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オルガン講座発表会を終えて

2007年度 横浜校舎オルガン講座発表会感想文

原 咲子 国際学科4年生

 「自分の音を聴いていたい」
 大学1年から始めたパイプオルガン。こう思えたのは、今回の発表会が初めてだった。
 10年以上のピアノ経験がありながら、私はまだまだ譜読みも遅く、リズム音痴で、上達が遅い。パイプオルガンを始めたきっかけは、大学入学前にふらふらと偶然立ち寄って聴いたチャペルでの音色が忘れられなかったからだった。その音をいつも思い出しながら、今も苦心しながら練習している。誰もいない広い空間、ひんやりとした空気、隣の森の静けささえ感じられる、“明治学院大学横浜キャンパスのチャペル”が、私は大好きだ。そしてまた、ひとり集中して練習する時間も、心地よく大好きなのだ。だからこそ、どんなに上達が遅くても、3年間続けてこられた。
 「4年目」というプレッシャー。
 「何度か立った、発表の場。いつも少しずつミスをしてしまい、毎回後悔の念がつきまとっていた」という不安。
 この発表会の日、4限後にチャペルへ向かうとき、私の気持ちはあまりに晴れやかなものではなかった。情けないが、正直なところ、「できれば早く、無事に、終わってくれたらいいなあ」と思っていた。
 発表会が始まると、講義を受けている教授、顔見知りの後輩、職員の方、教会の方・・・。次々終わっていく演奏に、ただただ感動していた。ミスがないだけでなく、個性がにじみ出て、練習を積み重ねてきたことをありありと感じられるすばらしい演奏。そんなとき、私の心臓は、強く、速く、鼓動を刻むばかりだった。同じくらい練習を積んできたにも関わらず、とてつもなく不安だった。「不安」・・・それはただ、「いい演奏がしたい」という強い思いの裏返しであったことは、いうまでもない。不安と、自分自身に対する期待。その二つが、車のエアバッグのように膨らみながら、迫ってくる。同時に、私の出番も迫ってくる。
 ふと、周りを見渡す。会場は、かつて私が経験してきた発表会の中でも、「かなり多いな」と感じられるくらいの聴衆の方々の数。どうせ聴いていただくなら多いほうがうれしいけれど、その景色を前に私の鼓動はまたさらに、早く波打ち続けた。
 「はらちゃん」
 私を呼ぶ、小さな声。
 それは、通路を挟んですぐそばに座っていた私の大親友だった。私が練習を重ねてきたこと、どれだけオルガンが好きかということ、家でも遅くまで練習していること、授業との兼ね合いの中で、なんとか3年間続けてこられたこと、そして不安な今日を迎えたこと・・・そのすべてを知る、友人だった。ちょうど、自分の出番の2つ手前。彼女は私に、小さなアクセサリーを手渡してくれた。それをすぐつけるよう言ってくれ、私は急いで耳に持っていく。私の耳に揺れる、小さなお守り。涙がこぼれそうになるのを、必死にこらえた。「弾けるかもしれない、今日は。」そう思えた。
 名前が呼ばれ前で挨拶をし、オルガンのある階上に上がり、椅子に着いてから演奏後の二度目のお辞儀まで、集中が途切れることがなかった。私はただ、
 「その大親友にいい演奏を聴いてもらいたい。よかったよ、と言ってほしい」
ということだけを、頭に描いていた。それは、彼女を超え、来てくださったほかの方々まで届いたようで、大きな拍手に包まれた会場を見下ろしたとき、ほっと安心したのを今も覚えている。
 私は、初めて「自分の演奏をもっと聴いていたい」と思うことができた。いつも、「速く無事に終わってほしい。ミスが無いように、無いように・・・」と願いながら弾き続けてきた。当然いつも、私はそれを悲しく思っていた。しかし、今回は違った。
 小さなお守りと、「音を届けよう」とした自分の思い。そのふたつが作用して、私の「4年目の発表会」は成功に終えることができた。私の途切れなかった集中と、初めて出せた納得のいく音を、これからも絶やさぬよう、卒業まで全力でパイプオルガンと向き合いたいと思う。

