- 前田 莉穂 国際学部 国際学科 3年高校時代に短期留学したオーストラリアで日本の商品や文化が受け入れられている光景を目の当たりにしたことで国際交流に関心を持つようになり、国際学科に入学。2年次秋学期からは「オセアニアの文化や社会」について学ぶゼミに所属し、卒業論文執筆に向け活動している。2021年4月から「横浜キャンパスプロジェクト飲食環境充実検討チーム(通称:ごはん部)」に所属。
キャンパス内外での「おいしい」と「元気」をサポートすることに力を注ぐ横浜キャンパスプロジェクト「ごはん部」 に所属する前田さん。「簡単」「おいしい」「栄養バランスが良い」を意識したレシピ配信やキッチンカーのNo.1を決めるグルメコンテストなど、さまざまな企画を仲間たちとともに実現させてきました。コロナ禍により活動が停滞していたごはん部を再始動させた2021年4月から現在までの道のり、そこから得た大きな気づきを語ってもらいました。
2020年4月。その日の私はなんとなくパソコンを開いて、明学のWebサイトやポートヘボン(学生用ポータルサイト)を眺めていました。キーワードは「グルメ」や「食」。自分の関心と大学の活動がマッチする「何か」を探していたのです。そんな私に飛び込んできたのがこのニュース 。目を奪われたのが、タイトルよりも「ごはん部」というキーワード。こんな団体があるのか!と。興味よりもまず驚きが先でした。
翌日にはごはん部を担当する横浜管理部に電話をしました。2017年度から活動がスタートしたごはん部は、キッチンカーとのコラボや「食育」を意識したオリジナルメニューの開発など、横浜キャンパスの飲食環境を充実させることが目的でした。しかし、コロナ禍により当時は活動が停滞しているようでした。このようなごはん部の状況を聞いたのですが、むしろ感じたのは、これはチャンスだということ。「それでは入っても意味がない」ではなく「やりたいことができるのでは?」が正直な気持ちでした。食を通じて学生を元気にしたい。このような思いを持って友人に声をかけ、私を加えて合計3名が入部しました。ごはん部の再スタートです。
実はごはん部に入る前からやりたいことはある程度決まっていました。その一つがレシピ紹介。オンライン授業の合間に昼食を作らなければいけない一人暮らしの学生たちが多い、という話を、友人や先輩後輩、そしてニュースなどでよく耳にしたことがきっかけです。大学に行けない。友達にも会えない。ただでさえ大変な毎日を送る学生にとって、せめて「食事」は楽しい時間であってほしい。このような思いを持っていました。
6月15日、再始動したごはん部としての初ミーティングを開催。ごはん部を担当する横浜管理部・学生部・健康支援センターの職員の方々と入部してくれた友人の合計8名の前で、レシピ紹介をはじめとした各企画のプレゼンテーションをしました。「レシピ紹介はやりたいことの一つだけど、果たして本当に学生の役に立つのだろうか?」 このような懸念もありましたので職員の方や友人が企画に賛同してくれた時は嬉しかったですし、同時に中途半端なものにはしたくない、という覚悟も生まれました。
コロナ禍であっても多くの学生とコミュニケーションできる方法を考えて、2021年7月にごはん部のInstagram を開設しました。Instagramは、現在ではごはん部のプラットフォームとなっています。自分たちで調理したオリジナルレシピの料理写真を公開したり、時には管理栄養士の方に相談をしながら栄養バランスに配慮したレシピを公開したり。さまざまな活動を通して常に気づかされるのは、仲間と協力して物事に取り組むことの大切さです。私は器用に物事をこなせる性格ではないので、ごはん部の活動に限らずやるべきことをひとりで抱え込んでしまうときがあります。ごはん部の活動においても、プロジェクトが大きくなっていくにつれて、こなさなければいけない課題が目の前で山積みになり苦しいと感じた時期がありました。
料理にあった投稿デザインを考えるために編集ソフトと向き合って数時間を要したり、文章による表現の誤りがあってはいけないので投稿案を何度も確認したり。ごはん部としては、「明治学院大学横浜キャンパス」のプロジェクトとして活動している以上、投稿ひとつで大学に対する受け手の印象が変わる可能性がある、ということを常に意識していました。
このような一つひとつの課題で悩んだ時には、メンバーや職員に相談し、力を合わせながらクリアすることができました。ごはん部のメンバーは一緒にプロジェクトを大きくするパートナーであり、活動を続ける上での私の心の支えです。がんばり過ぎず、時には仲間を頼ることが大切。そして試行錯誤を忘れないこと。このようなことをごはん部の活動を通して学びました。
特に試行錯誤することは、授業の論文やレポートを作成するときなどにも役に立っています。失敗してもすぐ改善。これを繰り返すうちに自然と向上心も身についた気がします。ごはん部での仲間との活動はまだ1年にも満たないものですが、その短い時間が自分にとって大きな気づきをもたらしてくれたので、物事は捉え方次第で成長につながるということを実感することができました。
ごはん部の活動に参加したい!と自ら手を挙げてくれた新メンバーがいること。Instagramの投稿を見てくれる人が徐々に増えてきたこと。いずれも自分たちの活動が徐々に広まり、誰かの役に立っていることを実感できた嬉しい結果です。ごはん部の活動が誰かの役に立ち、そして自分も成長する。16名になったごはん部メンバーで、企画をさらに進化させていくことが現在の目標です。
コロナ禍であっても立ち止まらずに前へ進む経験は、これからのキャリアを考える上での大きな基礎になったような気がします。将来はまだ漠然としていますが、コロナ禍で常に変化を求められている人々の生活を支えたいという思いが強く、毎日の生活に直接貢献できるような仕事に就くことを希望しています。 コロナとともに生きる社会となっても立ち止まらず、試行錯誤し、前へ進み続けたいと考えています。