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2020年度新入生向け 祝辞

明治学院大学の「学び」について、学長、副学長のメッセージを紹介します。

村田 玲音 Leo Murata
学長(経済学部教授)
学長(経済学部教授)村田 玲音

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
また、ご家族の皆様へも心よりお祝い申し上げます。
本来なら、明治学院の歴史あるチャペルで、皆さんを歓迎する入学式を行うはずでしたが、 新型コロナウイルス感染防止のため入学式はこういう形になり、授業も延期せざるを得な くなっております。

病気の蔓延によって社会が閉塞してしまう。こういう話を聞くと、私は決まって、大物理 学者であり大数学者であるニュートンのことを思い出します。ニュートンが 20 歳だった頃、 ロンドンからケンブリッジにかけてペストが流行するという大事件がありました。大学は 2 年間、閉鎖されてしまいます。仕方なくニュートンは故郷に帰って、ひとりでこつこつ研 究を続けました。そして彼はこの 2 年の間に、数学における微分積分学、物理学における 万有引力の発見、光のさまざまな性質の発見、こうしたその後の世界を大きく変えてしま う 3 つの大発見を成し遂げたのです。

今回、社会がこういう状態になり、私たちは人間の社会活動はすべて人と人との触れ合い の上に成り立っているということを改めて認識しました。学校も教育もこの点では同じで す。ただ人間はこうした状況になると、これまでに蓄積したものの上に新しいことを考え 始める。ニュートンも同じことをしたに違いありません。

私たちもこれをきっかけに新しいことを考え始めています。例えば、新しい教育の形はな いだろうか。職場に行かなくてもできる仕事はないだろうか。こうした思索は非常に貴重 なものだと思います。これから先の社会を少しずつ変えていくきっかけになるかもしれま せん。

これから何年か経って振り返ったとき、今回のウイルス問題で社会も大学も少し変わった と思う日がくるかもしれません。恐らく無駄なものが少し整理され、本当に大切なものが 残っていくのだと思います。

そして、人と人の流れが元に戻ったとき、私たちは間違いなく何の心配もなく授業に行く、 仲間と楽しくサークル活動をする、自由に旅行をしてまわる、こうした当たり前の学生生 活がいかに貴重なものであるか、そういったことを改めて認識するのだろうと思います。

皆さんはこの春から大学という新しいステージに進みました。ぜひこの機会に、若い知性 でこれまでの蓄積の上に新しいことを考えていってください。若い時代の試行錯誤は、こ れから先の学生生活、社会に出た後も役に立つと思います。

私もこのキャンパスに学生の姿が戻ってくる日を心待ちにしております。そして、その日 はそう遠くないだろうと思っております。またキャンパスで皆さんとお会いしたいし、こ れから後の 4 年間が皆さんにとって、とても楽しい、そして充実した大学生活であること を私も心から希望しております。

小暮 修也 Shuya Kogure
学院長

新入生の皆さん。
明治学院大学、ならびに、大学院への入学、おめでとうございます。

また、保証人の皆様、ご家族の皆様。
ご子弟のご入学、おめでとうございます。

明治学院では、2016 年度より「明治学院教育ビジョン」を定め、冊子を配っております。 しかし、今回は昨今の状況を踏まえ、ホームページにて公開しております。 この冊子の 2 ページ目には、明治学院大学のスクールモットーである“Do for Others (他者 への貢献)”に基づいて、「隣人と生きる、世界市民を育てたい」と書いてあります。 そして具体的には、この中には、たくさんの世界中の学校と協定を結んで、世界のさまざ まなところに留学してほしい。このようなことが書かれております。

また、明治学院大学が、キリスト教の学校である、ということで、学生たちは自主的に活 動しています。

さらに、“Do for Others (他者への貢献)”の精神に基づいて、さまざまな場で、ボランティ ア活動を行っています。

最後に、明治学院大学を出て、社会のさまざまなところで活躍した方がおられます。 総理大臣、また大蔵大臣を経験した高橋是清氏、さらに外交官、実業家、小説家、画家、 医師、そして教育者になった方々がおります。 これらの方々は、明治学院でしっかり学んで、社会でその夢を実現しました。

皆さんも、明治学院大学でしっかり学び、自分自身の夢を実現してほしい。そのように願 っています。本日は入学おめでとうございます。