音楽はヨーロッパ文化の最も重要な基礎学のひとつです。本学科の音楽学コースでは、こうした伝統をふまえ、音楽理論や分析法など、音楽学の基礎をなす手法の習得を重視しています。西洋音楽のみならず、日本・東洋音楽や民族音楽を学ぶ機会も充実しています。
また、英語だけでなく、ドイツ語またはフランス語も積極的に学び、欧米の文献を読みこなすことによって、国際的視野で世界の音楽と文化について自由に考察できるようになることを目標とします。研究者やプロデューサーなど、音楽を通じて人々の相互理解を深めることのできる人材の育成を目指します。


1年次
1年次はコース選択は行わず、6つのコース全ての入門的な講義を受講します。
コースに分かれていないこの時期に、音楽学を学ぶ上での基本的な知識を身につけます。音楽について論理的に考えるためには、今日の音楽は歴史的にどのような変化をたどってきたのか、また音楽と人間や社会とはどのように関わり、音楽は社会の中でどのような役割を担っているのかを知ることが重要です。また楽譜を読み、音楽を分析するために必要な音楽の基本ルールも学びます。
2年次
1年次に学んだことをふまえて、音楽について研究するために必要なスキルを身につけます。プレゼンテーションのしかたを学び、研究に必要な日本語と英語の「資料」を読む訓練をします。音楽を分析してその特徴を説明できるようになるために、和音の種類と役割について理解し、音響についても理論と実践の両面から学びます。
3年次
2年次までに身につけた基礎知識を発展させます。フランス語またはドイツ語の文献を読み、音楽分析にも取り組みます。また国や時代、ジャンルなどに細分化された専門的なテーマを各自の興味関心に従って選択し、掘りさげて深く理解します。さらに、プレゼンテーションやディスカッションの経験を通して考えを深めます。
4年次
これまで学び、身につけた知識とスキルを活かして、各自で設定したテーマに基づいて卒業論文を執筆します。ゼミナールでの意見交換、質疑応答を通して、論の進め方や考察の妥当性などをそのつど確認し、また当該分野における書式上のルールにも留意して、これまでの学習と研究の集大成として納得のゆく論文を執筆することを目指します。
学習についてのポイント
ポピュラー音楽をはじめ、今日私たちが日常生活の中で接するほとんどの音楽は、いわゆる「クラシック音楽」の歴史の中で育まれてきた要素で構成されています。そのため、現在の音楽をより根本的に理解し、また文化の一側面として検討する際には、西洋音楽史や音楽理論について学ぶことが重要です。各自のテーマに取り組むために必要な専門的知識を習得し、見識を深めます。
教員紹介
芸科生に聞く
音楽学コースの魅力や授業について、学び以外の活動など在学生や卒業生にインタビューしました。
教員からのメッセージ
ポピュラー音楽をはじめ、今日私たちが日常生活の中で接するほとんどの音楽は、いわゆる「クラシック音楽」の歴史の中で育まれてきた要素で構成されています。そのため、現在の音楽をより根本的に理解し、また文化の一側面として検討する際には、西洋音楽史や音楽理論について学ぶことが重要です。各自のテーマに取り組むために必要な専門的知識を習得し、見識を深めます。
卒論リスト<2024年度>
卒論タイトル |
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収容所の音楽が果たした役割 |
音楽とイメージの関係性について ___オープンワールドRPG『原神』を例に__ |
ショパンのマズルカにおける伝承と史実の再考 |
アントニン・ドヴォルザークの音楽の牧歌性 ――《交響曲第8番》第3楽章を例に―― |
大衆音楽としてのコマーシャル・ソング——三木鶏郎を例に—— |
都立南多摩中等教育学校和太鼓部における八丈太鼓の変容 |
18世紀後半の北ドイツの音楽における Empfindsamkeit について |
ミュージカルと社会問題—作品《ウエスト・サイド・ストーリー》から考える— |
ラフマニノフ《絵画的練習曲『音の絵』》作品39-5から見るスクリャービンとの関係性 |
現代の音楽配信とSNSによる音楽聴取文化の変化 |
自作カデンツァを求めるコンクールの出現から考察する現代の自作カデンツァの存在意義ーー小説『蜜蜂と遠雷』と東京MINATO CITY国際音楽コンクールを例にーー |
現代J-popの歌声についての考察 |
ジャズとシグニファイング |