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「ギャップ」はあっても問題ない!悔いのない学生生活の過ごし方

2019.12.19

入学前(理想)と入学後(現実)。受け止め方は人それぞれだが、ギャップに苦しみ、思うような学生生活を送れない経験をした方は少なくないはず。深澤さんの学生生活もその「ギャップ」に溢れているが、異なるのは全てを「楽しく」受け止め、昇華していること。 悔いのない、学生生活の過ごし方。シンプルながらも奥深い、この問いの答えとは。

深澤 留衣 国際学部 国際学科 3年 高校時代から強い関心を抱く「英語」「国際関係」「CA(キャビンアテンダント)」の3つに取り組むため、明治学院大学に入学。入学後はダンス、農業、ライブ活動、ミス明治学院コンテスト、キャンパスコンシェルジュと、ジャンルにとらわれず積極的に活動する。現在は大岩圭之助ゼミ(国際学部国際学科)に所属し、グローカル、環境問題について学ぶ。趣味は歌うこと。好きな言葉は「Make it count(今を大切に)」。

得意なこと、好きなこと

現在大学3年ですが、入学前はとにかくCA(キャビンアテンダント)になりたい!の一点張りでした。もともと人と接すること、人と何かをすることが得意で、何でも自分から手をあげて取り組むタイプ。人に頼られることに喜びを感じていましたし、それが自分の存在意義だと思っていました。

入学後にすぐに取り組んだことは友達作り。とにかく学生同士が仲の良い国際学科の雰囲気、そしてダンスサークルやアルバイトのおかげで人脈がどんどん増えました。日々の練習を重ねて白金祭(2017年11月)でダンスパフォーマンスを披露した時の達成感は格別でしたが、そこで気づいたのは「音」との向き合い方。ダンスサークルに入ったのは音楽が大好きだったことも理由の一つですが、高校時代にバンド活動(ボーカル)に熱中した自分にとって、身体を通じた作品の表現よりも、歌で表現することがより自分らしい、と気づくことができました。

歌うことに本格的に取り組み始めるより前に出会っていたのは、「農業」。学科の友人に、畑作りを一緒にやらないかと誘ってもらったことがきっかけです。自然が大好きだった自分に、やらないという選択肢はありませんでした。当時の畑は横浜市戸塚区舞岡町にあるかねこふぁ~むにあります。

これまで野菜作りはほとんどしたことがありませんでしたが、土起こしから始まり、ヤーコンにトマト、芋など、とにかくいろいろ作りました。慣れない作業で大変な思いもたくさんしながら作った野菜とともに大きな収穫だったのは、食の過程を知れたこと。土を作る。種をまく。手入れをする。作物が育つ。「生産」を細分化して経験できました。もちろん、その先の「食べる」ことも。野菜も料理もスーパーに行けばすぐに手に入りますが、野菜や料理そのものが出来上がるまでの背景は、自ら経験しないと手に入りません。この点は、昨今、話題となっている「食品ロス」にも密接な関わりを持っています。「食品を残さない」ことも大切ですが、「その食品はどこからやってきて、どんな人たちが作ってくれたのか」まで考え、その人たちの気持ちに寄り添うことができれば、食品にもより愛情をもって接することができるのではないかと考えるようになりました。ただ「楽しそう」と思ってスタートした野菜作りですが、環境問題、社会問題にまで考察を深める機会を得られたことは大きな幸運でした。

そして、もう一つの幸運が「White Goats Session」のメンバーに出会えたこと。「White Goats Session」は国際学部生、卒業生で結成されたグループで、神奈川県川崎市と横浜市戸塚区を拠点に活動しています。2018年6月にライブデビューし、ボーカルとしての活動をスタートさせ、現在も定期的にライブをしています。

