海外プログラム

2016年2月6日

今日は何の国際デー?(2月6日)


今日は何の国際デー vol.2

 本日、2月6日は「女性器切除根絶のための国際デー」(International Day of Zero Tolerance to Female Genital Mutilation)です‼

「女性器切除」という言葉を聞いてみなさんは何を想像しますか?この女性器切除(Female Genital Mutilation/Cutting 以下FGM/C)は、アフリカや中東の29ヵ国で現在も行われている慣習で、女性や女子の性器の一部を切除するものです。(図1参照)

 FGM/Cは陰核の一部またはすべての切除や、陰唇の縫合など4つのタイプに分類することができます。
 2009年にイラクのクルド地区で行われた調査では、3~12歳の間にFGM/Cが行われることが一般的であり、麻酔や消毒液なども基本的に利用しないという結果が出ました。そのため、少女たちは感染症や出血多量などにより命の危険にさらされています(図2参照)。図2で女性が手にしているナイフはFGM/Cで使用されるものであり、これを含めFGM/Cに使われるガラスの破片や剃刀の刃のほとんどは消毒されていません。
 さらに、FGM/Cは長い間行われてきた慣習であり、宗教的観念も複雑に絡み合っています。これがFGM/Cがなくならない大きな要因となっています。

 このFGM/Cに対して世界保健機関(WHO)や国際連合児童基金(UNICEF)などは、「健康上の危険性があり女性や女子に対する人権侵害である」として反対しています。2015年の「女性器切除根絶のための国際デー」では、UNICEFのアンソニー・レーク事務局長がFGM/C根絶のために具体的な対策をとるよう、世界中の医療従事者に向けてのスピーチを行いました。

 FGM/Cの解決に向けて、実際に行われている29か国の女性だけではなく、医療従事者のような専門的スキルを持った人々、そしてFGM/Cの存在しない地域に生活するすべての人々もこの問題に対して考え、行動することが重要です。
 ここで欠かせないのが男性の協力と理解です。FGM/Cが行われている地域に生まれた女子が、権力を持つ男性を説得することでFGM/Cをやめさせた例もあります。「女性の身体に関する問題だから、男性は関係ない」と考えてしまうのではなく、男女共に解決しようという意識が男性だけでなく女性にも必要なのです。

 しかし、FGM/Cを伝統として扱ってきた地域では、FGM/Cの禁止を快く思っていない地域もあります。FGM/Cを行っているシエラレオネのある地域では「われわれの伝統儀礼を奪うな」とし「固有の文化」FGM/Cが禁止されることに反対しています。

 前述のように、FGM/Cは健康被害も報告されており人権侵害でもあるとともに、長い間行われてきた伝統文化であり、宗教的観念とも結びついています。今後、このFGM/Cをめぐってどのように社会が変化していくのか、今日の「女性器切除根絶のための国際デー」を機に考えてみてはいかがでしょうか。

 次回は2月13日「国際ラジオデー」です。
 みなさん、普段からラジオを聴いているでしょうか?現在ではTVと同じように、芸能や娯楽のイメージが強まっているラジオですが、災害発生時などの緊急時には欠かせない必須アイテムでもあります。ラジオが私たちの生活にどれだけの恩恵をもたらすのか、紹介します。
次回もよろしくお願いいたします。

国際学科2年
菊池祥太朗

参考ページ

AFP通信 (2008.3.6) シエラレオネで、女子割礼の存続を訴えて女性たちがデモ
http://www.afpbb.com/articles/-/2360085 (2016年1月28日取得)

日本ユニセフ協会 (2015.2.6) 国際女性性器切除(FGM/C)根絶の日
http://www.unicef.or.jp/news/2015/0032.html (2016年1月28日取得)

日本ユニセフ協会 (2013) 女性器切除(FGM/C)
http://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_act04_03.html (2016年1月25日取得)

Human Rights Watch (2010.6.21) 「イラクのクルド自治区での女性器切除(FGM)について、よくある質問」
https://www.hrw.org/ja/news/2010/06/21/239895 (2016年1月25日取得)

logmi 「5歳で婚約、13歳で女性器切除―マサイ族の過酷な運命に立ち向かい、夢を叶えた女性のTEDスピーチ」
http://logmi.jp/31419 (2016年1月25日取得)

Human Rights Watch (2010.6.10) 「Q&A on Female Genital Mutilation」
https://www.hrw.org/news/2010/06/16/qa-female-genital-mutilation (2016年1月25日取得)