戦争、国家、失われた故郷ー北方領土×硫黄島
北方領土と硫黄列島(東京都)は、日本の国境離島のうち、アジア太平洋戦争末期から現在に至るまで、政治的・外 交的理由により島全体の島民が帰還できない、代表的な2つの地域である。アジア太平洋戦争末期、沖縄諸島と樺 太などが地上戦に巻き込まれたことがよく知られている。一方で、硫黄列島も島民が地上戦に巻き込まれた後に米 国に占領され、また北方領土(南千島及び色丹と歯舞諸島)も、北千島の占守島における激戦の後、ソ連に占領され るなど、ある種の共通性をもっている。
北方領土元島民と硫黄列島民が戦後、故郷喪失・離散状態に置かれ続けてきた政治的背景はそれぞれ異なるが、本 シンポジウムでは両地域をめぐる歴史経験を重ね合わせてみる。これによって、戦後80年を目前として今なお、国 境離島において故郷に帰ることのできない人々がいる現実と、その歴史の継承について、深く考える機会としたい。
日時: 2024年1月20日(土) 14:00~17:00 場所: 明治学院大学白金キャンパス 2号館3階 2301教室 申込み: 不要 ◆対面参加(定員240名) ◆学内外どなたでもご参加いただけます。 参加費: 無料
主催:北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター 共催:明治学院大学国際平和研究所(PRIME) 後援:根室市/独立行政法人北方領土問題対策協会/NIHU「東ユーラシア研究」北大SRC拠点/明治学院大学社会 学部付属研究所/公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟/全国硫黄島島民3世の会/一般社団法人硫黄島帰島促進協 議会
<プログラム> ①基調講演 岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授、NPO法人国境地域研究センター副理事長) 「国境島嶼 史・北方領土史について」 石原俊(明治学院大学社会学部教授、国際平和研究所所員、全国硫黄島島民3世の会顧問) 「硫黄列島史・小笠原諸 島史について」
②パネルディスカッション 「島民子孫の歴史継承の取り組みについて」 北方領土:久保浩昭(北方領土国後島元島2世、旧逓信省千島回線陸揚庫保存会会長) 硫黄島:西村怜馬(硫黄島旧島民3世、全国硫黄島島民3世の会会長)、羽切朋子(硫黄島旧島民3世、全国硫黄島島民3世 の会副会長)
コメント:岩下明裕、石原 俊、鈴木英生(毎日新聞オピニオン編集部専門記者) 司会:山田淳子(北方領土歯舞群島志発島元島3世、写真家)
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