目次
不安の中で再開&スタートした大学生活
――この1年、どのように授業を受けていましたか?
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野口由芽さん
(以下、野口)私が今年度履修したのはゼミと学芸員資格の授業だけで、秋学期からはどちらも対面授業になりました。図書館が再開してからは、そこで卒論を書いていました。
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中根 崚さん
(以下、中根)僕の場合、授業は今もオンライン中心で、ゼミも対面は月1回だけ。ゼミ自体は学びが多いですが、仲間との距離感はあまり縮まっていないかもしれません。
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平田真一さん
(以下、平田)僕も、授業はほぼオンラインです。
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佐藤里桜さん
(以下、佐藤)私は入学式もオリエンテーションもなく、履修登録も自力で行なったので、正しく登録できていたのか不安でした。入学前から楽しみにしていたフランス語の授業も、先生やクラスメートとの初対面は画面越し。不思議な感覚になかなか慣れず、緊張しました。
――オンライン授業の質はどうですか?
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中根
学生数が多くても一人ひとりに発言機会が与えられて、主体的に学べたZoomの授業がありました。
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平田
双方向のメリットを生かして学生の発言を促し授業を盛り上げてくれる先生はいましたね。僕自身はオンライン授業が好きです。必要に応じてその場で調べて記述できるテストの形態も自分には合っていて、成績も上がりました。
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佐藤
私は専攻がフランス文学なんですが、同じ語学の授業でも、先生によって授業の形態や内容が違うんですよね。Zoomの授業だと発音練習もしてくれたり。
――授業内容以外に感じた、オンラインのメリットはありますか?
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野口
移動がなくなって、履修できる授業数が増えたという声も聞きました。個人的には、ヘアメイクが不要になったことが大きなメリットです。明学女子はオシャレに気を遣うから、外出準備に時間がかかるんですよ(笑)
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平田
僕は空いた時間で英語を勉強したら、TOEICの点数がアップしました! もちろん、スマホゲームをするような息抜きの時間も増えました。
サークルや学外での活動も軒並みストップ
――サークルやボランティアなどの学外活動に変化はありましたか?
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中根
海岸清掃と子どもに勉強を教える学外サークルに入っていますが、前者は活動休止。後者はオンラインで続けています。
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平田
「MGオリンピック・パラリンピックプロジェクト実行委員会」の一員なんですが、多くのイベントは残念ながら中止に。新入生の勧誘も思うようにできませんでした。佐藤さんは何かサークルには入りました?
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佐藤
対面の勧誘がなかったので入りそびれてしまって、春学期中は「出遅れた…」と悩んでいました。でも自分から動こうと思って、秋から学生生活全般に関する情報を発信・サポートする「キャンパスコンシェルジュ」に参加しています。先輩とのつながりができ、キャンパスのこともかなり知ることができました。
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野口
新入生が自ら門をたたくのは勇気がいるよね? その経験はきっと今後に生きると思います!
公私のコミュニケーションはオンラインを活用
――友だちや先生方とは、どうコミュニケーションを取っていますか?
