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2018年度 入学式 祝辞

明治学院 学院長 小暮 修也

学生の皆さん、大学院生の皆さん、入学おめでとうございます。保証人ならびに関係者の皆様、ご子弟のご入学をお祝い申し上げます。

 新約聖書・マタイによる福音書7章12節に、「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」という言葉があります。これは明治学院大学のスクール・モットーであるDo for Othersの基になった言葉ですが、この言葉は肯定型で、Golden Rule(黄金律、金の教え)と言われています。これに似た言葉に、孔子の『論語』「己の欲せざるところは、他に施すなかれ。」(自分がしてほしくないことは、人にしてはいけない)という言葉がありますが、これは禁止型なのでSilver Rule(銀の規則、銀の教え)と言われています。

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」という言葉が積極的で高い価値(金の値打ち)を持っているのに対し、「自分が望んでいないことは、人にもしてはいけない。」という言葉は禁止型で、その価値は少し低いことから(銀の値打ち)に相当すると言われています。 しかし、現代社会の状況を見ていると、この禁止型「やってはいけない」ということもGolden Ruleかもしれないと思わされます。したがって、Do for OthersとDon’t do for Othersは、コインの裏表のような関係かもしれないと考えさせられます。

ところで、明治学院は2016年度より、「明治学院の教育ビジョン」を定めました。後ほど配られるチャペルの絵が描かれている冊子を見ていただきたいのですが、大学のスクール・モットーを基にして、明治学院の使命として「隣人と生きる世界市民の育成」を掲げ、具体的なプランを実行しています。 現在の世界や日本を見てみると、壁を作り、排外的な考え方が出ています。しかし、よく考えてみると、私たち人間は壁を作りたがる存在です。この壁を乗り越え、隣人と生きる世界市民となるためには、人を理解し、交流し、的確な理性と感性を持たなければなりません。

明治学院は、このような「隣人と生きる世界市民」をこれまでも、そしてこれからも育てていきたいと願っています。

どうぞ、この大学でお互いを大切にしながら学問を究め、人間性を深めていただきたいと願っております。
本日は、入学おめでとうございます。