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学び

文学部英文学科【富山英俊ゼミナール】

濃縮された「アメリカ」を読む

「詩とは注意深く選ばれた言葉の結晶である」とは、詩についてよく言われることです。定型詩の代表格とも言える五・七・五の音で成り立つ俳句を例にとれば、詠み人がその言葉を、その表現を選んだのはなぜなのか、それにより立ち現れてくる情景とは何なのか。俳句に限らず、詩という決して長大でない言葉の連なりに隠された景色を探していく、それもまた詩の鑑賞方法の一つです。

私の所属する富山英俊先生のアメリカ文学3年次演習では、第二次世界大戦後に登場したアメリカの詩人、そしてポピュラー音楽に属する詩人を扱います。春学期はBob Dylan に始まり、Lowe ll、Roethke、Joni Mitchellらの作品に触れました。極限状態における人間の諸相を見せつけた、かの大戦を生き抜いた者、その記憶を受け継ぐ者、さまざまな立場にある彼らが戦後のアメリカをいかに表象し、何を訴えたのか。歴史的に若いこの国の転換点からアメリカを読み解いていきます。

授業は学生が先生に割り当てられた詩の訳を発表するかたちで進んでいきます。辞書を引いただけではわかりにくい語句、表現に先生がアメリカの文化・歴史的文脈から解説をされ、一度読んだだけでは見えてこなかった新たな景色
を見せてくれます。

「アメリカ」が濃密に凝縮された詩作品を一緒に読んでみませんか。

執筆者:学生広報委員 坂田恭一郎(英文3年)

白金通信2016年10月号(No.486) 掲載


Roethkeの詩の発表中。

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