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憧れの先生を目指して-「子ども」が軸の学生生活-

将来は小学校の先生になりたい。だから4年間で「子ども」のことをとことん学ぶ! そう決めた上田さんですが、学ぶうちに選択肢がどんどん増えた、と言います。今、自分は何のために勉強しているんだろう?自分のやりたいことって何だっけ? 4年間の学生生活でこんな疑問を感じる場面に出会う人は少なくないのでは。「子ども」を軸とする上田さんの学生生活、そして「自らの居場所」と語るボランティアセンターの魅力に迫ります。

上田 琴音 心理学部 教育発達学科 3年 小学校教諭を目指すため、親と子ども、両方の視点から心理学を学びたいと考え、教育発達学科に入学。勉強はもちろん、子育て支援のボランティア活動や玩具店、学童保育のアルバイトなど「子ども」を中心とした学生生活を過ごす。2021年1月には正課外で保育士免許を取得し、現在は小学校教諭と幼稚園教諭の免許取得を目指す。趣味は「アイドル」。ももいろクローバーZとアメフラっシの大ファン。信条は「毎日をがんばって生きること」。

赤ちゃんがくれたヒント

中学生の時に出会った先生の影響で、将来は先生になりたいと考えていました。なんでも相談できて、いざというときはしっかりと守ってくれる。実体験を踏まえた私の理想の先生像は、こんなイメージでした。そのためには誰よりも「子ども」のことを理解する必要があると考えました。以前から抱いていた心理学に対する強い関心もあり、心理学部教育発達学科を選びました。

そんな中、大学入学前の2018年3月に従姉妹が生まれました。先生を目指すにしてもどうやって目指せば良いのだろう? はじめて触れ合う新生児の従姉妹は、こんな思いを抱いていた私にヒントをくれました。「大学でさまざまな年齢層の子どもたちと触れ合い、理解すれば良いんだ」と。小学校教諭だけではなく、幼稚園教諭免許の取得も目指せる教育発達学科の利点もあり、何の不安もなく学生生活をスタートさせました。

ボラセン=ボランティアのこと?

せっかく大学に入ったのだから、勉強以外の何かをしてみたい。私とボランティアとの出会いは、こんなふとした考えがきっかけでした。入学式の日に行われたボランティアセンター(以下、ボラセン)のオリエンテーションで話すスタッフの姿、そして同じく登壇していた先輩学生の姿が目にとまりました。とにかく明るく元気なスタッフ、ボランティア活動の内容をわかりやすく丁寧に伝える先輩学生の姿がとても印象でした。その時心に浮かんだ言葉は「楽しそうだな」。ボラセンについては、「ボランティアの用件があれば行くところ」という先入観を持っていました。ただ、その先入観は良い意味で裏切られました。ボランティアのことはもちろんですが、勉強やアルバイト、日頃の悩みや嬉しいこと。いわゆるボランティア以外のことでも多いに盛り上がり、活発に交流する学生の姿でボラセンはあふれていました。大学1年生の頃はとにかく毎日が必死でしたので、ボランティア活動に注力できるようになったのは、2年生の春学期から。気付けば教室とボラセンを往復する日々。ボラセンは、明学にとっての私の居場所となりました。

ボラセンがあるからこそ、がんばれる

私が取り組んだ活動は、「横浜地域活動」と「とっとの芽」の二つです。横浜地域活動の目的は、横浜キャンパス周辺の地域の活性化。「戸塚原宿ふれあいフリーマーケット」や「とつか宿場まつり」などの戸塚地域でのイベントや、大学の「戸塚まつり」で子どもが遊べるブースを出店していました。何か参加できる企画があれば片っ端から参加しました。

とっとの芽は、子育て中のお母さんやお父さんたちが気軽に情報交換やおしゃべりをしたりできる場の提供をすることを目的として、NPO法人子育てネットワークゆめが運営するNPO法人です。

2018年当時、「とっとの芽」は「横浜地域活動」の活動の一環で、大学主催のプログラム「1 Day for Others」にも絡めて一般学生の参加も呼びかけました。決まった日時・場所に訪れ、手遊び歌や絵本を読む、などの活動を通じて子どもたちと交流することが主な内容です。 2019年、2年生になってからは1 Day for Othersにおける「とっとの芽」の企画リーダーを務めました。

