「今を一番」にするコツ -私の大好きな街との関わりを通して-

2022.01.18

「高校生に戻りたいな」。そう思いながら過ごしていた2020年春。コロナ禍で入学し、異例の学生生活を過ごしてきた本城さん。今では、「今が一番」という言葉を大切に、学生生活を楽しみながら過ごしています。今を「一番」にするためには、どんな視点を持てば良いのでしょうか。

本城 凜 法学部 政治学科 2年神奈川県平塚市出身。学生広報委員。生協学生委員会でも活動。ひらつかスクール議会、平塚市観光協会学生サポーターとして、平塚市をPRする活動に力を入れている。 カメラが趣味。家族や友達の自然な表情を撮ることが好きで、色味を変えたりフィルム風にしたり、レタッチをすることも。飼っている2匹の猫と遊ぶときがリラックスタイム。

私って明学生になれているのかな

2019年の夏。明学のオープンキャンパスに参加し、スクールカラーの黄色いポロシャツを着た、キラキラの明学生を見てすてきだな、自分もそうなりたいなと思って入学を決めました。

そして2020年の春。高校の卒業式は実施されましたが、保護者の参加などは制限され、とても小規模な式でした。大学の入学式も式典が行われず、自分が大学生になった実感がないまま時間だけが過ぎていって。家でオンライン授業を受けている時、「私ってまだ高校生だよね?」と思ってしまったことが何度もありました。SNSでつながった友達とZoomでたまに話しても「この距離感は友達と呼べるの…?」と悩んだことも。高校生の時に見た、キラキラした明学生とはあまりに違う毎日に、現状を受け入れることが難しかったです。

時間が巻き戻せるなら

2020年の春頃の私には「大丈夫だよ」と声をかけたいです。なぜなら今、2021年の秋学期は、少しずつ対面授業が再開され、大学に通える日々を過ごせているから。朝早起きをして、寝癖を直し、メイクをして家を出ることが面倒なこともありますが、それすらちょっぴり楽しんでいる毎日です。入学当時は「高校生に戻りたい」と思うこともあり、そんな自分が好きになれませんでした。でも今では、「今が一番」だと思えるし、「今を一番」にするために、何気ない日々の楽しみや、ちょっとしたワクワクを見つけられるよう、過ごしています。

私がそう思えるようになったのは、生まれ育った平塚市とのかかわりにあると思っています。

幼いころ見た、空を埋め尽くす七夕飾り

高校1年生の頃。生徒会に所属しており、高校の代表として地元平塚の「ひらつかスクール議会」に参加することになりました。平塚市の高校の代表が集まり、「七夕委員会」「農業委員会」など色々な委員会に分かれ、他校の生徒と協力しながら平塚の課題を見つけ、解決策を考える議会です。

平塚市に生まれ育ち、幼い頃から大好きだった「湘南ひらつか七夕まつり」。空が見えなくなるほどの大きな飾りつけや、屋台で売られているお菓子や風船。大人はその飾りつけに手が届くけれど、私は背が足りず、届きませんでした。どこか憧れのような気持ちを持って参加していた湘南ひらつか七夕まつり。高校生になり、飾りつけに手が届くようになったころ、「ひらつかスクール議会」の「七夕委員会」の一員として湘南ひらつか七夕まつりにかかわることになりました。

そこで知ったのは、大好きな七夕飾りが減少しているという現実。商店街の利用客数の減少や、高齢化など、高校生の自分ではどうしようもない現状を目の当たりにし、少しショックを受けたことを覚えています。

気付いた、「平塚が好き」という気持ち

「七夕委員会」を経験し、その翌年は「農業委員会」に配属となりました。1年間の経験を経て、気付いたら、私は平塚市のために何ができるんだろう?と考えるようになっていました。「農業委員会」では後継者不足などの深刻な問題と直面しながらも、平塚の名産品である、いちごやきゅうり、お米など、今あるものをもっとPRする方法がないか?と考えました。

平塚市のWebサイトに特産品の特設ページを作るのはどうですか? 「米の食味ランキング」で最高評価の特Aをとった「はるみ」をふるさと納税の返戻品に入れてはどうですか? PRするための提案をたくさんし、実現されたものもありました。もともと平塚市に存在する価値や魅力をより良い方法で確立させる。自分にできることはこれだと確信し、活動を続けていました。自分自身がこの活動に真剣に取り組んでいることと同時に「私ってこんなに平塚が好きなんだ」と気付くきっかけにもなりました。

授業で見つけた新たな七夕まつり

政治学科に入学して、1年を通して履修した「入門政治学」。各自でテーマを決めて、政府刊行物や自治体の資料、新聞などを用いて2週間に1度レポートを提出する授業です。

選んだテーマは「湘南ひらつか七夕まつりの規模縮小化」。私が入学した2020年はちょうど湘南ひらつか七夕まつりが70周年を迎える年でした。戦後に始まったお祭りで、今まで一度も中止になったことはありませんでしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、史上初の中止となりました。  当たり前だと思っていたものが急になくなることで気付くことがたくさんある、そう感じ、テーマを決定しました。

ひらつかスクール会議の七夕委員会に所属していた時は、七夕飾りが減っているのは、商店街の利用客数の減少や高齢化が原因であり、それを悲しいことと受け止めていました。 ただ、入門政治学の中でレポートを作るにあたって、たくさんの関係者にインタビューをし、知ったことは、もし災害が起こった時に人々が歩ける動線を確保し、余裕を持って動ける空間を作るために七夕飾りを減らしているという側面があることでした。それを知ったときは自分の見えているものとのギャップに驚くしかありませんでしたが、「七夕まつりを楽しむみんなが納得して良い方向に進んでほしい」とも思えるように。七夕まつりと、七夕まつりを楽しむ人を大切にする気持ち、そこに平塚市の価値があるんだと感じました。

そう思うようになってからはレポート作成にもさらに熱が入り、どんどん説得力が増していったように思います。当時は授業のほとんどがオンラインでしたが、公開されたレポートに同じクラスのメンバーがコメントを残してくれたり、ほかのメンバーの頑張りを見て励まされたり…。そのおかげで苦しい時期を乗り越えることができました。授業を通して地元平塚市をより深く学び直すことができたことも、かけがえのない経験だと思っています。

価値を見つけるということ

「今が一番」。私が大切にしている言葉です。そう思えるのは、ひらつかスクール会議での活動や政治学科での授業を通して、平塚市の価値を見つけ続けてきたからです。これからの人生においても、今あるものや現状の中に価値を見出し、楽しむことができると思っています。

現状を受け入れたり、良い方向に考えたりするのは簡単ではないし、人によってもペースが違います。だからこそ自分の大切な人が困っていたり、悩んでいたりする時は、今の状況を一番良くするために何ができるか、一緒に考えられるような人間でありたいです。

将来はまだはっきり決まっていませんが、大好きな平塚市の魅力を伝える仕事をしたいと思っています。

数年後の自分にも、「私なら大丈夫、今が一番だよ」と伝えたいです。