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面白い人生にしたいから、自分色で「イエス」を

2025.06.18

「死ぬまでにできるだけ知らないことを減らしていきたい」と語る髙柳さん。大学生になり新しいことへの挑戦を通じて多くの人との出会い、自分自身の強みにも気づくことができました。これからワーキングホリデーにも挑戦する髙柳さんのこれまでの経験についてお話を伺いました。

髙柳 はな 文学部 フランス文学科 3年 群馬県出身。高校生の時、コロナ禍の自粛期間の中でギターの弾き語りを毎日練習し、どんどん楽しくなった今ではSNSで配信することも。音楽サークル「Acoustic Minds」に所属しライブも行っている。いつも明るく面白いことが大好きだが、落ち込んだ時は音楽に助けられている。海外の映画を見ることが好きで、一番のお気に入りは『マイ・インターン』 (The Intern)。

海外の文化に興味を持ち始めた幼少期

小学生の頃、NHKで放送されていたアメリカのキッズ・コメディー『アイ・カーリー』 (iCarly)にハマり、そこから海外の文化に興味を持ち始めました。両親も映画が好きで、海外映画を一緒にたくさん見たことも影響しています。日本語吹き替えから字幕で見ることが好きになってきて、次第に「英語で聞き取りたいな」と思うようになりました。

その後語学研修があり、修学旅行先も海外という高校へ進学したものの、コロナの流行期と重なり全て中止となってしまいました。行動が制限される中で世界中の人とやりとりができるアプリの存在を知り、そこから毎日のようにさまざまな国の人とチャットやビデオ通話でコミュニケーションをとるようになりました。当時マレーシアの友人ができたのですが、「今日は夜ご飯を食べられない期間だからお腹が空いた」という会話があり、そこからイスラム教にはラマダーンという期間があること、豚肉を食べてはいけない決まりがあることを知りました。このようにコミュニケーションを通じて多様な文化や価値観に触れることの楽しさを知り、高校では理系を選択していましたが、大学では言語を学びたいと思うようになりました。

フランス文学科との出会い

当初大学で英語を学びたいと考えている中、高校の先生から明治学院大学をすすめられました。一方で映画やアート、ファッションにも興味があったため、文学部にある英文学科・フランス文学科・芸術学科の3つでとても迷ってしまいました。 その中でフランス文学科はフランス語をツールにして、思想や演劇、映画や音楽といった幅広い分野を自由に学ぶことができると知り、言語だけでなく芸術にも興味がある私にとって魅力的な学科であると思いました。

高校生の頃はまだ自分が何をしたいのかもわかっていなかったので、研究する内容を入学後に考えることができる時間があり、3年次から卒論に向けて学びを深めていくことができるようなカリキュラムも決め手でした。また、1・2年次に通う横浜キャンパスの緑が多く朗らかな雰囲気であることも、自然が好きな私にとっては馴染みがありました。

フランス語と「戦う」日々

大学に入学後、初めてフランス語の勉強をスタートさせましたが、フランス語は文法上の例外も多く、覚えることばかりでずっと勉強不足のような感覚に陥っていました。先生の真似をして発音をしようとしても同じようにできず、ついには自分で笑ってしまったこともありました。それでもフランス文学科は少人数クラスで、先生はフランス語習得の難しさに共感を示しながら親身になって教えてくださいました。日々友人たちと一緒にフランス語と戦っているような気持ちで勉強をしていましたし、夜の8時まで大学の図書館に残っている時もよくありました。大変でしたが、そうした苦労も今では楽しかったなと思っています。

フランス文学科の先生方は優しくてユーモアがあり大好きです。ある先生が「自由を求めるためにフランス語を学ぶ」という話をしてくださったとき、自由に学びたくて選んだ学科だったからこそ、ここを選んで正解だったなと感じました。

今では先生から声をかけていただき、フランス文学科を高校生に紹介するための動画制作に取り組んだり、ワイン講習会やフランスのお菓子講習会など、定期的に開催されているイベントに参加したりして楽しんでいます。明るくてフレンドリーな雰囲気の学科です。