小川 文昭  経済学科教員

 今回は「フーガト短調」(バッハ)を弾きました。順番が近づいてくるにつれて緊張で胸が苦しくなりましたが、演奏では、音を聴きながら弾くというこれまでできなかったことが少しできて、オルガン演奏の楽しさがいっそう深く味わえるようになったような気がします。
 今回も、楽譜の音を省いたり新しい音を加えたりの演奏でしたが、演奏の巧拙は別にして、発表会で演奏することは自分の進歩を確認することです。貴重な機会を得られたことをうれしく思います。
 発表会のために、いつも半年余りの時間をかけて準備をしてくださる山本先生には感謝あるのみです。また、発表会を支えてくださった方々にもお礼を申しあげなければなりません。ありがとうございました。
 子供の頃にテレビで見た映画で、教会にオルガンの音が響きわたる場面あって、それでパイプ・オルガンが好きになりました。それ以来ずっとあこがれの楽器だったオルガンを、宗教部の講座のおかげで実際に演奏できるのですから、ありがたいことです。ぜひオルガン講座を今後とも続けてくださるようお願いいたします。

オルガン発表会にでて・・・・。    水口 理紗 国際経営学科1年生

 前々からオルガンが弾ける学校に入学して演奏してみたいと思っていたので、今年オルガンが弾けることに感動しています。
 さっそく由香子先生に教えてもらうことになって間もないのに、発表会に出ることになりました。
 オルガンはピアノと違って、1度弾いたらその音が鳴りつづけてしまって、鍵盤から離したら音がぶっつり切れてしまうこととか、弾く力加減で強弱を表現できないことが、すごく難しいと感じました。メロディーの息継ぎで決まるということを教わったので、今回はそこに注目して、聴いている人に曲のよさがわかってもらえたらいいなと思いながら演奏してみました。
 発表会では、ほかの方の演奏も聞けてすごく楽しかったです。やっぱりペダルの分、曲に幅が出ているし、うらやましく感じました。みなさんのオルガンが好きなんだなって雰囲気も感じられました。わたしは、ラストの曲がちょっと現代風で活気があって、あんな演奏ができたらすてきだなぁと思いました。
 これからもいろいろ挑戦していけたらいいなと思っています。

西田 絵梨子  国際学科4年生

 私は、大学入学当初からパイプオルガンに憧れていたものの、3年間はサークルに留学と時間が見つからず応募することが出来ずにいました。4年生になって大学生活で思い残すことはただ一つパイプオルガン講座でした。これが最後のチャンス、どうしてもパイプオルガンを弾きたい!という思いを山本先生は受け取って下さり、練習を始めてから1ヶ月で発表会にまで出させていただきました。
 発表会では足を使わずに弾ける曲を選んでいただき、とても良い思い出になりました。一人でまるでオーケストラを演奏しているような、たくさんの音色を持つパイプオルガンの魅力にやみつきになりました。今は足の練習も始まり楽しくて仕方がありません。残りの大学生活8ヶ月間出来るところまで頑張りたいです。最後にご指導してくださった山本先生、宗教部の方々ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

オルガンで心ひろげて   平山 恵  国際学科教員

 25年前に「演奏したい」と思った夢がかなった。この1年に弾いた曲はたった4曲であったが、とても楽しかった。
 ピアノのさえ演奏しなかった四半世紀。その間に私の心に流れていたオルガンの音。今もあの解放の歌声が聞こえる。独立して間もないカリブ海の小国アンチグア・バーブーダーに駐在していた時、奴隷制から国づくりまでを支えた力強い歌声の後ろから聞こえたオルガン。そして開放の神学に会いに行ったニカラグアで内戦下の人々を癒していたバッハ。このオルガンの音が明学に私を導いてくれたのかもしれない。
 1年前、久しぶりにピアノに触ってオーディションに臨んだ。それから山本先生には大変ご苦労をかけることとなった。はじめて動かす足がうまくいかないのは言うまでもなく、手もコントロールがきかない。今住む借家は楽器は禁止。手の練習もままならなかった。
 大学の仕事も多くなってきた時、ゆっくり練習ができそうな夏休みや冬休みは海外出張が続いた。ゆっくり気長にやろうと思った。春休みになってやっと自分の気持ちを曲にのせることができてきて楽しくなってきた。発表会前になってやっとノーミズでバッハのプレリュードが弾けるようになる。しかし足がまだまだ不安。オルガンがチャペル内に響くと心がグーンと広くなる。この心を人々が持てば、世界から戦争がなくなるのでは、と思う。
 オルガンの練習は私の研究みたいだな、とふと感じた。私が専門とする社会調査ははじめが苦しい。なかなか右手(観察)と左手(インタビュー)に足(文献調査)がそろって来ない。三者がそろった時、そしてそこに自分の曲想(分析)を加えたときに先が見えてくる。ちょうどオルガンを練習し始めたときにシリアで社会調査を始めた。今、オルガンが楽しくなったのと並行して四苦八苦していたシリアの調査結果が見え始めている。パレスチナ難民に加え、イラク難民の人々が今なお流れ込むシリア。この結果をシリアに生きる人々の幸せのために生かしたい。
 私のオルガンもこの発表会ではじめて山本先生以外の人にきいてもらった。ゼミ生もききにきてくれて励みになった。私が弾くオルガンが聞く人の心をぐーーんと広げてくれたら嬉しいな。
 この1年も亀の歩のようではあるが、少しずつ練習を重ねてより心地よい音を奏でたい。
 山本先生、引き続きご苦労おかけしますが、よろしくお願いします。
      世界が平和になることを祈りながら   平山恵 。

