社会学部: 人材養成上の目的・教育目標と3つのポリシー

明治学院大学では教育目標を実現するため、学部・学科の人材養成上の目的・教育目標と以下の3つの方針(ポリシー)を定め人材育成に取り組んでいます。

学位授与の方針 (ディプロマポリシー)
卒業認定・学位授与に関する基本方針であり、卒業時に学生が修得しているべき 知識・能力・行動等を示している。

教育課程編成の方針 (カリキュラムポリシー)
教育の実施に関する基本方針であり、卒業時に学生が修得しているべき知識・能力・行動等を育成するための学修段階に応じた教育計画、指導の方針等を示している。

入学者受け入れの方針 (アドミッションポリシー)
入学者の受入れに関する基本方針であり、教育上の理念・方針に沿って、受験生 に求める能力・意欲・経験・適性等や選抜方法を示している。

社会学科

人材養成上の目的・教育目標

社会学は、さまざまな水準で他者を認知し理解することを目指す学問である。多様な仕方で存在する他者への関心をもち、理解し、ひいてはそこにあるさまざまな葛藤を発見・探求することが、社会的寛容性を高めることにつながる。

社会学科では、現代社会に伏在する多様な問題を発見・追究し、より望ましい社会のヴィジョンを構想し、かつそれに向けて意欲的に実践できる人材の育成を教育目標とする。いいかえれば、私たちが目指す教育とは、学生が社会に対する好奇心をもち他者に気づくことから、そこにある社会の多様な葛藤を理解し、課題として追究し、それを自分なりに表現する力を身につけることである。

学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)

  1. (社会学の基礎)
    他者との出会いの場としての、あるいはそれ自体で「他者」であるところの「社会」について、そしてそこに起きる人と人との間の、そしてそれを支える人ならざるもの(いわゆる自然を含む)たちと人との間の関係をめぐる諸問題について、実証的かつ論理的に理解し対処する一助となすべく、社会学という一専門科学の基本的考え方を身につける。
  2. (論理的思考と実証的態度)
    学部段階での教育においては、「社会学科」といえども、社会学のみならず人文社会科学一般、更には自然科学とも共通する、論理的・批判的な推論法と、現場での実態調査と統計的なデータ処理を中心とした、事実を踏まえた実証的な探究法の習得が本義である。ただ「社会学科」である以上、本学科生は哲学でも心理学でもなくまずは「社会学」を通じて、以上の批判的思考法・実証的探究法を身につけることを求められる。
  3. (社会学の本義)
    そのうえでより積極的な意味で、哲学でも心理学でもなく、「社会学」を学ばせることの本義は、「人間が人間であること」の自明性よりはむしろ「「人間とは何か」という常識、定義付け自体が歴史的社会的な状況によって変わりうる」という非自明性、つまり「同じ人間とは思えない」異質な他者でもありうる存在としての人間について、思弁を通じてのみならず、具体的な他者との出会いの場としての「社会」についての実証的探究を通して体得させることにある。本学科では特に社会調査につき、基礎的な方法論の習得から、現場での調査実習による具体的なノウハウの体得まで、一貫したカリキュラムでの指導に注力している。本学科生は社会学の学習を通じて、異質な他者、想像もつかない未来に対する開かれた感受性と、そうした非自明性を前に思考停止に陥らない強靭な思考力とを身につけることを要求される。
  4. (表現と実践)
    感受と思考の成果は、しかし現実の行為へと、実践へと移されなければ、それこそ「社会的」には意味がない。そして、言語を用いて明晰に何事かを表現し、他者に伝えることは、人間的実践の第一歩である。何より、自ら言語を用いて語る能力のない者には、他者の語りを理解すること、更には言葉にならない不明確な思いや行動の意味を理解することはできない。本学科生は社会学的思考を土台に、明晰な言葉づかいで語り、書く力を身につけることを求められる。
  5. (調査リテラシー)
    社会調査士資格を取得した者については、現代社会において社会調査を用いた研究もしくは実務にたずさわる職業人にふさわしい、社会調査に関する高度な専門的知識と技能を身につけている。

