学びに基づくボランティア実践 ~第3回大会 受賞者紹介~

2018年11月、「学びに基づくボランティア実践プレゼンテーション大会」がおこなわれました。
この大会は、「明治学院大学教育連携・ボランティア・サティフィケイト・プログラム」の関連企画として、3年生以上を対象に、在学中に学部学科の授業における学びと自身がおこなったボランティア実践を意識して関連づけ、それらを深めた学生に発表の場を提供しようと開催されたもので、今年度で3回目となります。

各学生の学びとボランティア実践の取り組みを、大会応募時のエントリーシートの要約とともにご紹介します。書類審査を経たプレゼンテーション審査では、更に内容が肉付け・ブラッシュアップされ、大教室で審査委員の先生方、サティフィケイト・プログラムに登録する1~3年生が見守るなか、みなさん堂々とプレゼンテーションされていました。

将来を切り開く力を持った受賞者の、更なるご活躍を応援しています!

学長賞

社会学部社会福祉学科3年 山田 実玖さん

ボランティアセンター運営委員長賞

社会学部社会福祉学科3年 佐藤 千香子さん   社会学部社会福祉学科3年 奈須 ひなたさん

ボランティアセンター長賞

社会学部社会学科4年 毛利 光咲さん   社会学部社会福祉学科3年 佐伯 夏風さん

奨励賞

心理学部教育発達学科4年 柴田 康平さん   社会学部社会福祉学科3年 岩﨑 奏枝さん

(学年・学科順)

学長賞

社会学部社会福祉学科3年 山田 実玖さん

NPO法人 JUNKO Association ビジネス部署
の活動。ベトナムでの買い付け

大学1年生で学内の「NPO法人 JUNKO Association」に所属し、ベトナムで子どもたちへの学習支援を行いました。ビジネス部署に所属し支援金を収得する活動のなかで、NPOを続けていくうえで必要となる自己負担の費用や、学生団体であるために活動できる人が限られ継続性に欠けるなど、社会貢献活動を続けるためにはどのような形式の団体が適切なのかというテーマを抱きました。

そこで自主学習でCSR(Corporate Social Responsibility)やCSV(Creating Shared Value)といった企業の取り組みについて学び、その具体例やNPOとの違い、共通点を理解しようとしました。例えば1 Day for Othersでソニーの社会貢献につながる商品の提案をするプログラムに参加したり、地元の社会福祉協議会で学習支援ボランティアに参加したりするなど、企業側、NPO側(民間団体側)の両方の活動を見ました。

合わせて、「社会起業論A」「インターンシップ」などの授業において、NPOと企業の違いや運営するうえで困難になってくる点、支援対象や目的の違い、活動へのやりがいや参加のしやすさなどを学びました。

これまでボランティア学もいくつか履修してきましたが、特に上記の授業は自身のボランティアでの学びをより深めるものでした。活動を始めた当初の私の考えやNPO・企業の社会貢献に対するイメージの大半が、実際には違っていたことに気づくことができよかったと思います。当初はNPOの継続性に疑問を持っていましたが、NPO全てがそうした危機をもっているわけではなく、行政から予算を得て活動する団体もあることや、NPOと企業が協同して活動している事例もあることがわかりました。

これまで2年半ボランティア実践と大学の授業や自主的な学習を積み重ね、2つの組織の良いところ、悪いところも理解でき、今後の課題も確認できました。

ボランティアセンター運営委員長賞

社会学部社会福祉学科3年 佐藤 千香子さん

5月の防災訓練とワークショップにて。
全体での指示を出す前に学生事務局メンバー
と打ち合わせ

大学入学後、ボランティアセンターの学生メンバーとしてさまざまな活動に参加し、学びを深めてきました。今回は1年生秋学期から3年生の秋学期まで取り組んだ「ボランティアセンター学生事務局」の活動を実践として取り上げます。

学生事務局は学生メンバー全体の学び・交流の場の企画運営を担っており、今年一年間は事務局長として各チーフの取りまとめもおこないました。

興味や経験が異なる学生をまとめ、共に協力して活動を作り上げていくことは難しく、一人ひとりが充実感を持って参加できる組織作り、運営体制づくりに悩みました。

「社会福祉運営管理論A」の「組織とモチベーション」の授業は私の心に強く刺さりました。「コミュニケーションを重視すること」「活動の目的を必ず立てること」「役割を与え、任せてみること」の3点は特に重要だと感じ、「防災訓練とワークショップ」「20周年イベント」といった活動で意識して取り入れました。
授業で得た学びを大学生活のなかで実践できたことは大きな自信となりました。

