目次案 最終版 <黒帝>
『ボーカロイド10年史―2003-2012―』
1章 序論
1-1 ボーカロイドに熱中する私
1-2 本論文の目的
2章 「ボーカロイド」とは何か
2-1 VOCALOID
2-2 VOCALOID製品
2-3 VOCALOIDキャラクター
2-4 ボーカロイド
3章 2003年 ― VOCALOIDの誕生
3-1 歌声合成ソフトウェア「VOCALOID」の発表
3-2 最初期のVOCALOID使用事例
4章 2004年 ― 第一次VOCALOIDブーム
4-1 ZERO-G Limited
4-1-1 世界初のVOCALOID製品「LEON」・「LOLA」
4-1-2 有名歌手のVOCALOID化「MIRIAM」
4-2 クリプトン・フューチャー・メディア
4-2-1 VOCALOID製品開発の経緯
4-2-2 初の日本語用VOCALOID製品「MEIKO」
5章 2005年 ― 試行錯誤するユーザー
5-1 VOCALOIDを取り上げる音楽雑誌
5-2 2005年のVOCALOIDユーザー
5-3 VOCALOIDのアップデート
5-4 求められる日本語用男声VOCALOID
6章 2006年 ― ブームの終了
6-1 日本語用男声VOCALOID製品「KAITO」
6-2 「ボーカロイドコンテスト」開催
6-3 「ニコニコ動画(仮)」サービス開始
7章 2007年 ― 第二次ボーカロイドブーム
7-1 VOCALOID新バージョン「VOCALOID2」
7-2 「ニコニコ動画」本サービス開始
7-2-1 ニコニコ動画(β)
7-2-2 ニコニコ動画(γ)
7-2-2-1 VOCALOIDを使用した動画の投稿
7-2-2-2 VOCALOIDの知名度向上
7-2-3 ニコニコ動画(RC)
7-2-3-1 「やってみた」動画
7-2-3-2 「自演発覚祭り」
7-3 キャラクター・ボーカル・シリーズ01「VOCALOID2 初音ミク」
7-4 ニコニコ動画における「初音ミク」
7-4-1 「初音ミクが来ない?来た?」騒動
7-4-2 「はちゅねミク」の誕生と持ち物・ネギ
7-4-3 その他の「初音ミク」の動画
7-4-3-1 初期の「初音ミク」関連動画
7-4-3-2 VOCALOIDランキング動画
7-4-3-3 「歌ってみた」の活性化と2度目の「自演発覚」
7-5 初音ミクに関する騒動の連鎖
7-5-1 TBS『アッコにおまかせ!』騒動
7-5-2 「初音ミク」画像消失騒動
7-5-3 Wikipedia「初音ミク」削除提案騒動
7-5-4 「工作員」の萌え美少女キャラクター化「亞北ネル」
7-6 「初音ミク」を使いこなせないDTM初心者「弱音ハク」
7-7 コミュニティサイトの登場
7-7-1 初音ミクSNS「ハツネギ」
7-7-2 「ボカロ互助会」
7-7-3 CGM型コンテンツ投稿サイト「PIAPRO」
7-8 「初音ミク」人気による既存のVOCALOID製品の再評価
7-9 着うた配信に伴う著作権問題
7-9-1 JASRAC権利委託問題
7-9-2 着うた無許可配信問題
7-10 VOCALOID同人イベント
7-10-1 VOCALOIDオンリー同人誌即売会「THE VOC@LOiD M@STER」
7-10-2 VOCALOIDオンリークラブイベント「VOC@LOID NIGHT」
7-11 VOCALOIDのメディア展開
7-11-1 「非公式」の商業コミックス化
7-11-2 VOCALOIDキャラクターフィギュアの爆発的人気
7-11-3 カラオケ「JOYSOUND」VOCALOID楽曲配信
7-12 オリジナル曲への注目と「歌ってみた」の再人気
7-13 CVシリーズ第二弾「VOCALOID2鏡音リン・レン」
8章 2008年 ― 発展するボーカロイド
8-1 「ロードローラー祭り」
8-2 「ハジメテノオト」作者なりすまし事件
8-3 VOCALOIDランキング動画の氾濫
8-3-1 「ニコニコランキングメーカー」
8-3-2 「ボーカロイド新曲ランキング」
8-4 SNS「ハツネギ」の衰退と新たなSNS「ボーカロイドにゃっぽん」
8-4-1 「ハツネギ」閉鎖騒動
8-4-2 SNSサイト「ボーカロイドにゃっぽん」の開設
8-5 フリーの歌声合成ソフトウェア「UTAU」
8-5-1 歌声合成ソフトウェア「UTAU」
8-5-2 「UTAU」の興り
8-6 架空のVOCALOIDキャラクター「重音テト」
8-6-1 ニコニコ動画ユーザーを「釣る」企画
8-6-2 UTAU用音声ライブラリ「重音テト」
8-7 3DCGムービー制作ツール「MikuMikuDance」
8-8 「神調教」技術の登場
8-8-1 歌声合成パラメータ推定システム「VocaListener」
8-8-2 調整手法「ぼかんないんです><」
8-8-3 求められるVOCALOIDらしさ
8-9 「鏡音リン・レン」のバージョンアップ
8-10 SUPER GT参戦車両「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」
8-11 VOCALOID製品「がくっぽいど」
8-11-1 ニコニコ動画を利用した製品の宣伝
8-11-2 ニコニコ動画における「がくっぽいど」
8-12 VOCALOIDのメジャーCD発売
8-13 クリプトンによるボーカロイドコンテンツ配信
9章 2009年 ― ボーカロイドの確立