農業×音楽×ミスコン。

当然ですが、やりたいことをすればするほど、時間も足りなくなってきます。昨年の7~10月ごろは、まさしく「時間が足りない」ことを実感する日々でした。理由は「明治学院ミスコンテスト」に参加したこと。ミスコンを主催する「広告研究会」に所属する友人から参加の誘いを受けたことがきっかけで、2018年5月にオーディションを受けました。ありがたいことにファイナリストに選ばれた同年7月から11月までの4ヶ月間は、学内外のお披露目会、取材/撮影、SNSの運用と怒涛の日々でした。授業、アルバイト、農業、音楽、ミスコン…。毎日本当に時間が足りなくて参りそうになりました。どうにかしたいと思って考え抜いてわかったことは、全ての活動を別々に考えてしまっていたこと。農業は農業の時間にだけ。ミスコンはミスコンの活動の時にだけ。こんな調子です。そこで、ミスコンのために運用していたSNSの投稿素材として農業と音楽の活動を取り上げてみました。これが自分にとって大きな気づきとなりました。農業や音楽の仲間たちがミスコンを応援してくれたり、ミスコンで応援してくださるファンの方々が農業や音楽活動を応援してくれたり。大袈裟かもしれませんが、効果もやりがいもトリプル効果でした。 ミスコンには全力を注ぎましたが、グランプリには選ばれませんでした。全力を注いだ分、悔しくて仕方がなかったです。その悔しさの根幹は、喜怒哀楽全てを支えてくれた仲間たちに結果を残せなかったこと。
「自分の自信は、周りの人たちに支えられてできている」
この気づきが、後の学びに大きく役立っていくことになります。

レイジーマン=怠け者?

ミスコンが終わった2018年11月以降は大岩圭之助ゼミ(国際学部国際学科)に所属し、グローカル、環境問題について学んでいます。

2019年8月20日から9月1日にかけて、タイ(ノンタオ村)とブータン王国に行ってきました。ノンタオ村で学んだことは「レイジーマン」という生き方。直訳すると「怠け者」という意味ですが、三つの軸があります。そそれは、「ありのままを受け入れること」「待つこと」「学ぶこと」。1970年から80年にかけて、ノンタオ村では、広い地域を開拓し、農地を作るために借金をして、必要な道具や種を揃えました。

農地で作った肝心の商品作物も売れずに借金が増えてしまったのですが、そこで日本の「自然農法」に切り替えたことで窮地を脱します。自然農法とは、農薬も肥料も極力使わず、自然に近い環境で作物を育てること。これまで私が知っていたのは、1~2種類のほどの作物を大量に生産する畑でしたが、自然農法の畑は良い意味で自然の姿。雑草だってたくさん生えていますし、均一に耕されてもいません。木も花も雑草も、動物も、全てを尊重すると「ありのまま」の姿になり、バランスが保てるようになります。それが「自然」であることを体感できた、貴重な経験でした。

ブータン王国で感じたことは、どんな人でも「器が大きい」こと。日本から来た私たちはいわゆるお客さんとして歓迎されていた部分もあるかもしれませんが、特に地元の方々同士のやりとりを見ていて感じたことです。例えば自分の家にいきなり人を連れてきたら、家族はびっくりするかもしれません。「いきなり連れてくるなんで非常識だ」なんて言葉が出てもおかしくはありません。けれども、その「常識」はどこまでの「常識」なのかと気づきました。二つの国から一番学んだことは、いかに自分たちが、自然によって生かされているか、ということ。お腹が空いたから食べる。暗いから寝る。ただ、ボーッとする。現地ではこんなスタイルで生活を続けて、自然に身を任せることで自分たちが自然の一部であることを体感できました。とにかく元気で明るく生活する現地の方々を見て、この体感が「良いこと」と素直に感じることができました。

この経験を含めた大岩ゼミの学びを皆さんと共有し、共にグローカリゼーションについて考えるイベントが2019年12月20日、21日に行う冬至キャンドルナイトです。

私たちのゼミが主催となって毎年行うこのイベントは、電気を消してロウソクを灯して、人と人、人と自然がつながるための「つながりなおし」をコンセプトとしています。マルシェとトークセッションとキャンドルアートで、来場者の皆さんとあたたかな時間を紡ぎたいと考えています。

ダンス、農業、歌、ミスコン、環境問題。

これまでの活動をキーワードで振り返ると、内容そのもののつながりはほとんどありません。ただ、これまでの学生生活を悔いなく過ごせているのは、全ての活動を「人」を通してつなげることができたからだと考えています。どんなことでも判断するのは自分。今しかできないことは学生生活の中には沢山あります。何にでも興味のあることは、挑戦してみる。やらないと自分に合うかも分かりませんし、やらないで後悔するより、やって後悔する方が自分も納得できる。 そうすれば、より充実した学生生活が過ごせるはず! そう確信しています。

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