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こんなに考えたことなかった!「哲学対話」でゆっくり思考する

2022.01.12
川﨑 彩子
Ayako Kawasaki 川﨑 彩子 国際学部 国際学科 3年

プロフィール:
はやらないカフェの運営に2020年10月から参加。学外ではFridays For Future Tokyo / Japanのオーガナイザーとして、日本の気候変動ムーブメントにも注力している。

はやらないカフェにはこんな意味が?!

はやらないカフェは、コロナによってオンライン授業に移行した2020年春に始まった「哲学カフェ」です。初回から参加するたびに、「こんなに考えたことない!」というほど、脳みそが疲れる感覚を楽しんでいます。2020年10月、国際学部の林公則先生に誘っていただき、運営メンバーになりました。2021年度は、林先生・賴俊輔先生と国際学科4年生の金勇利さんと私で運営しています。

「哲学カフェ」という活動は、さまざまな地域や団体で行われているそうです。賴先生が明学でも始めたいと企画された時、林先生が「はやし先生の“はや”と、らい先生の“らい”を合わせた『はやらないカフェ』にしよう」と提案してこの名前になったそうです。

「はやらない」にはほかにも意味があるそうです。1つ目は「流行らない」。流行を追って賑やかさを追い求めるより、じっくりと考えられる場所であること。2つ目は「逸らない」。答えを出すことに「逸らず」、答えのない問いを「考える」ことを中心に据えて活動する。この2つをコンセプトにしていると伺いました。

哲学対話でゆっくり・じっくり考える

はやらないカフェで行っているのは哲学対話。哲学対話では、お互いの話を聞きながらゆっくり・じっくり考えることを目的としています。毎回「人間らしさとは?」「大人ってなんだろう?」などの問いを設定し、それについて意見交換を行います。参加者は国際学部生、他学部生、教員やボランティアセンターの職員、卒業生などで、幅広い年齢層やバックグラウンドの人と自由に意見を交わしています。

この活動には、「自分の経験をもとに考えを伝える」というルールがあります。ですので、それぞれの意見を聞く中で「一人ひとりを詳しく知る」ことができるのも魅力だと思います。例えば、先生方についても授業内では分からない趣味や学生時代のお話などを聞けて、とても面白かったです。先生方とたくさんお話しする機会をいただけたので、授業などでも質問しやすくなりました。

また、人の発言から自分の考えを客観的に振り返ることで、考えを深めることができます。最後には、生活している中で感じた身近な疑問を出し合い、問いを立て、次回のテーマを決めています。

初めて参加した方には「普段考えたことのない問いについて深く考えることができて新鮮だった」というような感想をよくいただきます。

対話の在り方自体に刺激を受けた

はやらないカフェで、私たち大切にしているのは「自由に対話する」こと。例えば、「意見を言わなければいけない」というルールはありません。自分の意見を話したい時はもちろん話して良いですし、話している途中に分からなくなってしまったら話を中断することもできます。そもそもほかの人の意見を聞くだけでも良いんです。強制されず、その人が話したいタイミングになったとき何でも言えるという環境が、参加者それぞれの深い考えによる対話を導きます。

特に印象的だったテーマは「自分らしさとは何か」。その回は就職活動をしている学生の参加が多く、大変盛り上がりました。自身にとっての「自分らしさ」と相手から見た「その人らしさ」が視点によってかなり異なることを実感しました。15人くらいの参加者の「自分らしさ」を聞き、さまざまな見方があることに気付きました。

哲学対話を知る前、授業などで話し合いをする機会もたくさんありましたが、自分がこれまでいかに深く考えずに発言していたか実感しました。「はやらないカフェ」への参加を通じて、身の回りで感じる疑問をそのままにせず、自分の中でもゆっくり考える癖をつけることができました。

普段の生活の中でも、「みんなと対話してみたら面白そう!」と、次回のはやらないカフェでのテーマを思いつくことも。今後も深く考えることができる時間を参加者とシェアできたらいいなと思っています。

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