スマートフォン版を表示

他者理解は、相手の理解、共感があってこそ。

2021.06.14

「自分の考えや気持ちってうまく伝わっているのかな」 こんな不安が頭をよぎる経験ってありませんか? 留学生たちとの交流、ゼミでのプレゼンテーション、長期インターンシップ。これまでの失敗と成功から「他者理解の大切さ」について身をもって学んだ今井さん。その学生生活に、不安を解くヒントが見つかるかもしれません。

今井 大貴 経済学部 経営学科 4年 鉄鋼業の会社を経営する祖父の影響を受け、将来の起業を目指し経営学科に入学。高校3年時に偶然出会った台湾の友人との交流がきっかけとなり国際交流に強い関心を持ち、大学1年時に「第16回日台文化交流 青少年スカラシップ」において作文優秀賞を受賞。台北の総督府を訪れて陳建仁副総統(当時)を表敬訪問した経験を持つ。経営学科 浜口幸弘ゼミ所属。好きな言葉は「シンクロニシティ」。

もっと知りたい。話したい

高校2年生の4月、異文化交流イベントのために台湾から30名ほどの学生が来日しました。双方の文化を紹介し、理解し合うことが目的のイベントですが、驚いたのは台湾の学生が日本の文化を大変よく理解していたこと。日本の食文化や行事、そしてコナンにワンピースなど、いわゆるサブカルチャーまで。一方の私は台湾のことを全く知りませんでした。台湾には親日家が多いということは書籍やネットで理解していましたが、体感したのはこの時が初めて。驚きとともに心の底から強い関心が湧き起こったことを今でも覚えています。

台湾のことももっと知りたい。話してみたい。そのために国際交流できる環境に身をおきたい。大学1年の春、留学生と一緒に過ごすことのできる明治学院大学学生寮「MISH」に入寮した動機はこの点です。カタコトの英語と身振り手振り。こんなコミュニケーションでしたが相手に気持ちや考えが伝わった時がうれしくて。語学力に自信のなかった自分ですが、不安よりも嬉しさと楽しさが勝っていたのでしょう。とにかく最高の1年半でした。韓国、中国、アメリカ、ベトナム。さまざまな留学生たちと行った新入生歓迎会やビンゴ大会は忘れられない思い出です。したいことがあれば、まずはやってみる。彼らと過ごした1年半で学んだ、シンプルで大切な経験です。

大切なのは「共感」すること

留学生たちと過ごした経験から学んだことがもう1つあります。それは相手の気持ちに共感することの大切さ。もっと話したい、相手に喜んでもらいたい。留学生たちとのやり取りは、こんな気持ちが原動力となり、足りない知識(語学力)を気持ちで補うことができました。この気づきは、3年次からスタートしたゼミの活動でも再認識する機会がありました。主に戦略と人工知能 AIについて学ぶゼミですが、企業の経営戦略や新規ビジネスに関する理解を深める観点から、「新規ビジネス創出」をテーマに「日本における垂直農業の可能性」について発表したこともありました。高層ビルや急斜面を使った農業を指しますが、人口密度の高い日本の都市部でも展開できるのでは、と考えました。ゼミ生が各自の仮説を踏まえ、市場や企業をリサーチし、SWOT分析などのフレームワークを踏まえて自身の考えを発表する。このような機会に多く恵まれたこともあり、当日の発表もうまくいき、着実に自信をつけることができました。

しかし、あるテーマでプレゼンテーションをしたとき、自分の考えがうまく伝わっていないと感じることがありました。「理解はできるけど、ちょっとなぁ」オンライン越しのゼミ生たちの表情からは、こんな様子が読み取れました。自分の主張に対する裏付けもしっかりできている。それなのにこの違和感はなぜだろう。悩んだ挙句に思い出したのは、自分の気持ちが伝わった時に笑顔になってくれた留学生たちの表情です。伝えることはできたと思っても、それが伝わったかどうかは別の話。相手の気持ちに共感することを忘れていた自分に気がつきました。 「このテーマを聞いたことはありますか?」「この提案についてどう思いますか?」「まだプレゼンテーションの途中ですけど、気になる点はありませんか?」 このような問いかけを増やしたことで、自分の考えが伝わったと実感できるようになりました。他者理解は、相手の理解、共感があってこそ。私がゼミで学んだ大切なポイントです。

悩み、考え、行動する

ゼミの経験を生かすことができた活動として、大学4年の4月まで注力したイベント運営企業での長期インターンシップが挙げられます。法人担当として、とある施設のワークショップスペースに出店いただくための提案営業を行いました。多い時は月70~80社ほどにアポイントを取っていたのですが、営業を始めた1~2ヶ月ほどは全くアポイントが取れませんでした。幸運にも3ヶ月目にして1社だけアポイントをいただけたのですが、その1社は過去にワークショップを実施した経験を持つ会社だったのです。逆に、私がこれまでアポイントを取ろうとした各社は全てワークショップ未経験。会話に例えると、初対面にも関わらず、相手が全く知らないことを好き勝手に話していたようなものです。時間はかかりましたが、ゼミの経験があったからこそ、この失敗に気づけました。その後は徐々にアポイントも増え、契約もいただき、ワークショップを開催できるまでに。お客様に説明する際は、こちらが当たり前と思っている専門用語は使わない。一方通行な説明を避け、都度、お客様の気持ちや意見を確認する。契約から開催までのお客様とのやり取りでも、このような点に気を配りました。

そしてイベント当日。何百人ものお客様がイベント会場にお越しいただけたこと。イベントの様子をメディアに取り上げていただけたこと。そして、お父さんの手を借りながら楽しそうにワークショップに勤しむ子どもたちの姿を見た時。悩み、考え、行動したからこそ得られた達成感は、自身の確かな成長に結びつきました。

卒業まで、全力で

台湾の留学生との出会い。MISHで過ごした1年半。ゼミにインターンシップ。活動内容はバラバラですが、それぞれの活動の気づきと学びがリンクした学生生活でした。同時に、論理的思考の知識や経験を深めれば深めるほど、相手を理解しようとする気持ちや想いが大切であることを学びました。残りの学生生活も他者理解を大切に、やりたいことを全部やり切って、笑顔で悔いなく卒業したいと考えています。