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聖書のことば

【聖書のことば】旧約聖書 レビ記19章33節

寄留者があなたの土地に住んでいるなら、
彼を虐げてはならない。

――旧約聖書 レビ記19章33節


《寄留者のために落ち穂は残さなければならない》
渡辺総一 作

神がモーセを通して民に語ったこの命令は、寄留者、すなわち外国人を「あなたたちの土地に生まれたもの」と同じように扱いなさいと続きます。同様の教えは、旧約聖書の他の箇所にも数多く記されています。人間の罪が外国人差別に端的に表れることを示しているともいえるでしょう。

外国籍の人々と共生することはすでに日本では日常です。しかし社会において彼らに対する差別や偏見は根強く、差別解消に取り組むべき国の政策も、難民認定率の低さ、そしてスリランカ人の女性が亡くなった事件に象徴される入管施設問題など、あるべき姿とは逆方向を向いているようです。

差別という罪を克服し、自分とは国籍が違う人々と共に生きる社会をどう築いてゆくのか、この聖句に照らせば私たちのとるべき道はおのずと明らかです。

白金通信2021年冬号(No.509)掲載

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