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聖書のことば

【聖書のことば】マタイによる福音書 5章13節

あなたがたは地の塩である。
だが、塩に塩気がなくなれば、
その塩は何によって塩味が付けられよう。

――マタイによる福音書 5章13節

《神の愛に照らされて》
渡辺総一 作

ここでイエスは、「あなたがたは地の塩である」と語り始めますが、これに続く言葉は否定的に響きます。「塩に塩気がなくなる」とは、地の塩とされている人間が世の中での存在意義を失い、闇のような状況に落ち込んでいく様を想起させます。

しかし、イエスの言葉はそこで終わりません。この後に「あなたがたは世の光である」と続きます。心が闇に覆われるという経験は、我々から力を奪い、これ以上先に進めないという思いにさせます。人々のそういう心に光をもたらすのがあなたがたの役割だとイエスは告げるのです。

誰もが皆、闇を抱えているというのに、どうしたらそのような役割を果たせるというのでしょうか。イエスは、その働きは「誰かが」ではなく、皆が互いに愛し合い、ゆるし合うことによって灯される愛の光によって始められると言われます。

白金通信2021年秋号(No.508)掲載

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