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無関心を、関心に。常に動き続けるチャレンジャー!

2018年10月10日(水)、横浜キャンパス8号館インターナショナルカフェ。お昼前にも関わらず、カウンターには長蛇の列が。学生たちのお目当ては「ピンクレモネード」。目標販売数50杯(1日あたり)を大幅に上回り、連日完売となりました。「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の促進を広く国際社会に呼びかける「国際ガールズ・デー」(10月11日)の一環として行われた今回の企画。取り組みのきっかけ、そして成功の秘訣とは?仕掛け人の田口慈江さん(法学部政治学科2年)に迫ります。

田口慈江(法学部 政治学科 2年)
明治学院大学ボランティアセンター 海外プログラム事業部所属
世界で起こる「貧困」の解決方法の糸口を探るため、政治学科に入学。小学生の時に日本ユニセフ協会で出会った紛争で戦う子どもの一枚の絵をきっかけに、「国際協力」「人道支援」「貧困」などに強い関心を持つ。現在は国際NGOプラン・インターナショナルが実施する「バングラディシュの『少数民族の女性たちの収入アップ』プロジェクト」に活動資金を寄付することを目的とした「書き損じ・未使用はがき」の回収などに取り組む。

知ることと、体感すること

私が所属するボランティアセンター海外プログラム事業部のミッションは、「Think globally, step forward ~世界を変える小さな一歩~」。国際的な問題を考え、自分たちでゼロから企画を作り、実行するグループです。私と同じく「国際協力」や「人道支援」などに興味を持つ36名の学生(2018年12月時点)が所属し、ペットボトルキャップ回収キャンペーンや横浜キャンパスの防災訓練、タイのボランティアツアーなどさまざまな企画に携わっています。海外プログラム事業部に加入したきっかけは、2017年8月にACUCA東南アジア・スタディツアー(国際センター主催)でタイに行ったこと。10歳に満たない幼い子どもたちが夜の繁華街で仕事をしていたり、物乞いをしていたり。日本とは異なる光景そのものも衝撃的でしたが、一番ショックだったのは、メディアなどで間接的に触れることと、自ら足を運んで直接触れることの大きな隔たり。知ることと体感すること。この違いを痛感しました。

「貧困」を目の当たりにして

海外プログラム事業部に入ってしばらくは、気になる社会問題を調べたり、仲間たちとディスカッションしたり。どちらかというとインプット寄りの活動が中心でした。そんなある日、ボランティアセンター(横浜キャンパス)のスタッフの方から日本財団主催のAlternative Leadership Program in Indonesia -Culture and Educationを紹介いただきました。タイでの経験もあり、これまで以上に貧困問題に強い関心を持っていた私は迷わず参加。2018年2月から3月にかけて、現地の学生たちと低所得者層の子どもたち向けに3日間のワークショップを企画・実施しました。そこで出会ったのは、貧困エリアといわれる、とある川沿いに住む子どもたち。歯磨きもできずに虫歯だらけの子や、言葉の意味も分からずひたすら暴言を吐く子。けれど、どの子も笑うと本当にかわいい。目をキラキラさせてこっちを見てくれるんです。話しかけても一向に話を聞いてくれない子も多く大変でしたが、終盤には耳を傾けてくれるようになったり、将来の夢を絵に書いてくれたり。ある程度の信頼関係を築けることができました。けれど、ワークショップで感じたのは「悔しい気持ち」。この子たちに自分は何ができるのか。帰国したら、また普段の学生生活を送るだけじゃないのか。そう思うと悔しかったです。彼らが自立するまで継続的な支援ができない自分にもどかしさを感じました。そして、貧困を生み出す社会的・政治的背景を知り、根本的な原因に向き合わなければならないことを痛感しました。既に起きている貧困に向き合い、金銭的な支援をすることも大切ですが、貧困の被害者である子どもたちがしっかりとした「教育」を受け、教養が備われば、自ら貧困を抜け出す術も考えることができます。

そのためには、貧困に苦しむ当事者以外も貧困問題にしっかりと目を向け、社会的な認知度をより高めることも必要です。そう考えた私にとって国際ガールズ・デーの企画リーダーを任されたことは、まさにチャンス。これまでの経験を活かす絶好の機会でした。

「気軽さ」が大事

国際ガールズ・デーは国連が定める国際デーの一つで、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の促進を広く国際社会に呼びかける日(10月11日)。

明学では、毎年この時期になると海外プログラム事業部がさまざまなイベントを行っていました。企画リーダーになった私がまず行ったのが、目標設定。まずは「国際ガールズ・デーの認知度を高めること」を目標としました。その根拠は、これまでの取り組みの実績とメンバー内に共通した「感覚」。前年もTwitterで国際ガールズ・デーに関わる著書の紹介をしていましたが、アカウントのフォロワー数はもちろん、「いいね」や「RT」なども十分といえる成果はありませんでした。そして、メンバー内で感じていたことが国際ガールズ・デーそのものの認知度の低さ。学生たちすべてが貧困問題に関心を抱いているとは限りませんし、具体的な行動を起こす学生となると人数は絞られます。だからこそ、国際ガールズ・デーを知ってもらうための「ハードル」を下げることが大切と考えました。

そこで思いついたのが、「食」と「ボランティア」の組み合わせ。全学生の共通項である「食」を活用すれば、ボランティアに興味のない人たちにも興味を持ってもらえるのでは…。アメリカで子どもたちが販売している「レモネードスタンド」も良いヒントとなり、ピンクレモネードの販売に至ったわけです。「飲んで、楽しんでもらうこと」をテーマに、価格と味のバランスの調整をはじめ、容器に貼るオリジナルシールから参加者が一言書けるハートのメッセージカードなどの工夫を凝らしました。

ピンクレモネードの販売とともに10月8日(月)から12日(金)を「明学国際ガールズ・ウィーク」とし、外貨募金や図書館展示なども実施。明学全体でイベントを盛り上げる雰囲気づくり、そして目標販売数の設定、SNS・チラシなど各種媒体での広報、当日の販売応援など、自分たちにできることは全てやりました。

明学全体で販売期間の合計売り上げ数は574杯。目標数を大幅に超える結果となりました。当日用意したメッセージボードにも多くのメッセージが。今回の目標である「国際ガールズ・デーの認知度を高めること」に一役買えたことに胸を撫で下ろしました。一方で、購買層の大半は女子学生。男子学生もより気軽に参加できる仕掛けづくりが来年に向けての課題となりました。

「考える」だけではなく、「実践」すること

今回のピンクレモネードの販売金額の一部である1杯30円、合計17,220円をプラン・インターナショナルの「ガールズ・プロジェクト」に寄付。人口の約5人に1人が国際貧困ラインの1日1.9ドル未満で生活しているバングラデシュにおける「少数民族の女性たちの収入アップ」プロジェクトの支援金として活用されます。もともと、募金やボランティア活動は自らの意思でするもので強制されるものではないと考えていました。それだけに、多くの学生が自ら「明学国際ガールズ・ウィーク」に楽しんで参加してくれたことは、自分にとって大きな自信となりました。明学での学生生活もまもなく2年。今後も貧困問題の解決に向けて大いに勉強し、考え、悩み、実践していくつもりです。