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vol.02 新旧ニッポン文化にどっぷり浸って自分らしい留学LIFE !

今回登場してくれたのは、マリー・ローズ・ジョイ・ヴィラーさん。同じアジアの別の国、フィリピンから来た彼女に、日本の文化や大学生は、どんな風に映っているのでしょう。お姉さんの影響で、フィリピンにいるときから日本の音楽やアニメを楽しんでいたという日本通のマリーに、リアルな「ニッポン体験」を語ってもらいました。

Marie Rose Joy Villar(マリー ローズ ジョイ ヴィラー)

フィリピンの最高学府・フィリピン大学からの留学生。母校での所属学部はcreative writing、専攻は小説で、高校時代には谷崎潤一郎、芥川龍之介、川端康成を読破したというツワモノ。12歳のとき、日本のアニメや音楽に触れ、どっぷりハマってしまったことから日本への留学を決意。今では日本語での日常会話もお手のものです。

POP×TRADITIONAL×TECHNOLOGY

日本文化通のマリー。そんな彼女が抱いていた、来日前の日本のイメージは?

来る前から、日本の音楽やアニメにはたくさん触れていたんです。きっかけは姉。彼女が同じフィリピン大学のサークル「フィリピンと日本の友の会」に入っていて、そこで日本のDVDやCDをたくさん借りてきていたんですよ。
当時私は12歳でしたが、その頃、家で観ていたアニメが「セーラームーン」や「ガンダム」「るろうに剣心」「ふしぎ遊戯」。音楽はMAX、SPEED、安室奈美恵。沖縄出身のアーティストが好きで、特にMAXはよく聴いていましたね。最近は宇多田ヒカルもよく聴きます。 なので、日本のイメージというと、ポップカルチャーが次々と生まれている一方で、伝統的な茶道や書道なども現代にきちんと受け継がれていて、さらには技術立国なところがユニークだなあと。そして、それらがいいバランスで共存している印象がありましたね。
そんな日本で、私が東京の中心にある明治学院大学に行けたのはラッキーでした。東京は日本から発信される文化の中心。それをライブなどでリアルに体験できるんですから。

フィリピンと日本、そのギャップ

実際の日本はどんな国でしたか?

私が日本に来たのは9月だったのですが、第一印象は「日本もこんなに暑いのか!」ということ。それから、とても賑やかですね。フィリピン大学は首都のマニラにありますが、同じ首都でも東京の方がずっと騒がしい感じ。そして予想はしていたものの、想像以上に物価が高い。私はよくコンビニの「ミニストップ」でアイスクリームを買いますが、それが200円なんですよ。同じ「ミニストップ」でも、フィリピンだったら20ペソ。約60円ですよ。日本のことは事前にある程度勉強していましたし、CICEのサポートも親切で、質問があったらいつもきちんと対応してくれて、来てから困るということはそんなになかったのですが、あえてデメリットを言うならお金がかかるなあ、と。
また、フィリピンでは電車の路線が3種類しかなく、乗り換えが簡単です。それが日本では大きな駅がたくさんあって、さらに東京の地下鉄の複雑さといったらもう!最初は駅の中だけでどこに行ったらいいのか、いつもドキドキしていました(笑)。それを救ってくれたのは路線図。おかげで無事、今は電車を乗りこなしていますよ。

やっぱりジャパニーズポップ!

そんな日本で、最近ハマっていることは?

実は最近、ジャニーズが好きで(笑)。好きな理由は、時々いい歌を歌うことと、何より「イケメン」だから(笑)。歌や踊りだけでなく、映画やドラマにも出ているし、いろんな活動をしているので、見ていて楽しいですよね。
フィリピンの芸能人は、歌手なら歌手、俳優なら俳優と、一つの分野で活動していることが多いので、ジャニーズのようにマルチにこなすタレントはほとんどいません。それに、ジャニーさんみたいに「イケメン」専門の事務所をやっている人なんていませんよね。昔はフィリピンにも、アイドル専門の事務所もあったんですけど…。今はなくなってしまって。 昨年の大イベントは、アメリカから来た留学生と一緒に、嵐の年末カウントダウンライブに行ったことかな。チケットは定価で8000円でしたが、インターネットオークションで買ったので、実際はもっと高かったなぁ…。さすがに親には言えませんよ。姉にはこっそり話して自慢しました。

明学ならでは!日本文化講座

好きな授業は何ですか?

一番好きな授業は日本文化講座です。特に楽しいのは、墨絵と茶道。先日、好きなテーマで創作する「モダン墨絵」を習ったのですが、私は音楽とバイオリンをテーマに作品を作りました。インスピレーションを得たのは、クラシック音楽をテーマにしたドラマ。そう、『のだめカンタービレ』です!玉木宏さん、上野樹里さん、大好きですよ。特に、上野さんはステキな「のだめ」を演じられましたよね。
茶道は、校内にあるお茶室で行います。教えてくださるのは、茶道武者小路千家の千宗屋先生。理由はわからないけれど、お手前を教わるのが楽しいんです。このお茶室で、茶道だけでなく、生け花や書道も学びます。今週はお正月の設えを教わる予定。毎週いろんな日本文化に触れ、体験できるのは本当にいい経験になっています。

明学生はおしゃれで常識的?

フィリピン大学との大きな違いはどこにありますか?

大学というと巨大なイメージがあるのですが、明学は比較的小規模ですよね。そう感じるのは、私が通っているフィリピン大学はマンモス校だからでしょうか。どのくらいかって、毎年受験出願者は約1万人、そのうち試験にパスするのは1000人程度で、在籍するのは5,5000人くらい。大学の勉強自体ももちろん厳しいですよ。それに比べると、日本の大学生にはあまり厳しさがないので「え?」って感じがありますね。もっと勉強してもいいんじゃないかな。
それから、フィリピン大学にはいろんな個性の人が集まっていて、「ちょっと変…?」って思うこともよくありますが、明学に面白い人はいても、極端に変わった人はいませんし、全体的におとなしめですね。服装はすごくおしゃれで、女の子もキレイ。フィリピン大学では、Tシャツ、短パン、サンダル履きで「もしかして寝起き?」という格好で授業を受けている人が当たり前にいますが、さすがに明学でそれはできないと思います(笑)。

休日のこと、これからのこと。

休日はどんな風に過ごしていますか。そして、日本での経験を、これからどう生かしていきたいですか。

休日は、パソコンで遊んだり、英会話を教えるアルバイトをしたりしています。フィリピンの公用語はタガログ語と英語。そのうち英語は幼稚園生や小学生から習い始めますから、ほとんどの人が話せるんですね。教えていて思うのは、日本人は発音で苦労しているということ。でも、みんな頑張っているので刺激になりますね。
それから、先日は大阪に留学した友人が東京に遊びに来て、一緒に上野動物園に行きました。私も初めて見る白熊やパンダに大興奮。その後、彼女が東京タワーに行きたいというので、一番上まで登って。フィリピンに高層タワーはないので、東京を一望できる景観に感動しました。 日本ならではの経験ができるのもあと少しですが、いつかまた日本に来たいと思っています。できれば将来、日本企業で働ければいいなって。もし、大好きな映画やアニメに仕事で関わることができたなら最高ですよね。

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