数千年に及ぶ膨大な作例が実在するとともに、豊かな研究の蓄積があり、古代から現代まで重層的・具体的に学べるのが美術史の強みです。誰もが知っている「名作」だけでなく、身近な視覚イメージに至るまで、造形活動を読み解くさまざまなアプローチの方法を身に着けましょう。専門を生かして美術館学芸員や出版・修復等の道を目指すこともできます。


1年次
1年次はコース選択は行わず、6つのコース全ての入門的な講義を受講します。
1年次の通史では、古代から現代まで、重要な作品の画像を示しながら、西洋美術、日本・東洋美術についての基礎的な知識を学びます。
2年次
2年次の資料講読では、学術的な文献を講読しながら、資料の探索、図書館、資料館の利用方法について詳しく指導します。
3年次
3年次の講義では、より専門的な各領域について詳しく講じます。また演習(ゼミナール)では、卒業論文の執筆を見据えて、学生各自の研究テーマについて発表を重ねます。
4年次
卒論ゼミナールでは、より具体的に各自のテーマを掘り下げていき、作品調査、文献収集について指導します。
学習についてのポイント
■ 西洋美術
目を鍛えることと頭を鍛えることは、美術史を学ぶ際の車の両輪です。オリジナルを中心に視覚的な記憶を蓄積することと、すぐれた研究や批評に触れて美術に取り組む知性を養うことの両方がかみ合ったところに、よい結果が生まれます。
■ 日本・東洋美術
日本・東洋美術史の文献の探索については、専門的な知識が必要となります。インターネットを入り口に、図書館等の利用方法についても詳しく指導します。
教員紹介
芸科生に聞く
音楽学コースの魅力や授業について、学び以外の活動など在学生や卒業生にインタビューしました。
教員からのメッセージ
■ 西洋美術
目西洋美術史は数百年ごとに大きなパラダイム変化があり、先行する時代から多くのものを受け取りながらも、果敢に新しいステージに挑戦してきました。この大きな流れをまずつかみ、自分が興味を抱く対象をそこにマッピングしてみると、対象が歴史の中で生動する姿が見えてきます。
■ 日本・東洋美術
日本・東洋美術史を学ぼうとする学生は、まず何よりも実作品の観賞体験を積むことが大切です。講義において、展覧会場情報を発信しますので、積極的に足を運ぶようにしてください。
卒論リスト<2024年度>
卒論タイトル |
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粟津潔の1960・70年代 ~複製芸術の「痕跡」と「アウラ」をめぐって~ |
「アカデミック・システム」の変容から見る印象派の成功 |
ルノワールが描く幸福 |
カラヴァッジョの絵画における迫真性の考察 |
光の芸術家レッサー・ユリィの画業と表現に関する独創性の発見 |
ポール・シニャックの海辺の絵画における色彩表現と筆触分割 |
ルーベンスの描く2人の妻の表現方法について |
イタリア建築家アントニオ・サンテリアが生み出した革新性 |
会田誠の作品における引用と価値転換 |
オディロン・ルドンの装飾芸術――ドムシー城とフォンフロワド修道院の作品を中心に―― |
特徴的な人物・動物の表現からみるシャガール作品の神秘性 |