学び
猪瀬浩平教養教育センター教授【ボランティア学7】
今まで目を背けていたものと正面から関わる
大学の授業というと皆さんはどんなものを想像しますか? 私は、大人数の教室で教授の考えを聞く授業や、テーマに基づいて授業で習ったフレームワークを使って学習していくものと思っていました。
しかし、この「ボランティア学7」という授業はそれとは違い、ゲストスピーカーのお話を聞き、その中にひそむ社会問題についてディスカッションをすることがメインの授業です。最も特徴的なところは、自分の意見を求められる、また自分の頭で考えだすというところです。教授やゲストスピーカーの方のお話も鵜呑みにせず、それらを踏まえたうえで考え、自分なりの答えを出すことがこの授業では求められます。
この授業で強く残っている言葉があります。「買う側の男の犯罪だと思っていたが、そうではない。私たち社会と大人たち全員が加害者だと思った」というものです。これは児童買春をテーマにした映像に出てきた言葉です。私も買う男が悪いと思っていましたが、授業で話を聞いた後で、売る側の少女、買う側の男性、そして何もしない傍観者、3つの立場から考えると今までにない答えが自分の中で出てきました。
今までぼんやり生きてきた方、社会問題等に強い関心がある方はぜひこの授業を履修してください。何かを考えるきっかけや、新たな視点を毎授業、得ることができると思います。
濱野夢斗(経営3年)
ディスカッションを通じ、さまざまな視点から問題を検証すること求められます。
白金通信2018年10月号(No.496) 掲載