Meiji Gakuin Contest(明治学院コンテスト)2024での経験

Meiji Gakuin Contestは白金祭で行われる、テーマに沿った発信力を競うコンテストです。同じサークルの先輩が出場していた様子がかっこよく楽しそうに見えたことがきっかけで、私も応募しました。「死ぬまでにできるだけ知らないことを減らしていきたい」と思っていて、コンテストに出場したら面白い人生になるかも、とも思いました。 結果的にグランプリを受賞できたことも嬉しかったのですが、出場したことで「こんなにたくさんの人が自分を応援してくれていたんだ」と気づけたことが一番嬉しかったです。 フランス文学科の先生方も応援してくれましたし、あまり話したことがなかった学科の人が応援の言葉を掛けてくれたこともありました。支えてくれる人がたくさんいることを実感し、特別な経験でした。

私は人と新しいコミュニティをどんどん作っていくことが好きなんです。自分と全く違う価値観や考えを持っている人と話すことがすごく楽しいと感じるんですよね。

自分の色を出すことができた

大学生になり、まずは服装や髪型といったファッションで自分の個性を出せるようになりました。さらに多くの人と出会う中で自分ではいいところだと思っていなかったことも、ほめられることが増えて自信を持てるようになりました。初対面の人と楽しく話せることも、弾き語りの自分の歌声も、さらに言えば魚を捌けることも、マニュアル免許で自動車を運転できることも、大学で出会った人に「それってすごいね」と言われて初めて自分の強みだと思えるようになりました。さまざまなことに挑戦する中で自分の色を出していったからこそ、周りは気がついてくれたのだと感じています。

もちろんよいところばかりではなくウィークポイントも自覚しています。とくにMeiji Gakuin Contestの際は他の出場者と自分を比べてしまうことがありました。「人と比べたくない・人の目を気にしたくない」と思っていても落ち込んでしまったのです。そういう時はまず自分に言い聞かせて気持ちを切り替えるように努力し、辛いことがあっても話のネタにして面白おかしく人に話すようにしています。

ワーキングホリデーへの挑戦

私は今年休学をして、6月からカナダのケベック州にあるフランス語と英語が公用語のモントリオールへワーキングホリデーに行く予定です。留学ではなくワーキングホリデーを選んだ理由は、仕事をしながら、現地に住む幅広い年齢層や国籍の人々と出会い、コミュニティを一から築いてみたいと思ったからです。コミュニケーションを取りながらさまざまな文化に触れ、その土地の名所にも行けたらと考えています。

最初の1カ月はホームステイをしながら語学学校に通うのですが、その後は自分で家や仕事を探さなくてはいけません。携帯電話の契約や銀行の開設も全部自分自身で行います。仕事探しも履歴書をメールで送るのは失礼にあたるため、希望の仕事先へ手配りしなくてはいけません。今は現地で配るための履歴書を事前に用意し、オンライン英会話やフランス語の勉強をして準備を進めています。

受験生に伝えたいこと

周りの目を気にせず自分のやりたいことを貫いて欲しいなと思います。身の丈に合わないと感じてもどんどん挑戦してみてください。私はいろいろなところにチャンスがあると思っているのでどんなことでも「イエス」と言うようにしています。そして無理して人と付き合う必要はなく、尊敬できる人、好きな人と過ごしてほしいですね。

ワクワクを人に届けたい

将来は自分の個性やユーモアが出せるような場所で働きたいと考えています。広告や編集、映画などに興味があり、ワクワクするようなものを人に届けて笑顔になってもらえるようなことがしたいです。まずはカナダでのワーキングホリデーを通して新しいことにどんどん挑戦し視野を広げていきたいと思います。SNSを活用して音楽や現地での生活や気づきを発信し、できるだけ多くの人と「好き」や「楽しい」を共有できたらいいなと思います。

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