企画リーダーの役割は、1 Day for Othersとしてのプログラムそのものを企画すること。 参加側ではなく実施側の視点からとっとの芽に携わることで、親と子ども双方をより奥深く学べるのではと考えていました。

やりたい企画が思い浮かんだら、ボラセンのコーディネーターにすぐ相談していました。ボラセンの良いところは、どんな企画でも、「ダメな理由」ではなく「どうやったらできるか」を前提に相談に乗ってくれること。そのおかげで自分の考えに整理がついて実施できたのが、「とっとの芽」の職員の方による講演会。今後、親になり、子を持つ可能性がある世代の一人として、私を含め、一人でも多くの学生たちがこのような居場所を知っておくことは、決して無駄なことではないと思ったからです。学科の授業時間の中で実施したのですが、講演会で熱心に耳を傾けてくれた友人たちの姿は、今も心に残っています。

二つの活動を通じて、0歳児から小学校低学年の子どもたちはもちろんですが、子育て中のお母さんやお父さんたちと触れ合う機会に恵まれたことは大きな収穫でした。子育て中の悩みや疑問など、親の視点から見る子どもの実態を学ぶことができたからです。

そういう考えもあるよね

私のボランティア活動では、友人たちの存在も大きなポイントでした。大学に入学するまでは、自分の考えをしっかり持ち、貫き通すことが大切だと考えていました。しかし、貫き通す以上に、相手の気持ちに寄り添うことが大切であることを学びました。相手の気持ちに寄り添う、と言葉であらわすのは簡単ですが、自分の考えや行動に落とし込むことは簡単ではありません。「でも」や「だけど」など、相手と話していても、自分の考えを伝えたいがために、ついつい言い返したくなる場面があります。だからこそ、否定せずに、まずは受け止める姿勢を持った友人が数多くいるボラセンの雰囲気に惹かれたのかもしれません。最初はお互いに言っていることが違っても、「そういう考えもあるよね」と受け止め合ううちに、「あ、結局自分の言いたいことと同じだ」と気づく時も。相手を理解しようとする姿勢は、ボランティアに限らず、勉強や将来の仕事においても、もっとも基礎的で、大切なことなのではないかと考えています。

こんな「つながり」を待っていた

2020年4月以降、いわゆるコロナ禍となってからは私のボランティアとの向き合い方も大きく変わりました。キャンパスまでの通学。ボラセンでの友人との語らい。これまで当たり前だった日常が変わってしまったことは大きなショックでしたが、何よりも気がかりだったのが、入学してきた1年生の後輩たち。キャンパスの中で居場所を見つける以前に、思うようにキャンパスに足を運べない後輩たちに何かできないか。そう考えてボラセンの職員に相談し、実施したのがクリスマスパーティー。コロナ禍ということもあり、人数を制限して開催しましたが、1年生を中心に3名が参加してくれました。ボラセン横の菜園コーナーで花壇を作ったり、ボランティア学生団体「MGパール」のパールを使ってマスクチャームを作ったり。ある1年生が「こんなつながりを待っていた」と嬉しそうに話してくれる姿を見て、人と人がつながる大切さ、そして、誰かの喜びが自分の喜びでもあることを、改めて気づいた瞬間でした。

経験したからこそ、わかること

学生生活も丸三年が過ぎました。小学校の先生を目指すために入学した私ですが、学びもボランティアも積極的に行動したことにより、将来の選択肢の幅がグッと増えた気がします。ただ、幅は増えても軸は「子ども」。保育士免許を取得したのも、この軸があるからこそです。なんでも挑戦することは大切ですが、何かしらの軸を見据えて挑戦すれば、その軸はより強固なものになると実感しています。これからも、その軸を支えてくれる友人や先生方、そしてボラセンの皆さんとの交流を大切にしながら、小学校教諭と幼稚園教諭の免許取得に向けて全力で取り組んでいきたいと思っています。