教育課程編成・実施の方針 (カリキュラム・ポリシー)

  1. (導入教育)
    1年次において本学科新入生は、全員「アカデミックリテラシー」という少人数のゼミナール形式の授業を卒業必須科目として履修する。ここで新入生は、文献講読の基礎的な技法、口頭並びに文書で他者に報告するプレゼンテーションの初歩などを学ぶ。また、「社会学基礎演習」という少人数科目では、社会学の基礎知識の習得と同時に、グループワークなどの基礎を学ぶ。
  2. (コース制)
    2年次以降本学科生は、自らの判断で選択した三つのコースにそれぞれ分属する。三つのコースとは、A・さまざまなスケールで他者および自文化の理解を目指し、情報が産み出され伝達される過程を探求する「文化とメディアコース」。B・〈生命〉と〈アイデンティティ〉をキーワードに、医療をはじめ高度な科学技術を基盤に成立した現代社会の本質を解き明かしてゆく「生命とアイデンティティコース」。C・きめ細やかな他者理解を通じて、新たな〈コミュニティ〉の創造につながる〈実践力〉を養う「環境とコミュニティコース」、である。
    このコース選択に伴い、2年次では「コース演習」なるゼミナール形式の必修科目を設け、3・4年次での専門演習、そして卒業論文に備える。更に2年次から、コースの設定した枠組みを手掛かりに、本格的に専門科目を履修していく。
  3. (演習・卒業論文)
    3年次に履修する「演習1」は、アカデミックリテラシー・コース演習とは異なり、卒業論文や将来の進路までをも見据えたうえで、より専門的な研鑽を積むために、学生が自ら指導教員を選択して個別指導を受ける、少人数でのゼミナール形式の授業である。専門書の精読や専門な調査から考察の材料を収集し、ゼミの仲間と議論し、自分の考えを口頭発表やレポートとして表現していく。「演習1」の延長線上に、4年次に履修する「演習2」を置く。卒業論文という大学生活の集大成に取り組み、作品として仕上げる。優秀な卒業論文には、厳正な審査を経て「社会学部長賞」が授与される。
  4. (社会調査士資格取得カリキュラム)
    本学科では社会調査士資格を取得可能である。1年次に「社会調査の基礎」を学び、2年次に「社会調査の技法」「社会統計学」「数量データ分析」「質的データ分析」「フィールドワーク演習」から指定科目を履修し、調査の基礎を身につけ、3年次に「社会調査実習」「社会教育調査実習」を履修する。実習の各クラスは毎年、質の高い報告書を作成している。これら社会調査関連科目の必要単位を満たすと「社会調査士」の資格申請ができ、卒業をもって学士号とともに取得できる。

入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)

本学科が目指す教育は、すでに見知った者であれ、まだ見知らぬ者であれ、「他者」への関心を育むことから始まる。先ず「他者」という問題がはらむ多様な葛藤に気づくことが必要である。次いで直感的な気づきから深い理解への道を自己の課題として引き受ける姿勢が求められる。そして、発見し追求した事柄を今度は具体的な他者を前に、自分の言葉で表現する力を身につけてほしいと願っている。本学科は、大学生活を通じてそのような〈力〉を身につけ、社会に羽ばたきたいと願う学生を求めている。いくつかの資質を挙げてみよう。《a・知的好奇心と探究心》《b柔軟な思考と創造的アイディア》《c・経験を生かした構想力と表現力》漠然と思い描く未来像の中に、これらの〈力〉を自分の資質として見出し、努力したいと感じられる人こそ社会学科が求める大学生である。

