【聖書のことば】『新約聖書』　マタイによる福音書6章10節

御国が来ますように。御心が行われますように、
天におけるように地の上にも。

この言葉は、『主の祈り』としてイエス・キリストが弟子たちに教えられた祈りの一節です。「神の御国」、それは平和が確立した世界をイメージさせますが、地上では至るところから苦しみ呻く声が聞こえます。その状況を好転させるため人類が協力し合えない現実にあって、それでもなおこのように祈り続けよ、と主は教えられます。
キリスト教の祈りは、「父なる神よ」の呼びかけで始まり、「主イエスの御名」によって締めくくられます。赤ん坊が親を無条件で信頼するように、神を全面的に信頼して祈り、その祈りをキリストが執り成してくださることに委ねるのです。神は、そのように祈り続けることで我々自身が変えられ、御国完成のために益する者となることを信頼しておられます。

《み心が行われますように》
渡辺総一 作

白金通信2022年秋号（No.512）掲載