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「1 Day for Others」をもっと知ってもらいたい

2016.08.05

ヘボン博士を知って、ここで学ぼうと決めた明学との出会いから、1日ボランティア・インターンシップを体験するボランティアセンターのプログラム「1 Day for Others」の中心メンバーとして取り組んできた3年間のこと。そして、いま目標に向けて動きだしている将来のことについて語ってもらいました。

佐藤春香(経済学部 経営学科 4年)
1年次よりボランティアセンターの横浜地域活動に取り組む。2年次からは、1日ボランティア活動を体験するプログラム「1 Day for Others」の運営委員チーフや、プログラムのリーダー学生として活躍。経営学科では、ドイツの文化や歴史などを学ぶゼミに所属。将来はドイツで暮らすことを目標に、ドイツについての理解を深めるとともに語学の習得に励んでいる。音楽や絵画も得意。4年生からはオルガン講座も受講中。今回の撮影で、手に持っているヘボン博士の絵は、佐藤さんの作品です。

明学との出会い。ヘボン博士に憧れて

明学のことは、高校の担任の先生から勧められて初めて知りました。進学先として考えるようになってから、ホームページなどで色々と調べていくうちに、創設者のヘボン博士について知って、無償で多くの方を施療したこと、辞書の編纂や教育にも力を注いだ、その数々の偉業に敬意と憧れを抱きました。

また、教育理念〝Do for Others”にも共感しました。私は福島県の出身で、高校1年生の時に東日本大震災を経験しているのですが、震災後、授業が再開されるまでの間、地域のNPO法人のボランティア活動に参加していました。その時の活動で感じていた奉仕の精神と、明学の教育理念“Do for Others” が一致して、この大学で学べたらいいなと思うようになりました。

東日本大震災を経験。地域とのつながりの大切さを知った

大学に入ってからもボランティアは続けたいと思っていました。震災直後の被災地では、支援物資の振り分けや情報伝達など、行政が上手く機能していない現状を目の当たりにしました。そんな中でも、震災前から地域の中で培ってきたつながりを生かして活動する民間団体の支援の力はとても大きくて。この時に、普段から地域とのつながりを構築していくことの重要性に気がつきました。大学に入って住むところが変わっても、その地域でつながりを作りたいと考えていました。
入学後、ボランティアセンターには、友人に誘われて初めて行きました。その時に、横浜地域活動のミーティングがあることを教えてもらい、実際に参加した後、活動することを決めました。

横浜地域活動では、当時8つの企画が動いていて、自分が興味のある活動に参加していきました。「MGVA」というボランティアサークルとボランティアセンター、ボランティアしたい明学生をつなぐ企画や、通学時のゴミ拾い「どうせ登校するなら」、戸塚区の子育て支援拠点「とっとの芽」でのボランティア活動などです。それぞれの活動で、地域に何度も足を運んだり、学生たちが何度も顔を合わせたりする機会をつくったりすることで、人と人とのつながりが強くなっていくことを実感、対面でのコミュニケーションの大切さを学びました。

「1 Day for Others」(以下 1 Day) には、2年生から参加しています。1Dayは、明学生が周辺のコミュニティ、NPO、NGO、企業などを訪問し、「1日ボランティア」「1日インターン」を体験するボランティアセンターのプログラムです。60以上のプログラムには、それぞれリーダー学生がいて、訪問先の企業やNPOの方たちと一緒に当日の活動内容の企画・準備や参加する学生たちのまとめ役をしています。1Dayへの参加を決めた時に、プログラムのリーダー学生をやってみませんかと声をかけていただいて、自分の成長にもつながりそうだなと思ったので、挑戦してみることにしました。

ボランティアのイメージが変わった

初めてリーダー学生として参加したプログラムでは、株式会社セールスフォース・ドットコムという会社を訪問しました。この会社には、労働時間の1%でボランティア活動をしようという取り組みがあって、社員の方が定期的に参加しているボランティア活動に学生も参加させてもらいました。プログラムの企画段階では、「仕事をしながらボランティアするということがどんなことか詳しく聞きたい」と学生の視点で意見を出したりして、当日は社員の方にお話ししてもらう時間やランチをしながら交流する時間を組み込んでもらったりしました。企画に携わる中で、社会人の方ともしっかり話ができるようになりましたし、メールの書き方などビジネスの作法も覚えたので、社会勉強にもなりました。

このプログラムでは、社員のみなさんがボランティア活動を「楽しいからやってみよう」「やっていることが自然と社会貢献につながっていた」という視点でとらえていたことが印象的でした。ボランティアって、「善いことをする」とか「社会貢献をする」というイメージが先行すると思うのですが、自分自身がやりたいと思ったことをやる、楽しみながら活動に取り組むという視点も伝えられたら、ボランティアのイメージも変わっていくかもしれないと感じました。

「1 Day for Others」をもっと知ってもらいたい

1Dayはいいプログラムなのに知らない学生が多くて、広報活動が少し地味だなと感じていました。3年生で1Dayの運営委員になって、何かできないかなと思い、その年の最初の会議で広報案を提案しました。ただ内容が奇抜過ぎて…。実現には至らなかったのですが、その時の提案企画書がいい意味で踏み台になって、その後の広報活動につながっていた部分もあったと思います。

その年からは、運営委員で広報活動をするときには、どうしたら学生に伝わるかを考えて、色々と工夫するようになりました。チラシなどで使うキャッチを作ることになった時も、ボランティアで自分の世界が広がるというイメージや、自分にとっても楽しいことであるというイメージを伝えたいと、みんなで意見を出し合いました。最終的に決まったキャッチは、「踏み出せ!未来への第一歩」でした。

その他にも、SNSでの発信やビラ配り、昼休みの相談会なども開催して、地道に広報活動を続けた結果、前年比20%を超える参加者増につながりました。当時の運営委員は6人だったんですが、広報期間は、毎晩LINEでやり取りしたり、週1で話し合いをしたり、まさにチーム戦でした。全プログラムが終わった時の達成感はすごかったです。

将来はドイツへ。世界でいろんなことを吸収したい。

高校時代に修学旅行でドイツを訪れたことがきっかけで、その空気や生活・労働環境、住み心地のよさ、歴史、文化、芸術的な感性を刺激されるような雰囲気に興味を持ちました。大学では第二外国語としてドイツ語を専攻して、3年生の夏休みにはドイツへの語学留学も経験しました。ゼミでも「ドイツの環境政策」について学んでいて、今はドイツ語検定試験に向けて勉強中です。いつかドイツで働きながら生活することが目標です。

この先、日本だけにとらわれず、世界からもたくさんのことを吸収していきたいです。ボランティア活動で得た人と人や地域とのつながり、国境も人種も言語も時代も超えて働く普遍的なボランティアの精神、大学で学んだことを活かして、世界に視野を広げながら、自分がありのままに一生懸命に取り組む中で、それが自然に人のためになっていくようなことができたらいいなと思っています。



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