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オルガン講座発表会を終えて

2001年度

横浜キリスト教週間の催し物として5月24日の午後に行ったオルガン講座の発表会は楽しいひとときとなりました。この日のために一生懸命練習してきた学生達、友達の演奏を聴きに来てくれた学生など多くの人がチャペルに集まり、礼拝とはまた違ったオルガンの音色を楽しむ事ができました。
横浜校舎専任のオルガニスト山本由香子さんと、今回オルガン講座発表会に演奏した学生の感想を掲載しています。

オルガンの楽しさ オルガン講座の発表会を終えて 山本由香子(オルガニスト)

オルガンの面白さ、楽しさのひとつは“音”にあると思います。
オルガンの音は、空気によって鳴ります。空気はいろいろな形をしたパイプを通り、あるいはリードを震わせて、パイプの管を振動させさまざまな音になって私たちの耳を楽しませてくれます。とても自然な音が、風のように伝わってきます。それは小鳥がさえずるようにかわいい音だったり、誰でも知っている、J.S.バッハのトッカータとフーガ ニ短調のように人をアッと思わせるような音、またやさしい音色、厳かな音色だったり。音の組み合わせ方によって、さまざまな音色が聞こえてきます。オルガン奏者は、その音を作る作業を演奏する前に行います。どの音にしようか、とても迷うことが多々ありますが、これもまた楽しい時間です。

横浜校舎のオルガンは奏者の左右に、ストップと呼ばれるノブがあります。ここのオルガンは、ペダル鍵盤と二つの手鍵盤にそれぞれ専用の12個の音色のストップがあります。またそれらの鍵盤をつなぎ合わせる、カプラーと呼ばれるストップが3つあります。そして実際に音はでませんが、音を少し振るわせるトレモロというストップがあります。それらを組み合わせて、音作りをします。作曲者や、年代によって、大体の音の作り方は決まってきますが、大きなオルガンになればなるほど、その選択はさまざまになり、奏者の個性も出てきます。

また、自分のイメージした音が、なかなか見つかりそうで見つからないということもあります。プログラムの組み合わせによっても、同じような音が、続かないようにと思ってみたり、演奏前にいろいろなことを考えます。一つ一つの音色の違うストップを組み合わせて一つの音にすることは、たくさんの人が集まって歌う合唱のようです。大きなオルガンになると、鍵盤ごとにパイプの並んでいる場所も違うので、聞こえ方も座る場所によって違ってきます。オルガンの設置されている会場自体が、一つの楽器という感じがします。また、“音”の特徴として、鍵盤を押している間はいつまでも音が鳴り続きます。ということは、鍵盤からの離し方ひとつで、音楽のニュアンスを伝えられる楽器です。

オルガン講座の発表会では、受講生の皆さんと音作りをしました。それぞれの方が、自分の音を探しました。オルガンと真摯に向き合っていくうちに、オルガンの音が楽しげに鳴っていき、聞いている私たちまで嬉しくなるような音楽をすることができたらと、願っています。全部の鍵盤を使ってそれぞれの鍵盤で違うストップを組み合わせて、一人で合奏のように弾いた人、たくさんのストップを使って大きな音で大合唱のように弾いた人、可愛い音でクリスマスの曲を弾いた人。弾き方、音色によって、オルガンはさまざまな感覚を私たちに与えてくれるとても楽しい楽器です。

岡田朋子(英文学科2年)

いつもは厳かな雰囲気のチャペルに、その日はなんだかあたたかな空気が流れているような気がした。オルガン発表会本番では、自分の弾くメロディーに耳を傾ける余裕をもてなかったけれど、練習の時にはチャペルに響くオルガンの音色が自分の心を洗い流してくれるような気がしていた。みんなの一年間の練習の成果を発表する、このオルガン発表会には、教授や生徒などあまり交流のない人が集まり参加していた。音楽とは人と人との垣根をとり払い一緒に楽しむことができる本当に素晴らしいものであることを再確認した。音楽を好きな人同士が集まり、音色をたしなむ。そんな機会を与えてもらいうれしく思います。山本先生、一年間ご指導いただきありがとうございました。がんばりますのでこれからもよろしくお願いします。来年の発表会でまたチャペルに音色を響かせることができるように。

新千紗(国際学科4年)

就職活動中で大学には週1回来るか来ないかという状況、つまり練習不足は否めず完璧とはいかなかったけれど、発表会に参加でき最後まで弾き通すことができて、ホッとしています。片道2時間かけて、授業のない日にも、時にはスーツででも練習に通ったのは無駄じゃなかったんだ、と感無量です。
入学してすぐ始めてもう3年以上経つのに不真面目でちっとも上達しませんでした。でも、発表会という目標ができたことで、しかも自ら選曲したこともあって、心機一転、私なりに努力したつもりです。
"私なり"のマイペースすぎる努力に根気強く、そしていつも優しく指導してくださった山本由香子先生には感謝してもしきれません。本当にどうもありがとうございます。


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