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コミュニケーションの鍵は「シンプル」

2025.02.13

「人と出会い、知ろうとすることは、必ずお互いのためになる」国際学部で学ぶ2人が大切にしている考え方です。今回は仲の良い友人同士である、国際キャリア学科のエイデンさん、国際学科の福岡さんにさまざまな角度から学生生活を通して感じていることを聞いてみました。人と出会うこと、関わることについて、2人はどう捉えているのでしょうか。

Aidan Fire ファイヤ エイデン 国際学部 国際キャリア学科 3年

アメリカ合衆国、ノースダコタ州出身。明学に交換留学生として留学したのち、編入学する。ミレニアム・フェローシップ2024(SDGsの達成を目指す学生リーダーを育成するためのグローバルなプログラム)の一員として聴覚障害の早期発見とその認知向上のための教育コンテンツの制作に携わった経験を持つ。趣味は筋トレ、料理、ベースを弾くこと。

Chihiro Fukuoka 福岡 千宙 国際学部 国際学科 1年

神奈川県出身。明治学院高校出身で、高校3年間は白金校舎に通っていた。横浜キャンパスは想像以上に自然豊かでギャップを感じている。音楽が好きでソングライツに所属し、自身はDJをしている。



留学の経験

― エイデンさん、交換留学のきっかけやその後編入学しようと思った理由を聞かせてください。

エイデンさん(以下、エイデン)
中学生の時から、どこに留学するかは分からないけれど、絶対に留学したいと思っていたし、そう信じていました。大学生になって、同じ大学の人が誰も行かないところに挑戦しようと思っていました。当時、日本とアメリカのハーフの友人がいて、その子のお母さんが日本食を振る舞ってくれたり、テレビ番組や映画、日本の文化をたくさん教えてくれたりしたんです。その経験と、日本語は習得が難しい言語とされているのですが、だからこそ挑戦したいと思い、日本に留学することを決めました。

交換留学中感じたのは、母国で学ぶより、海外で学ぶ方が楽しいということ。 正規の学生として3年次から編入できるチャンスがあると聞き、母国を離れて何年も勉強する機会なんてそうそうないと思ったので、目の前のチャンスを掴みにいきました。さまざまな人に協力してもらい無事編入することができました。

福岡さん(以下、福岡)
交換留学生から正規生になったと聞いていたけれど、そんな経緯があったのは知らなかった…リスペクトですね。

2人のコミュニケーション

― 2人はどのようにして仲良くなったのですか?

福岡
初めて会ったのはお昼ご飯を食べている時だっけ?日本語能力試験を控えているエイデンに、日本語を教えるタイミングがありました。その後インターナショナルラウンジで会って、自然と仲良くなり、今ではよく遊んでいます。共通の友人たちと一緒に箱根旅行に行ったこともあるし、ラグビーの試合を観戦する予定もあります。

エイデン
僕たちは横浜ベイスターズを応援していて、優勝までの全シリーズを一緒に観たよね。とても良い思い出です。日本語能力試験は文法、語彙、リスニングなどの項目があるんですけど、やはり難しいです。千宙は良い日本語の先生です。

福岡
エイデンは、難しい日本語を使ってどんどんコミュニケーションを取るんです。飲食店で店員さんに「滅相もありません」と言ったり(笑)。僕自身もどんどんコミュニケーションをとっていくタイプなので、僕にとってもエイデンは良い英語の先生です。

エイデン
留学前、日本人は少しシャイなイメージがありました。日本では見知らぬ人に話しかけるのは、失礼だったり変だったりするのかなって。でも留学してみて、想像以上に友達を作りやすかったんです。キャンパスで声をかけたり、バスの中で話しかけたりするだけで、たくさんの友達ができました。そのおかげで日本語が上達したと思っています。 おもしろい日本語をまとめているInstagramのアカウントがあって、それを見て新しい日本語を知り、堂々と使っています。「滅相もありません」のフレーズもInstagramで知りました(笑)。

国際学部での学び

― 国際学科、国際キャリア学科で学んでみてどう感じていますか?

エイデン
グローバルな視野を持っている人が多いと思います。自分の出身国のことだけでなく、自分の出身国が世界にどのような影響をもたらしているか、よく考えていますね。 日本や、日本以外の国とアメリカとの関係性についての話をたくさんしたのですが、とても深い話ができておもしろいです。

福岡
僕も同じです。ただ、良くも悪くも「日本人」的側面を持っている人も多くて、1年生ということもあり日本人で固まって話している人もいます。もっとコミュニケーションを取りたいですね。

エイデン
一番おもしろいと思った授業は「Japanese Society」かな。(福岡:分かる!) 日本の映画を観て日本の教育、社会やその背景を学び、日本人の学生と留学生のペアで ディスカッションする授業です。「千と千尋の神隠し」「時をかける少女」「デスノート」などを観たのですが、教科書に載っている日本語だけじゃなくて、日常会話で使うような日本語を学べたと思います。

福岡
留学生が日本語を学び、日本人の学生が英語を学ぶ場として、とても良いよね。 作品の伏線を探したり、考察したり、自分の意見を話さなければいけないから親しくなりやすいのかもしれないです。毎回ペアが変わって、そのペアでワークシートを完成させる必要があって、それもおもしろかったですね。

夢中になっていること

― 今夢中になっていることはありますか?

エイデン
どんどん人と関わることです。僕たちはいつか社会に出て、働くことになりますよね。関わり方は違っても同じ世界で一緒に働くわけじゃないですか。ある日突然、何か一緒に仕事をする機会があるかもしれない。だからネットワークを築くことは大切で、アメリカの学校でもそれが大切だと教わってきました。

福岡
エイデンととても似ていますね。将来必ず社会に出て働くことになると思うのですが、人と人をつなぐことができる人になりたいんです。「これ出来る人知っているよ」って。そういう働き方がかっこいいなと思っています。ただ、日本人、外国人に関わらず人に話しかけることが怖いという人はいますよね。

エイデン
人と関わることって、本当はシンプルで簡単だと思います。だって日本語を勉強して数か月しか経っていなかった僕ができたから。日本人と話す時に、「できるだけ日本語で話してほしい」と伝えて、最初は「いいね!」みたいな簡単な日本語と、英語をミックスさせながらコミュニケーションを取っていましたね。そんなに難しいことではない気がします。一度勇気を出すという経験をすれば、その後はやればやるほど簡単になると思っています。

福岡
日常生活のなかで、外国人と話す経験は日本人にとっては違和感かもしれません。 でも、一人ひとり価値観が違うので、コミュニケーションにおいて違和感があるのは当たり前だと思っていますし、一歩踏み出す勇気があれば良いですよね。留学生は皆、話しかけられるのを待っていると思います。そんななかで、僕は話しかける人でありたいですね。

大切にしていること、大切にしていきたいこと

― 将来のことはどんな風に考えていますか?

エイデン
明学に来て、人と人とのつながりの大切さを改めて感じています。大学のイベントに積極的に参加させてもらい、とても良い機会に恵まれていますね。 交換留学を経て編入学し、選択肢はあるし、まだまだ広げられる。そう信じていますし、そのために常にオープンマインドでいようと思います。

福岡
僕にとっても留学生に出会える機会があるのはとても嬉しいことです。いろいろな国の「普通」を知ることがおもしろいですし、それを知っていく自分に成長を感じています。将来は自分が持っている、フットワーク軽く人とつながれる部分を変わらず大切にし、エイデンと同じくオープンマインドで、楽しく生きていきたいですね。

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