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vol.05 押忍!女子応援団from USA

今回登場してくれたウェンディは、明学の応援団部に所属する女の子。二呼一拍でがんばる皆にエールを贈るかたわら、『東京カワイイ★TV』に出演したり、マンガの名作を読み耽ったり、和文英訳を手掛けたり…と、好奇心の赴くままに日本を吸収。日本に埋蔵されているユニークな“something”を見つけて楽しむ天才が、3度目の日本留学生活を語ります!

Wendy Epstein

アメリカ・ニューヨーク州にあるロチェスター大学の留学生。広島平和記念公園にある原爆の子の像のモデル・佐々木禎子の千羽鶴の話に感銘を受け、ポケモンをきっかけに日本アニメにハマり…と、日本贔屓のキャリアはなんと小学時代にさかのぼる。今回の留学が3度目とあって、かなりの日本通!

荒ぺらぺらは一日にして成らず

日本語、ぺらぺらですね!いつごろから日本語に接していますか?

日本に興味を持つきっかけになったのは、おりがみなんです。小学校4年生の時、佐々木禎子さんの物語を授業で読んで、大きな衝撃を受けて。何がそんなに衝撃だったのか、今は忘れてしまったんですが、それからおりがみを始めたことは覚えています。
その後、本格的に日本に惹かれるようになったのは、アニメの影響ですね。5年生の頃『ポケットモンスター』がアメリカに上陸して、それからはもう、本当にいろんなアニメを観ました。『カードキャプターさくら』、『美少女セーラームーン』、『魔法騎士レイアース』、『らんま1/2』…。コメディのセンスがあって、キャラクターが立っているものが私の好み。特に素晴らしいと思うのは、少女マンガの古典です。例えば、萩尾望都の『ポーの一族』、『トーマの心臓』、手塚治の『リボンの騎士』…。昔のマンガは、全てにオリジナル性がありますよね。
そんなわけで、6年生の時に独学でひらがなとカタカナの勉強を始めて、中学生の時には先生について学び、「いつか絶対日本に留学する!」と思っていました。今回の留学は3度目の来日です。

私は肉食系女子画

3度目の日本にして、今ハマっていることは?

部活です!なぜ部活に入ったかというと、日本の大学生活と部活は密接に繋がっていて、日本的な学生のライフスタイルを体験するためには、部活に入った方がいいと思ったから。
手話や美術、スポーツなどいろいろ見学しましたが、私は応援団リーダー部を選びました。実は、高校時代に経験した語学留学で九州の高校に通っていた時、野球の試合で初めて見た応援団の団長が、なんと女の子だったんです。うわぁカッコいい!って思って、その姿が目に焼き付いていたんですよね。
よく「何で女なのに応援団?」って尋ねられますけど、今、応援団に入る女子は全国的に増加傾向にあるんですよ。ちょっと研究したんですけど、これってジェンダーと関係があるようです。今、世の中には草食系男子が増えてますよね。そのバランスをとるように、肉食系女子が増えているから…。ちなみに私は肉食系ですね。ハンターですから(笑)!

ハチマキ学ラン金髪女子

応援団ってどんな練習をしているんですか?入部してよかったことは?

練習は、発声練習や二呼一拍(にこいっぱく:応援団お決まりの前後左右の手の振り)をするのが基本。これを昼休みにみんな揃って練習します。
応援団に入ってよかったのは、合宿が楽しいことですね。朝から晩まで練習するだけなんですけど、千葉県の海岸で思いっきり声を出して練習したのがとても気持ちよかったんです。それから、明学の応援団部は全日本学生応援団連盟にも所属しているので、他の大学に友だちができたのもよかったですね。
ちなみに明学の応援団に所属する女の子は、他のサークルの総会や記念式典で一緒に応援するチアリーディング部や、吹奏楽部にしかいません。学ランを着るリーダー部は私を入れて4人だけ。私が帰国したら、リーダー部はまた男だけ3人になっちゃうなあ…。また練習に戻ってこないと。

『東京カワイイ★TV』に出演

ところでウェンディは、来日早々テレビに出演したそうですね。

はい。日本に着いて1週間くらいの時、原宿で派手な服を着て歩いていたら、テレビカメラを向けられて「何で日本にいるの?」「ファッションについてどう思う?」「『かわいい』ってどういう意味だと思う?」って、突然インタビューされたんですよ。
結局そのVTRは使われなかったんですけど、1ヶ月後くらいにディレクターからメールが来て、外国人が出演するファッションのクイズ番組に出演してほしいって言われました。それが『東京カワイイ★TV』だったんです。
収録の前日にディレクターと会って、ファッションについて話したり、いろいろな店を訪れたのですが、彼が短時間で私のキャラクターを理解したことには感心しました。そして、彼も自分の夢を語ってくれたりしたんです。番組作りには、番組には直接関係ないようなコミュニケーションも大切なんだなと思いました。

テレビの中のもうひとりの自分

当時と比較すると、今はだいぶ違う雰囲気の服装になりましたね。
番組出演を機に、逆にファッションに興味がなくなった?

落ち着いたんですよ。目立ちすぎるのはいいことじゃないから。実際、番組の収録に集まったのは、ファッションは人生だ!って感じの人が多くて、ちょっと怖かったんですよね。それから、テレビに出たときはとっても嬉しかったけど、自分が出演した番組を見たら、すごく恥ずかしかったんです。今でも、放送されたのは本当の自分じゃないって気がしています。
でも、その後いろんな展開がありました。『東京カワイイ★TV』の出演後に番組のmixi clipに入ったら、タレント事務所に勧誘されたんです。偽物の事務所かと思ったら本物(笑)。そこで「私はモデルや女優ではなく、絵を描いたり、マンガを描いたり、クリエイティブなことをしたい」って言ったらOKっていうので、今は事務所を通じて和文から英文への翻訳の仕事をしたり、企画書を作ったりしています。そういう意味では、テレビに出たことが次のステップに繋がっていますね。

次回はマンガ留学?

留学を終えた後、やりたいことは?

アメリカに帰っても応援団の練習がしたい!今回の留学で応援団の研究を始めたから、これからも続けたいんですよ。そして、お洒落をして学校に行きたい。昔やってたド派手なファッションはパフォーマンス。あれはお洒落じゃないからね。
それから、次に日本に来る時は応援団連盟の会合に参加したいな。あとは代々木アニメーション学院に入学するのも夢。そこに入ると、2年間でプロのマンガ家のレベルになるっていうので、実は春休みの間、何度も体験入学してたんです(笑)。でも、私だったらもういろんなことを勉強してるから、もうちょっと早く上達するんじゃないかと思って。大学ではあまりマンガのことに専念しなかったけど、次回、日本でマンガ留学したら、もっと日本語ができるようになりそうだし!

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