- ソイヤド ナフィウル ラハマン 法学部 政治学科 4年 国籍はバングラデシュで、日本生まれ日本育ち。2023年度は白金祭実行委員会の企画局幹部として活動し、学業では成績上位者に与えられる明治学院大学学業優秀賞を受賞。趣味は散歩。目的を決めずに知らない道を「何も考えずにフラフラ歩く」のが好きで、未踏の地があると気になってしまい時間を忘れて歩き回ることもしばしば。最近はハンバーガー屋巡りにもハマっていて月に1度、自分へのご褒美として美味しいハンバーガーを求めて街を散策している。
小さい頃から周りを楽しませるのが大好きだった、と語るソイヤドさん。大学のイベントを盛り上げる活動を続けるなか、学業優秀賞を授賞しました。課外活動と学業を両立する工夫とはどのようなものでしょうか。ソイヤドさんの学生生活をご紹介します。
小さい頃からイベントや学校の行事が大好きでした。記憶にあるのは「1/2成人式」(20歳の半分である10歳を祝うイベント)で、小学4年生の時に実行委員へ立候補し、企画を任されることになりました。テレビ番組などを参考に、プログラムや台本を同じクラスの友人と作成し、式当日は両親を学校に招待しました。練り上げた台本のおかげで、「1/2成人式」は大いに盛り上がり、両親や友人が楽しそうに笑う姿を鮮明に覚えています。周りのみんなが喜んでくれたことが、何よりも嬉しかった。振り返ってみれば、これが自分の原点であり、「周囲を楽しませることが、自らの幸せにつながる」と気づいた瞬間だったのかもしれません。
高校3年生の時(2020年)新型コロナウイルスが流行し、政府による様々な制限が設けられました。学校のイベントのほとんどは中止になり、生活は一変。そうした状況の中で、自然と政治に興味を持つようになりました。コロナへの対応は国によって様々で、ロックダウンする国や逆に行動制限を設けない国もあり、政治家の決定が多くの人々の生命や生活に影響を与えたことから、政治が「生きる上で欠かせないもの」という認識が芽生えました。また当時、海外ではポピュリズム政権が台頭し、混沌とした情勢があったことで、さらに自分の政治への興味・関心を強く刺激しました。この時期から、大学で政治を学ぶことを考えるようになりました。
進路を模索する中、明学のことは知っていましたが、名前は聞いたことがある程度でした。そんな中で明学に興味を持つきっかけとなったのは「明学の理由。」のインタビュー動画。グローバル法学科の礒元メリッサ瑠奈さんのインタビューを見て「学びたいことが学べる、やりたいことができる。自分も自由で充実した学生生活を送りたい。」と強く憧れ、これを機に明学のことを調べるようになりました。
明学には多様な文化や価値観を受け入れる環境があり、何より教育理念である“Do for Others(他者への貢献)”は、人を楽しませることが好きな自分にとって共感できるもので、ここで自分らしく充実した大学生活を送りたいと感じました。
政治学科は特に自由度の高いカリキュラムが魅力的でした。新入生の入学をお祝いする学科主催のフレッシャーズキャンプなどは学生主体で運営されていて、自主性の尊重や実践的な学びが用意されていることで、問題解決力や人間的な成長もできると感じ、政治学科への入学を決めました。
入学後はまず、自分の好きなイベントで大きなスケールの企画に挑戦したいという思いから、迷わず白金祭実行委員会に入会希望を出しました。白金祭実行委員会は11月に行われる白金キャンパスの学園祭「白金祭」を企画・運営する団体で、約200名のメンバーで活動しています。主に広報局・総務局・企画局・運営局の4部署から構成されており、私は企画局で「お笑いライブ」や「フィナーレイベント」「アーティストライブ」などのイベントの企画運営を担当しました。1年をかけて学園祭を作り上げていく、その過程では予期せぬ困難や悩みに直面し、時にはうまくいかないこともあります。その一つひとつをメンバーと乗り越え、最後までやり遂げた際の達成感は言葉では表せないものです。
白金祭実行委員会での活動を進める中、「周りを楽しませることが好き」という自分の気持ちが再び湧き上がります。明学入学の決め手になった政治学科のフレッシャーズキャンプの企画・運営にも立候補し、参加。友人の後押しをうけ「やらない後悔より、やって後悔。」の精神で、2年次後半から3年次にかけて白金祭は企画局幹部、フレッシャーズキャンプは実行委員長の2つの役職を兼務することにチャレンジしました
2つの責任ある立場を任され、ますますやることが増える中で、自分では手が回らない状況も出てきてしまいました。そんな時に初めて、他のメンバーに頼ることの重要性を学びました。リーダーにはチームを引っ張るリーダーシップが求められますが、その認識もありつつ、逆のアプローチを取りました。リーダーとメンバーがフラットな関係を築き、風通しの良い環境を作ることで「リーダーがメンバーを頼り、メンバーがリーダーを頼る」という関係性を追求することにしました。一人で問題を抱え込むのではなく、お互いに支え合う関係があったからこそ、一人では困難だった多くの業務も無事に遂行できたのだと思います
3年次の春学期、忙しい課外活動の合間に、学生課より学業優秀賞候補者に選ばれたお知らせが自宅に届きました。正直に言えば、「え?自分が?」というのが最初の感覚でした。たしかに、授業にはしっかり出席し、レポートも真面目に提出していましたが、普段から徹底的な予習や復習といった学習方法を取っているわけではなく、課外活動で忙しくしている自分が受賞できるものとは思っていませんでした。
ただ、今振り返ると、忙しい中でも「授業で理解できないことがあれば、家に持ち帰らずに、授業後に先生に直接質問して解決してから帰る」という習慣を身につけていたことが良かったと感じます。大学の先生はどことなく近寄り難く、少し遠い存在のように感じてしまいますが、それは先入観で、話してみると実際は気さくで熱心に対応してくださる先生ばかりです。先生とのつながりができるとその授業が楽しくなり、さらに興味関心を持って授業に臨むことができ、また次の疑問・探求につながる。こうして先生に限らず、学内で人とのつながりが増えていくと、学校生活がどんどん楽しくなっていくことを実感しました。私の場合は、人とのつながりを経て最終的に学業優秀賞へ結びついたのかもしれません。
白金祭などの経験を通じて、多くの人に喜んでもらうこと、楽しい時間を共有することの素晴らしさを学びました。将来的にはエンターテイメント業界でのキャリアを目指しています。エンターテイメントを通して多くの人に楽しい、心豊かになる体験を提供することが私の目標です。幼い頃から持ち続けてきた「周りの人たちを楽しませたい」という思いは、これからも変わらないですね。
大学生活はまだ1年残っていますが、これまで多くの方々に支えられ、充実した時間を過ごすことができました。その恩返しとして、社会人になっても「周りの人たちを楽しませる」ことを貫いて、いつか明学に貢献できる日が来ることを願います。