目次案 2012.12.1版 <セシル>
『告白の誕生―『りぼん』に見るロマンティック・ラブ・イデオロギーの再生産』
第1章 序論
1-1 なぜロマンティック・ラブ・イデオロギーなのか
1-2 「告白」に注目する理由
1-3 アプローチ
1-3-1 なぜ『りぼん』なのか
1-3-2 どのように『りぼん』を扱うか
1-3-2-1 どのように読者投稿欄を扱うか
1-4 先行研究の紹介
1-5 本論文の構成
第2章 ロマンティック・ラブ・イデオロギーの誕生と普及
2-1 西欧での誕生
2-1-1 騎士道的恋愛
2-1-2 宮廷風恋愛
2-1-3 ルソーの登場
2-1-4 ロマンティック・ラブ・イデオロギーの誕生
2-2 日本への普及
2-2-1 「恋愛」という言葉の輸入
2-2-2 恋愛結婚の普及期
2-2-3 ロマンティック・ラブ・イデオロギーの影響
2-3 ロマンティック・ラブ・イデオロギーの特徴
2-3-1 恋愛=結婚
2-3-2 相手を選択することの自由
2-3-3 婚姻関係内での性交渉
2-3-4 一対一の関係
第3章 少女漫画史における『りぼん』
3-1 少女漫画雑誌『りぼん』とは
3-2 少女漫画の歴史
3-2-1 少女漫画の変遷
3-2-2 少女漫画史の中の『りぼん』の位置
第4章 『りぼん』に見る告白の変遷—初期の告白
4-1 どのように『りぼん』を時代区分するか
4-2 1955年〜1958年 告白の広がり
4-2-1 『りぼん』の傾向
4-2-1-1 母と子の愛
4-2-2 告白の形態
4-2-2-1 「秘密」の告白
4-3 読者投稿欄にみる『りぼん』の特徴
4-3-1 読者アンケートによる特集ページ
4-3-1-1 “おうちの人も一緒に”
4-4 「おかあさまのページ」
4-5 「りぼんのおへや」
第5章 愛の告白
5-1 1959年〜1963年 プロポーズ台頭
5-1-1 “皇太子ご成婚”による結婚の広がり
5-2 愛の告白の誕生
5-2-1 告白=プロポーズ
5-3 その他の告白
5-3-1「お兄さんになってほしい」
5-4 読者投稿欄にみる『りぼん』の特徴
5-4-1 読者アンケートによる特集ページ
5-5 「おかあさまのページ」
5-6 「りぼんのおへや」
5-6-1 クラスの男の子
5-6-2 ペンパル募集
第6章 愛の告白の繁栄
6-1 1964年〜1970年 特化していく愛の告白
6-2 ボーイフレンドの定着
6−2−1 「現代っ子」とボーイフレンド
6-3 プレイボーイの告白
6-4 デートと告白とキス
6-5 父と母の告白
6-6 その他の告白
6−6−1 プレゼント
6−6−2 ラブレター
6−6−3 不自由な恋愛
6-7 読者投稿欄
6-7-1 「おしゃべりコーナー」
6-7-1-1 ガールフレンド・ボーイフレンド特集
6-7-2 「りぼんのおへや」の男の子
6-7-3 ファンコーナーの登場
6-7-3-1 応援と登場人物への憧れ
6-7-4 「りぼんお悩み相談室」
6-7-4-1 ボーイフレンドの悩み
6-7-5 「おかあさまのページの衰退」
第7章 「様々な告白の登場」
7-1 1971年〜1985年「様々な告白の登場」
7-2 片想いと両想い
7-2-1 支えとなる恋人
7-2-2 自信
7-3 セックスと妊娠
7-4 同性への告白
7-5 兄妹同士の恋愛
7-6 不倫
7-7 お金<愛
7-8 読者投稿欄
7-8-1 「ハーイおげんき!?」
7-8-1-1 「恋している女の子のコーナー」
7-8-1-2 ボーイフレンドとの付き合い方
7-8-1-3 片想いとボーイフレンド
7-8-2ファンコーナーの復活
7-8-2-1 「砂の城」「花ぶらんこ」
7-8-2-2 登場人物への憧れ
7-8-3 「A子タンの片想い伝言板」
7-8-2-3 片想いエピソード
7-8-2-4 一言告白コーナー
第8章 考察
8-1 論文を通して分かったこと
付録・りぼん年表
概要
恋人をつくることや、愛する人と結婚することは当然のこととして考えられている。恋愛と結婚を結びつける考えを支えるもの、それは西欧から日本に輸入さ
れたロマンティック・ラブ・イデオロギーと呼ばれる観念である。我々の人との付き合い方や関係は、この観念から知らず知らずの内に影響を受けている。本論
文では、我々の考える「恋愛」のあり方を規定するロマンティック・ラブ・イデオロギーが、どのように浸透し変化していくのかを明らかにする。
そのために少女漫画雑誌『りぼん』を題材にして調査する。ロマンティック・ラブ・イデオロギーの特徴を表す「告白」という行為に注目し、漫画の中で告白
が、いつどのような形で誕生し変わっていくのか、その描かれ方を見ていく。また、『りぼん』に掲載されている読者投稿欄にも注目する。テクストとは、読者
にただ一方的に受け取られているのではなく、読者の反応がまたテクストに影響を与えている。読者投稿欄を見ることで、『りぼん』に描かれるロマンティッ
ク・ラブ・イデオロギーの再生産されていく過程を見ていくことができる。
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