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コラム「キャンパスCLINIC」

ストレートネック ─ スマホッ首に要注意─

白金通信2019秋号

 正常の頚椎はやや前方に湾曲していますが、その前ぜん弯わんがなくなり首がまっすぐになってしまうのがストレートネックです。
「首猫背」とも呼ばれ、現代に多いタイプの猫背の一種です。

ストレートネックのセルフチェック
 ストレートネックは、レントゲンを撮ればわかりますが、簡単なセルフチェック法として、壁を背に「気をつけ」の姿勢をとり、
自然に後頭部、肩甲骨、尻、踵の4 ヵ所が壁につけば正常です。後頭部が壁につかず、意識的に首を後ろにさないとつかない場合は、
ストレートネックの可能性が高いといえます。
 仕事や勉強でパソコン作業が多く、通勤通学途中~家でもスマートフォンを使っている時間の長い人が少なくありません。PCや
スマートフォンを使うとき、たいていの人は背中を丸めて猫背になり、前かがみで顎が前に出た姿勢になっています。この姿勢だと
頭が背骨の真上になく、重い頭を支えるために首や肩周囲の筋肉には大きな負担がかかっています。
猫背はストレートネックを起こす原因になります。猫背は見た目の悪さだけでなく、首肩の凝り/痛み/しびれ・頭痛・めまい・
不眠・腰痛・胃もたれ・便秘・食欲不振・息苦しさなどさまざまな症状にもつながってきます。顎が前に突き出ると口呼吸になりや
すく、乾燥した口腔内は細菌やウイルスに感染しやすく、口臭の原因にもなります。また顔の筋肉のたるみ・胸のたるみ・ポッコリ
したお腹・たるんだお尻などにもなります。
 猫背の原因には先天性,炎症性,弛緩性,職業性,老人性などありますが、若い世代では、日常生活での姿勢不良によるものがほ
とんどです。とくに児童期~思春期の座り姿勢の悪さが大きく影響しているとともに、最近の長時間スマートフォン使用が増悪因子
となっています。

猫背とストレートネックの予防
 ①普段から背筋を伸ばし、あごを引く姿勢を意識する ②デスクワークのときの座り方に注意 ③デスクに肘をついたり、足を組む
ことは避ける ④長時間の座り仕事では一定時間ごとに立ってストレッチ運動をする ⑤体幹・下肢および背筋トレーニング ⑥骨粗し
ょう症の予防 ⑦スマートフォン使用は最小限にして、使うときはなるべく目の高さに近づける!

永田茂之(校医)

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