社会福祉学科

人材養成上の目的・教育目標

人間の尊厳と基本的人権を尊重・擁護し、①人としての必要な社会生活上の基本的ニーズを科学的に充足する諸方策について、理論的・実証的に研究を進める能力を養い、②当面する福祉問題、生活課題を解明する方途を習得させ、③これらの問題・課題に対応する具体的施策、実践のための理論・方法を教授する。
ソーシャルワークコースは、ソーシャルワーカーを養成するために、福祉支援に必要な能力を高め、支援者としてふさわしい人権意識と知識・方法の習得を目指す。

福祉開発コースは、福祉社会の創造に貢献する人材育成を目指し、広い社会的視野に立って人間理解を深め、福祉問題の原因・結果と必要な施策・活動を科学的に分析・考察できる能力を養う。

学位授与の方針 (ディプロマ・ポリシー)

社会福祉の理論や実践方法論を理解し、かつ実践に生かす方法論を習得することを目指している。
ソーシャルワークコースでは、人間の尊厳と基本的人権を尊重する価値に基づいて行動するソーシャルワーカーを養成することを目的としている。そのために学生が利用者とその環境について、すなわち人間と社会システムについて分析するための知識と能力を持ち、社会福祉の政策・制度を理解し、支援のための方法を身につけることを目標とする。

福祉開発コースでは、人間の尊厳と基本的人権の尊重を基本にしながら、社会的な諸問題と人間の生活の関わりについて深く洞察し、よって福祉社会の建設に寄与できる幅広い知識・能力と感性の習得を目指す。

教育課程編成・実施の方針 (カリキュラム・ポリシー)

1年次は、社会福祉学の基礎知識を獲得させ、2年次からの各コースの学びに導くように、必修科目の「社会福祉学概論A・B」や、「基礎演習」「ソーシャルワークの理解」「福祉開発の理解」などを配置している。

ソーシャルワークコースでは、ソーシャルワークの理論とソーシャルワーカーとしての実践力を獲得することを主たる目標としたカリキュラムで構成する。関連講義科目の学びとソーシャルワーク実習およびソーシャルワーク演習と相互に連動させながら学習を深め、最終的には卒業論文としてまとめる。カリキュラム編成は第1群から第8群に分かれ、基礎科目、社会福祉の制度・政策に関する科目、個人を中心とした対象理解に関する科目、社会福祉の実践方法・技術に関する科目、社会福祉の分野に関する科目、演習、実習、卒業論文などに関する科目などそれぞれの学年で学びを積み上げられるように配置している。

福祉開発コースでは、ソーシャルワークコースの講義科目や群制度を共有しつつ、福祉開発コースの特色を生かすため専門的なエリアを設定し、それぞれのエリアで推奨する科目を示して履修の指針とする。また「福祉開発概論」をコースの必修科目として配置し、さらに実習科目として福祉開発の実際を体験する「福祉開発フイールドワーク」(2年次)を設置している。3年次・4年次では演習科目・卒業論文(ともに選択)がおかれ、系統的な積み重ねができるよう科目を配置している。

入学者受入れの方針 (アドミッション・ポリシー)

広く社会福祉の理論と実践に関心を持ち、自らの力で学ぶことを継続できる人の入学を期待している。2年次から学生の希望に応じて二つのコースに分かれるので、受験希望者にはオープンキャンパスやホームページ、パンフレットなどを通じて二つのコースの具体的なイメージやカリキュラムの違い、卒業後の進路などについて詳しい情報提供を行うよう努めている。

入試の方法は、推薦入試と一般入試によって入学者を受け入れる。特に推薦入試では論文や面接試験などを行い、入学の動機を明確に持ち、自分自身の将来への展望を持った学力の優れた学生の入学を期待している。AO入試に関しては、次のいずれかに該当する人の入学を求めている。①自発的であり、かつ単発でない社会貢献活動に優れた実績をもつ人、②広く社会福祉関連領域に関して、こうあるべきだ、こうしたい、というユニークなプランやプロジェクトの案をもつ人である。特別入試の合格者には課題図書を提示し、入学前教育を行っている。