社会学部社会福祉学科3年 奈須 ひなたさん

プレゼンテーション審査でのスライド:
実践から見えてきた課題

中学から継続して行っている子どもを対象にしたイベント開催などの地域ボランティアに、大学の学びをつなげたいと思いました。

「ソーシャルワーク3A・3B」では地域での福祉としてミクロ、メゾ、マクロの視点を学びました。私の活動地区ではミクロレベルで地域活動が活発であること、お祭りやもちつき大会など町内会のイベントは当たり前だと思っていましたが、こうした地域コミュニティの活発さが私の参加するボランティア活動の活性化につながっていることがわかりました。
また、「児童福祉論A」では子どもを対象とした保護施設や法律などを学びました。

活動に参加するには、町内会に属すこと、親の送り迎えがあることなど自然と条件が求められ、条件を満たさない子どもは参加できない実態があります。そうした子どもたちも参加できるような活動にするために福祉の学びをどう生かすか、より深く考えたいと思います。

ボランティアセンター長賞

社会学部社会福祉学科3年 佐伯 夏風さん

白金小学校にて行われる、地域のふれあい
運動会に参加した時の様子

1年生の頃に比べ、所属するボランティア団体が増え、代表などを務めさせてもらうようにもなり、学生生活におけるボランティアの割合が大きくなりました。色々な経験で成長できる一方、体力的、気持ち的には辛く、活動へのやる気も集中力も落ちていきました。

「心理学8」で、仕事をしてうつ病を発症した話が印象に残り、ボランティアでもその可能性はあるのではないかと思いました。

関連書籍で知った予防法を自分の状況に活かし、以前のようにボランティアを楽しみたいと考え、「状況の整理」「素直に休むこと」を実践、何をやるべきか・何が辛いかを書き出し整理すること、何も考えない日を作り睡眠を多く取るよう心掛けました。

少しずつやる気が戻り、前向きにボランティアに取り組めるようになったと感じます。やってみたかった学外での新しい活動も始めました。1度はボランティアから逃げようとしましたが、新しい視点を持ったことで活動の幅の広がり、深まりにつなげることができました。

奨励賞

心理学部教育発達学科4年 柴田 康平さん

福島県相馬市の児童館で紙芝居の読み聞かせ
ボランティアをしている様子

教育発達学に力を入れてきました。なかでも以下の3つの学びと関連づけてボランティア実践を行いました。

①心理学
現代の子どもの心を巡る課題を「心のメカニズム」「心の発達」の視点から理解し支援する方法、子育て支援、家族支援を理解することも学びました。 福島県相馬市での読み聞かせボランティアで子どもの心に寄り添うなどの実践に生かしてきました。

②教育学
小学校の各教科、幼稚園での遊び、カリキュラム、学校運営、子どもと先生の関係等、初等教育の実際に加え、今求められる教育支援の在り方を学びました。小学校の宿泊体験ボランティアで児童に指示を出す等の実践で生かしました。

③障害科学
発達障害や知的障害、肢体不自由等、障害のある子どもの理解と支援について、障害児・者心理学、特別支援教育学、発達小児科学の視点から、学習支援、発達支援、心の健康支援、保護者支援、きょうだい児支援などを学んできました。 障害者への余暇支援ボランティアでの関係性作り等の実践で生かしてきました。

社会学部社会福祉学科3年 岩﨑 奏枝さん

こども食堂でのご飯。この日のメニューは
そぼろ丼とお吸い物

ボランティアを行うにあたって「ミッションを明確に定めること」と「ミッション解決のための計画の基盤固めをすること」を大切にしています。

ミッションを明確に定めるためには課題の理解が重要であり、そのために講義を活用しました。子ども食堂の運営では、講義内で取り上げられた子ども食堂の運営方法や雰囲気作りを参考にしました。子ども食堂が作られる背景、地域の特性も学びました。そして講義の事例をそのまま自分たちの活動地域に取り込むのではなく、地域にあった活動をすることにしました。

団体の中心メンバーであることから、ミッション解決のための基盤固めの重要性は強く感じています。ミッション達成にはコアメンバーの存在・メンバー全員の熱量・活動資金の維持、そして広報が必要で、団体の本来の課題とは別の課題となります。その解決に講義を活用、会議の進め方やNPOの運営論など、ボランティア活動だけでは得ることができない知識を得ることができました。



第3回学びに基づくボランティア実践プレゼンテーション大会結果

明治学院大学教育連携・ボランティア・サティフィケイト・プログラム