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コラム「キャンパスCLINIC」

胸の痛み(胸痛)を感じたら?

白金通信2020冬号

自覚症状はとても大切
 胸の痛みと言っても、その種類はチクチクする痛みから刺すような痛み、締め付けられるような痛みで冷汗を伴う深刻
なものまでさまざまです。痛みを感じる場所も、喉の奥の方や左胸全体と漠然としたもの、指でこことさせるような限局
性のもの、右胸、みぞおちの辺りといろいろです。胸痛の中で問題になるのは、心筋梗塞や狭心症など命に直結したもの
ですが、その時の症状はいつもと違っておかしい!と感じる方が多いようです。また、心臓の症状と思っていたら、食道
や胃の病気であるということもありますし、その逆もあります。しかし、診断にはこの症状こそが非常に役立つのです。
ですから、自分の症状を的確に伝えることはとても大切です。

若い人の胸痛って?
 若い人の多くの胸痛は、胸痛症候群といわれ肋間筋や肋間神経に由来すると報告され、治療の必要はありません。左前
胸部に多く、限局性で、何の誘引もなく急に始まり、時に息ができないような痛みを感じますが、数十秒程度で治ること
がほとんどですから安心してください。
 若い人の胸痛の中にも頻度は多くはないですが、気をつけなくてはいけない時もあります。代表的なものに、心臓では
急性心膜心筋炎があり、これは簡単に言うと心臓の風邪と思って頂ければよいです。肺の病気では肺炎、胸膜炎、自然気
胸があります。心膜心筋炎や肺炎、胸膜炎では発熱を伴うことが多いです。自然気胸は、肺に穴が開いてしまう病気で、
突然の胸痛と息苦しさを同時に自覚します。また、胸痛と思っていても胸部にできた帯状疱疹のように皮膚表面の痛みの
こともあります。これらは、数十秒では治ることはなく、やはりいつもと違うなと思うことが多いと思われます。そうい
う時は、我慢せず病院に行ってしっかり診てもらって下さい。そして、どんなに軽い症状でも心配があれば、家族や健康
支援センターに相談し、必要な時は病院を受診することも大切です。心配を抱えているとそれが原因で、心因性の胸痛を
起こしてしまうこともあります。いつでも症状を的確に伝えられるように、普段から自分の体と上手に付き合い、体のこ
とをよく知るようにして下さい。

南雲美也子(校医・循環器内科)