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野口
友だちとはSNSでお互いに生存確認してました(笑)。寂しさに耐えられない時は、「そっちに行ってもいい?」と、「あつまれ どうぶつの森」で相手の島を訪ねたり。先生への質問や連絡は、学習管理システムの「manaba」を活用していましたね。
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佐藤
入学当初は関西の実家から授業に参加していたので、友だちができず不安でした。秋学期にやっと週に1・2コマだけ対面授業が始まり、そこで初めてクラスメイトや先生に会うことができ、少しずつ人脈が広がっていきました。ポートヘボンのお知らせや明学公式SNSの情報をキャッチすることも心がけていました。
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平田
コロナの感染状況が落ち着いていた時期は、近くの人と出会える「Meetup」というアプリでフットサル仲間を見つけて、体を動かしていました。最近は友だちとおのおのの自宅から映画を同時視聴していますね。離れていても感動を共有できるのがうれしくて、「やっぱり人間一人じゃ生きられないな」って感じます。
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中根
僕は友だちとよくオンライン勉強会をしています。親しい間柄とはいえ、人の目がいい縛りになって集中できるんですよ。朝の9時から夕方の5時まで勉強して、その後はみんなでくだらない話をする。そうすると、楽しくて勉強の疲れも忘れられます。
リモート面接で試行錯誤。早めの就活対策も
――就活についても教えてください。
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野口
去年の春の緊急事態宣言期間中は、選考が本格化していた時期。当時のオンライン選考は、みんな右も左も分からずにカオス状態でした(笑)。画面には学生が何十人もズラリ。グループ分けされただけで指示もないなか、「じゃあ30分話し合って」といった具合で。電波状態が悪くて、自己紹介中に突然画面から消える人もいました。それを見て「接続環境を整えなきゃ」と、大学からの緊急支援金*でWi-Fi端末を買い換えました。
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佐藤
面接は何を心がけましたか?
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野口
まずはリモート面接を通過しない限り、自分の良さを存分にアピールできる対面面接には進めません。だから、リモート面接では「自分の見せ方」を考えてました。相手に目線を向けて大きく頷いたり、“画面越しで見た自分の顔”を意識して、面接で使うカメラを鏡代わりにメイクしたり。その甲斐もあってか、無事内定をもらえて、内定先からも「オンラインの印象が良く、実際に会ってみたかった」というお言葉をいただきました。コツをつかめば交通費や移動時間が不要になる分、東京と地方の企業の両方の選考を受けられるなど、リモート面接のメリットも感じましたね。
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中根
僕はこれから就活なのでエントリーシートの記入や、オンライン説明会の申し込みをしています。ただ、学内の友人とは情報交換できるものの、他大学の学生動向が分からないのは不安です。
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野口
コロナ禍でこれまでとは状況が一変してしまった今、不安を感じるのは当然ですよね。でも就活に関しては、キャリアセンターに相談すると、親身になって相談に乗ってくれますよ。平田さんは2年生だけど、就活は意識してる?
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平田
実は去年の9月から、アメリカに留学予定だったのですが、コロナでキャンセルになってしまって…。でもそこで気持ちを切り替え、今は就活に向けてできることを始めました。インターンはもちろん、面接で畏縮しないよう、社会人の方とオンラインでディスカッションしています。
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野口
すごい! オンラインで意見を言う力は面接に必須ですからね。3人ともすでに、このオンライン座談会で堂々としてるから、心配ないと思います!
コロナ禍でもできることに取り組んでいきたい!
――最後に、今後の抱負や目標も含めて、記事をご覧の皆さんに伝えたいことを!
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野口
最終学年の1年は本当に大変な年になってしまいました。でも、図書館閉館中も卒論執筆に必要な蔵書を無料で家に届けてくれたり、学芸員の実習先が閉鎖された際、明治学院歴史資料館で受け入れてくれたり…。明学は本当に学生に優しい大学だと伝えたいです!
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中根
入学以来、一緒に学んできた仲間と直接会えないのは寂しいですが、SNSなどでつながりは保てています。大学で培った人間関係を糧に、この難局も乗り越えていきたいです。
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平田
コロナのせいであれこれできないと嘆かずに、できることを見つけて取り組んでいきたいです。やりたいことは僕の中にしっかりとあるので、それを実現できるようにコツコツ進んでいきます。
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佐藤
人と会えなかった分、たくさんの本を読んだり、趣味のコンテンポラリーダンスの振り付けをしたりすることで、自分の内面を見つめ直した1年でした。今年は先生や友だちと直接キャンパスで会い、自由に会話がしたい。キャンパスコンシェルジュとしては、不安を抱える新入生に寄り添い、支えられる存在になれればと思っています。
*注釈
本学は、2020年にオンライン授業実施に伴う学修環境整備の負担軽減のための緊急支援金(一律5万円)を、在学生全員に支給しました。