日を達成した2名の方は、初めは「自分との闘い」で苦しみましたが、友人、スタッフと共に最後までやり抜き、「禁煙はメリットしかない」「人生の機転」と話してくれました。

 みんなで進める共同作業
 1次喫煙を減らし、2次喫煙と3次喫煙をなくしていくことは、喫煙する人と周囲の人のからだとこころをより豊かにする、みんなで進める共同作業といえます。この共同作業で来る大会に各国の方をお迎えすることは、オリンピックの理念に相応しいのではないかと思います。

河内山朝子(保健師)