学び
多様性・多文化に取り組む心理学部 公開セミナー・多文化ユースネットワークを開催
グローバル化が進むなか、心理・教育・心身障害などに関する臨床の場でも多文化への対応が求められています。こうした観点から心理学部付属研究所では、8月4日に、公開セミナー「多様性に開かれた心理臨床・教育実践のために―多様な関係のなかの『私』を考える―」を開催しました。当日は、上智大学の出口真紀子さんが「立場と特権の心理学」の視点から、また福島県立大学の水木理恵さんは日米での多文化臨床の経験から、マジョリティ側が自らの特権に気づく重要性を伝えてくださいました。猛暑の中、学生・大学院生、カウンセラー、教員など、定員の60名を超える皆さんにご参加いただきました。関心の高さと広がりを大変うれしく思っています。
心理学部付属研究所では、2016年度より特別研究プロジェクト「心理臨床センターにおけるグローバル化および内なる国際化に関する探索的研究」にも取り組んできました。今年度は特に多文化環境で育つ若者のネットワークづくりに力を入れています。7月21日には、映画「移動する『家族』」上映会&座談会を開催し、監督の大橋香奈さんも交えた約50名の参加者で、多文化環境で育った経験、また各自の経験を共有する意味について語り合いました。9月23日には、多文化環境で育った若者が集まり、自他理解を深めつつ将来を考える場として「多文化ユースのためのライフキャリアワークショップ」を行う等、今後もさまざまな企画を予定しています。
渋谷恵(心理学部教授・心理学部付属研究所調査・研究部門主任)
公開セミナーでは紙のボールを投げるワークで、特権について考察。
映画上映会&座談会終了後、大橋香奈監督を囲んで。
白金通信2018年10月号(No.496) 掲載