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2019.03.18

まだ終わっていない

3月11日、本学が連携協定を結んでいる岩手県大槌町主催の追悼式に参列してきました。町民、関係者の思いに胸打たれ、遺族の方のその後の生活にも触れられた「言葉」に深い感銘を受けました。私は、前日と当日の午前中に、本学がお世話になっている地域の方々や、小中学校、高校の校長先生にお会いし、日ごろからのご協力にお礼を申し上げてきました。そして、この2日間の大槌町訪問のなかで、改めて、「まだ終わっていない」という思いを持ちました。

「まだ終わっていない」には、四つの含意があります。第一に、震災・津波からの物理的復興です。道路の整備は進み、3月23日には三陸鉄道が開通します。町内でも、中学校(吉里吉里学園中学部)内の仮設住宅が撤去され、個人の住居でも新築の家が目立つようになっていますが、いまだに応急仮設住宅に住まわれている方も多数いらっしゃるとのことです。まだまだ復興は終わっていません。

第二に、地域の将来を見据えた復興はこれからであるということです。2020年度には復興予算がいったん最終年度となる予定であり、全国の自治体から派遣されていた職員も順次戻っていく時期にきています。もともと、人口減に直面していた地域が震災後はより深刻な状況を抱えています。町に活気を取り戻し、地域で生活する人々が増えていくためには、これからを見据えての取り組みが必要となっています。今回お会いした方のお一人がおっしゃった「もう被災者というだけの扱いをしないでほしい」という言葉が印象に残っています。

第三に、家族や知人を亡くされた、あるいは行方が分からない方々の気持ちです。震災での死亡者何名、行方不明何名、関連死何名という数値も必要ですが、その数字を構成するのは一人一人の人間であり、それぞれの生活と人間関係をもったかけがえのない存在です。写真は、そのような思いを伝え、綴るために、地域の方が設置した「風の電話」です。私が訪れたときも一組のご家族が車を止めていらっしゃいました。決して便利なところにはないのですが、コードではつながっていない、しかし心でつながる「風の電話」への思いは、やはり「まだ終わっていない」ことを反映したものとなっています。

最後に、このような地域に寄り添い、地元の方々の要望に応える本学の活動も「まだ終わっていない」ということです。今回訪問先すべてで、本学学生には高い評価をいただき、具体的活動への感謝もいただきました。学生達の活気と笑顔が励みになり、地域の活性化につながっているとのことでした。

本学は、大槌町とのつながりを大切にし、これからも各学校や地域の方々との対話のなかから、明学だからこそできる支援を続けていきます。