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学び

形として見えない“感情・人格”を探る 森本浩志准教授(心理学部)【感情・人格心理学】

「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」。これはジェームズ=ランゲによる情動の末梢起源説という感情喚起の理論です。この授業では、このような人間の感情および人格の基礎的な理論とその形成過程、心身の健康との関連などについて学んでいきます。

昨年度は、Zoomを用いた双方向ライブ配信型の遠隔授業によって、画面越しではありながらも対面に近い形で受講しました。授業の中では、実際の心理検査で用いられる質問紙で、自分のパーソナリティやポジティブ・ネガティブ情動について、ストレッサーに対してどのように対処(コーピング)するのが良いのかなどを分析することもあります。これによってこれまで知らなかった自分のパーソナリティを知り、ストレスマネジメントに役立てることができます。

森本先生の授業のなかで、身体と脳に着目した理論や、認知の役割に注目した理論、神経科学的感情理論などにおいて、感情の喚起のプロセスなどは存在するが、どれもはっきりとした確証がないというお話があり、難しい学問だと思いました。しかし、そもそも心理学は見えない「こころ」を扱う学問であり、感情も形として現れる明確なものではないことから、確実性を持たせることが難しいとも思いました。それでも人間は、涙を流し、怒り、悲しみ、笑うのです。だからこそ人間の感情について学ぶことは面白く、より深く探り続けていくのではないでしょうか。

学生広報委員
久保 沙穂莉(心理3年)

森本浩志先生。

パソコンの前では授業内容を必ずメモ。

白金通信2021年春号(No.506)掲載

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