9-1 バイリンガルVOCALOID製品「VOCALOID2 巡音ルカ」
9-1-1 キャラクター設定の事前公表
9-1-2 「持ち物戦争」と「たこルカ」
9-2 VOCALOID楽曲配信レーベル「KarenT」
9-3 オンライン上のVOCALOID利用「NetVOCALOID」
9-3-1 「ミクと歌おう♪」
9-3-2 「ケータイがくっぽいど」
9-4 「GarageBand」用音声ライブラリ「Mac音ナナ」
9-5 VOCALOIDキャラクター利用ガイドラインの再定義
9-5-1 ピアプロ・キャラクター・ライセンス
9-5-2 ピアプロリンク
9-6 バーチャル・ボーカリスト「VOCALOID2 Megpoid」
9-7 クリプトンの新たなVOCALOIDプロジェクト「Project if…」
9-8 2009年に発売されたその他のVOCALOID製品
9-8-1 「SONIKA」
9-8-2 株式会社AHSのVOCALOID製品
9-8-3 VOCALOID2「BIG-AL」
9-9 PSP用ゲーム『初音ミク -Project DIVA-』
9-10 VOCALOID楽曲の舞台化「ココロ」
9-11 VOCALOIDキャラクターのライブイベント
9-11-1 「Animelo Summer Live 2009」
9-11-2 「ミクFES'09(夏)」
9-11-3 「ANIME FESTIVAL ASIA 2009」
9-12 UTAU「カテゴリ迷子」問題
9-12-1 ニコニコ動画のカテゴリ再編
9-12-2 「カテゴリ迷子」問題
9-13 喋り声の音声合成ソフトウェア「VOICEROID」
9-14 JAXA金星探査機「あかつき」初音ミクイラスト搭載
10章 2010-2012年 ― 商業展開するボーカロイド
10-1 VOCALOIDの新しい試み
10-1-1 VOCALOID拡張ライブラリ
10-1-1-1 「初音ミク・アペンド」
10-1-1-2 「鏡音リンレン・アペンド」
10-1-2 喋るVOCALOID「VOCALOID-flex」
10-1-3 VOCALOIDのハードウェア化「VOCALOID-board」
10-2 増加するボーカロイド楽曲の舞台化
10-2-1 同人活動としての舞台化
10-2-2 企業主催の舞台化
10-3 ボーカロイドによるプロモーション
10-3-1 さっぽろ雪まつり
10-3-2 カラオケDAM、VOCALOID楽曲配信
10-3-3 「Google Chrome」テレビCM
10-3-4 「ファミリーマート×初音ミクプロジェクト」
10-4 ゲーム展開
10-4-1 「Project DIVA」シリーズ
10-4-1-1 アーケードゲーム『初音ミク Project DIVA Arcade』
10-4-1-2 『初音ミク -Project DIVA-』追加コンテンツの配信
10-4-1-3 続編の開発・販売
10-4-2 ニンテンドー3DS『初音ミク and Future Stars Project mirai』
10-4-3 スマートフォン用ゲームアプリ
10-5 ゆのみP騒動
10-6 初の地上波ボーカロイド番組「VOCALO Revolution」
10-6-1 クリプトンのいないボーカロイド番組
10-6-2 「VOCALO Revolution」放送後
10-6-3 「CUL project」
10-7 海外へ向けた展開
10-7-1 海外でのライブコンサート
10-7-2 その他の海外イベント
10-8 2010-2012年のVOCALOID製品
10-8-1 VOCALOID3発表前のVOCALOID製品
10-8-1-1 既存キャラクターのVOCALOID製品化
10-8-1-2 ヤマハ製のVOCALOID製品
10-8-1-3 VOCALOID製品のiPadアプリ、iPhoneアプリ
10-8-2 新たなバージョン「VOCALOID3」
10-8-2-1 既存のVOCALOID製品のVOCALOID3ライブラリ化
10-8-2-2 既存キャラクターのVOCALOID化
10-8-2-3 公募によって制作されるVOCALOID製品
10-8-2-4 ニコニコ動画で特に人気の高いVOCALOID製品
10-8-2-5 日韓両用VOCALOID製品
10-8-3 一般販売されていないVOCALOID製品
11章 まとめ
11-1 ボーカロイドの10年
11-2 本論文の反省点と課題
参考資料一覧
付録 ボーカロイド史年表
概要
2007年の「初音ミク」発売以降、その存在が急速に広まり、社会現象にまでなった「ボーカロイド」。ヤマハ株式会社がVOCALOIDを発表した2003年から2012年現在までの10年間の「ボーカロイド」の変遷を辿ることで、「ボーカロイド」とはどのようなものかを明らかにすることが本論文の目的である。
2004年に発売されたVOCALOID製品「MEIKO」の大ヒットにより、製品にはキャラクターを設定することが主流となったVOCALOID。2007年「ニコニコ動画」における二次創作文化と共にキャラクターとしての「ボーカロイド」が確立した。さらに、インターネット上での「祭り」や企業による商品化などを背景に、「ボーカロイド」のキャラクター価値は高まっていく。近年では「ボーカロイド」の市場に新たに参入する企業が増え、ますます活発化している。
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