オルガン講座発表会感想   匿名

 私はピアノをやっていたのですが、オルガンはピアノと音の鳴らし方も足を使って演奏するということも全く違うので当初はとても手こずりました。しかし曲の数をこなしていくうちに、演奏中に音を変える曲に出会い、多彩な音を出せるオルガンという楽器に魅力を感じるようになりました。発表会当日はオルガンに不具合が起こって演奏したい音楽とは若干異なってしまいましたが、オルガンに今まで以上に魅力を感じるようになったのは確かです。

森野 真理  芸術学科2年生

 発表会の率直な感想は「緊張した」です。
 演奏の順番が一番最後だったことと、当日オルガンのトラブルがあって本来のレジストレーションや指使いで弾けなかったこともあり、本当に緊張しました。
 2曲のうち最初の曲は緊張に負けてしまいましたが、2曲目を弾き始めるときに「この曲は楽しんで弾こう」と思って弾いたので幾分緊張が解けて演奏を楽しめたと思います。
 パイプオルガンを人前で弾くという機会はあまりありませんし、発表会が終わったあと、聴きに来てくれていた友人に「よかったよ」という感想がもらえて嬉しかったです。

露木 隆子 大学職員

 エンリコ・パシーニのカンタービレというとてもきれいな癒し系の曲に出会え、また演奏できるようになってとても嬉しい気持ちです。一緒に発表会にでていたみなさまからも「素敵な曲ですね」といっていただきました。数日後キャンパスで通りがかりの学生から「発表会、よかったです!」と声をかけられたときには驚きましたが、やはりカンタービレという曲だったからだとおもいます。
 今回の発表会は直前にオルガンの第二鍵盤が使えなくなるというハプニングもありましたが、山本由香子先生のすばらしい音の創造を楽しめました。山本さんはきっと必死になってたおられたかと思いますが、みんな何もなかったかのようにプログラムがすべて終了したことは、よい思い出になりました。
 仕事が忙しくて思うように練習できない私をご指導くださいまして本当にありがとうございます。
調律していい音になったオルガン、山本さん、宗教部の皆様に感謝します。
これからもっと練習して上手くなりたいと思いますので、今後もどうぞよろしくおねがいします。

染河 智直  国際学科3年生 

 発表会は3度目になりました。いつも曲はぎりぎりですが、心にはゆとりができるようになりました。パイプオルガンを弾くのはとても楽しいです。教会が呼吸をしているように感じます。音色はすごく大きくてもなぜか静寂を感じます。強弱はつけられないのですが、心の強弱がつく気がします。日々の生活から解き放たれた空間で過ごせることがとても好きです。次は、もっと曲の世界に入れるように練習したいです。

三輪 恵子 国際学科3年生

 私は去年の春からパイプオルガンを習いはじめ、発表会にでるのは今回が初めてでした。当日はとても緊張してうまくいかなかったところもあったけど、たくさんの方々に自分のオルガンを聞いてもらえる楽しさをかみしめながら弾きました。とてもいい経験になったと思います。
 私はパイプオルガンを弾いてる時間がとても好きです。これからいろいろな曲を弾いて、パイプオルガンの魅力を知っていきたいと思います。また来年の発表会もぜひ参加したいです。山本先生ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします 。

増田 千草 芸術学科1年生 

ずっと憧れていたパイプオルガンの発表会に参加させていただけて、とっても楽しかったです。また、皆の演奏を聞いていてパイプオルガンの音が、本当に一人一人違って、もっともっとパイプオルガンを楽しみたいと思うようになりました。これからも、一生懸命練習して、パイプオルガンの不思議を感じていきたいです。ありがとうございました。

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