明学・大槌町吉里吉里復興支援プログラムブログ

2018年3月2日

2018年 2月活動 合同スタディツアー

日増しに暖かになりましたが、皆様いかがお過ごしですか。

2月14日(水)~17日(土)に、「Do for Smile@東日本」プロジェクトの陸前高田セクションと合同で行いました「合同スタディツアー」について報告いたします。
はじめに、この「合同スタディツアー」について簡単に説明いたします。明治学院大学ボランティアセンターには東日本大震災の復興支援活動を行う「Do for Smile@東日本プロジェクト」というものがあり、そこからさらに分かれて活動の中心拠点を岩手県大槌町吉里吉里地区に置く「吉里吉里セクション」と岩手県陸前高田市に置く「陸前高田セクション」があります。「合同スタディツアー」は、この2つのセクションが普段とは違う視点からお互いの活動地を訪れ様々なことを学び、自分たちの活動を改めて見直すことを目的としています。
2014年度、昨年度と続き3回目となる今回の合同スタディツアーでは、「客観的な視点をもち普段自分たちが活動している場所との共通点や相違点を発見し視野を広げる」という目的をもち活動しました。


2月14 日(水)

活動1日目の午前中は、 陸前高田にて語り部ガイドさんによる案内により、奇跡の一本松や遺構となっている旧気仙中学校・道の駅タピック、商業施設のアバッセを見学した後、レストラン「クローバー」にてお昼ご飯をいただきました。語り部さんのお話の中で、東日本大震災が起きてから7年が経ち、「心の風化」が起きていると伺いました。心の風化が起きると災害に対する危機感が薄れ再度同じようなことが起きてしまうため、語り継ぐことが重要だということがわかりました。私たちも、現地を訪れ実際に見て聞くだけではなく、それを他の人々に伝えるということも重要なことであると思いました。
午後は、宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館に行きました。常設展示では、東日本大震災の記録と津波の災害史について、被災現場写真やそれについての説明、被災物が展示されていました。また、「東日本大震災を考えるためのキーワード」がキーワードパネルに書かれていました。その中で特に、「記憶・・・ガレキ」というキーワードが目に留まり、「地震や津波などで破壊され奪われてしまった大切な家や物を『ガレキ』と表現すべきではない」と記されているのを読んだ際には、何気なく使われている言葉でも人それぞれで捉え方が異なり心に傷をつけてしまうことがあることに改めて気づきました。言葉の使い方には十分に気をつけ、しっかりと選ばなければならないと思いました。


2月15日(木)

活動2日目は、陸前高田市広田町にある長洞(ながほら)元気村にて、なでしこさん(元気村を盛り上げていく活動をしている女性の方々)と共に昼食を作らせていただいた後、長洞の地域を案内してもらいお話を伺いました。
なでしこさんは、旬の食材を用意し丁寧に作り方を教えてくださりながら楽しく料理をしました。長洞の地域の季節の美味しい食材やその収穫の仕方なども教えてくださりました。特に、わかめの収穫が始まりまだわかめが柔らかい時期にしか食すことができない「わかめのしゃぶしゃぶ」をいただき、貴重な体験をさせていただきました。食事をしながら東日本大震災当時のお話について伺いました。普段、当たり前のように使っている電気やガスも災害時には使うことができず、当たり前のことが当たり前ではなくなった時にどうすればよいのか、予め考えておかなければならないと思いました。その後、長洞元気村のリーダーの方から、震災が起きた当時の状況と復興に向けた取り組みについてお話を伺いました。長洞の地域は広田半島の付け根にあり、広田湾側と大船渡湾側両方から津波が到来し半島が島と化し孤立してしまったということに驚きました。そのような状況の中でも、仮設住宅への入居順を元の住宅の並びと同様にするなど、長洞の地域の中で協力して知恵を出し合い、以前のコミュニティを維持しながら復興に向けて進んでいったということは、地域の繋がりが強かったからこそのことだと思いました。
1日を通して人と人との繋がりの大切さを学びました。


2月16日(金)

活動3日目は陸前高田からBRT(震災のため電車が運行できなくなっている気仙沼駅~盛駅間でJRが替わりに提供するバス)、三陸鉄道南リアス線、岩手県交通バスを乗り継ぎ大槌町(吉里吉里)へ移動しました。
お昼ご飯を食べた後、おらが大槌夢広場さんにより語り部ガイドをしていただきました。旧町役場、城山公園体育館、蓬莱島を訪れながら震災当時の状況や語り部ガイドさん自身の体験をお話ししていただきました。陸前高田で語り部ガイドさんにお話いただいたことと共通する点、しない点それぞれに気づき、被害の特徴や復興の進度を知ることができました。共通する点として特に印象的であったのが、東日本大震災の2日前に起こった地震により約30cmの津波が来たことや1960年にチリで起きた地震により日本に到達した津波による被害がそれほど大きくなかったことを経験したことにより、東日本大震災が起きた時に、「以前の地震ではそれほど大きな津波が来なかったから大丈夫だ」という考えで避難が遅れ被災された方が多くいたということです。過去の経験は糧になることも多くあるけれど、それが逆効果として働いてしまうこともあるため、今までに起こり得なかったことが起こると常に想定して行動を起こさなければならないと思いました。
その後、おおつちおばちゃんくらぶで行われている「Shake Hand(シェイクハンド)『デコ鮭』プロジェクト」に参加させていただき、みなさんが手作りした白い鮭に自由にデコレーションをしてデコ鮭を作りました。自分が思い描いたように作ることはとても難しかったですが、手助けしていただきながら作り上げることができました。


2月17日(土)

活動最終日の午前中は、吉里吉里にある公民館で行われた「お茶っこの会」に参加しました。吉里吉里の地域では「~こ」と言葉の後につけるそうで、お皿を「お皿こ」、布巾を「布巾こ」などと言うそうです。今回のお茶っこの会には地元の方々が多く参加してくださいました。お茶を囲み吉里吉里の文化や方言を元にして作成された「吉里吉里カルタ」を行いながらそれにまつわるお話を伺ったり、甚句を教えていただきながら共に踊りました。その後、用意してくださったお弁当と「ひっつみ」を美味しくいただきながら楽しくお話をすることができました。「ひっつみ」とは岩手県の北上盆地を中心とした地域の郷土料理で、小麦粉を練って固めたものをひっつまんで平たい団子状にしたものを汁にいれたもので、製法がそのまま名称に繋がっているそうです。たくさんの方々と交流することができ、人との繋がりの大切さを学ぶときとなりました。
午後は吉里吉里学園小学部にて、「わんぱく広場」を行いました。たくさんの小学生と数名の中学生が参加してくださり、「動の遊び」ではドッチボールやおにごっこ、「静の遊び」ではおりがみや毛糸と枝を使った工作などをし、楽しく遊ぶことができました。男女、学年問わずみんなで話し合いながら遊びを決めて行う姿をみて、子どもたちの中でも地域の繋がりが強くあるのだなと思いました。


今回の合同スタディツアーでは、「客観的な視点をもち普段自分たちが活動している場所との共通点や相違点を発見し視野を広げる」という目的をもち活動をしましたが、参加した学生にとって、有意義な活動となったと思います。この活動を糧に、今後それぞれのセクションでの活動を行なっていけたら良いと思います。

多くの方々にこの活動の趣旨を受け入れ支えてくださり、4日間を有意義な時とできました。この場を借りて心から感謝申しあげます。

思わぬ花冷えにお風邪など召されませんようくれぐれもご自愛ください。

心理学部教育発達学科1年 小泉悠斗